鬱病の顛末。精神病院入院。私は絶望を知った。

鬱病なんて、他人事だった。
自分が患うなんて思ってもみなかった。

初めて発症したのが今から10年ほど前の33歳の時。

母親を末期膵臓癌であっという間に看取ったのがきっかけだった。

父親とは長年険悪の仲で、母の死をきっかけに、さらに関係が悪化した。

両親は仲が悪く、私は幼少期からずっと親が喧嘩しているのを見続けて育った。
それはそれは壮絶な喧嘩だった。
私は子供の頃からずっと母親の愚痴聞き役だった。完全なる共依存関係。今で言う毒母である。

母は死ぬ2ヶ月ほど前に、
私にだけボソッと呟いた。
忘れもしないこのフレーズ。

「こんな病気になったのははっきり言ってお父さんのストレスのせいよ。」

だから母が亡くなった時、
「母を殺したのは父だ。」
そう思った。


母親を失った喪失感と、
父親へのすさまじい憎悪に苛まれ、
私の心はおかしくなってしまった。


夜中、毎日のように叫んでいた。らしい…。(
元夫曰く)
たまに自分の叫び声で目が覚めることもあった。
「死ねー!」とか、「〇〇じゃねぇよ!」とか。
それは普段使いもしない汚い言葉だった。

夫に連れられて精神科を受診。
鬱病と診断された。

私は結婚と同時に鬱病になったのだった。

確かに毎日何にもやる気は起きないし、
昼まで起き上がれなかったが、
ん〜、本当にこれが鬱病???
と疑問を持ちつつ受け入れることにした。


それから服薬の日々がはじまった。

2年くらいして、
週4でパートに行き、家事も普通にこなし、新婚生活を楽しんでいた。
夜中叫ぶこともなくなっていた。

子供が欲しかったので、
薬をやめたい、と、病院の先生に伝えた。

急にはやめられないと言われ、
徐々に減らしていくことになった。

しかし、
なかなか薬を断ち切ることは難しく、
しばらくは飲み続けていた。

その時35歳。
出産のリミットが迫っていた。
通院も投薬も、こりゃ永遠に続くなぁ…。
もう元気だし、薬に頼らなくても平気さ。
私は通院も薬もある時からブッチしてしまったのだった。
(鬱病の方、真似しないでください)

37歳で無事に出産。
子育てに追われる日々がはじまった。

パートは悪阻を機に辞めていた。
子供が6ヶ月を過ぎた頃、
親しくなった育休中のママ友に誘われて、
市がやっている保育園の入園説明会に何の気なしに行ってみた。

もちろん育休中のママが大勢集まっていた。
私は急に焦燥感に襲われてしまった。

この人たちはあと半年もしたら社会に戻っていくんだ。
そう思ったら、急に世の中からポツンと取り残されたような感覚に陥った。

その頃自然を好んでとても不便な土地に住んでいた。
車が無いと生活出来ないような場所だった。
近隣にはスーパーがあるくらいで、
子供をベビーカーに乗せてスーパーに行くくらいが唯一の気分転換だった。

毎日喋らない0歳児と2人だけの世界。
必死に育児をし、あっという間に毎日が過ぎていった。

気づいたら私はスマホで仕事探しをしていた。
仕事しなきゃ、仕事しなきゃと、
焦って自分を駆り立てていた。
引越しサイトも見まくった。
もっと賑やかな場所に引越したかった。

育児を目一杯楽しめれば良かったのにと今は思うが、
あの時はとにかく怖かったのだ。
自分が世の中から取り残されていく感覚が。
私も育休中のママたちのように社会と繋がりたかった。

私はまた鬱になってしまった。
心療内科に行ったら産後鬱と言われた。

とにかく落ち着きがなくなり、
焦りが酷く、
体を揺らしていないと居られなかった。


また服薬の日々がはじまった。


それから、
いろいろこじれてこじれて、
離婚騒動が勃発し、
(辛いので割愛します)
症状は悪化し、
とうとう私は精神科に2ヶ月入院します。


本当に情けない。
幼い子供を置いて。
最悪だ。
地獄の2ヶ月だった。


退院後、離婚が成立。
子供の居る元の住まいには帰れず、
父親の住まいで居候させてもらうことになった。

何件も弁護士事務所に相談に行ったが、
親権を取るのは難しい状況だと言われた。
親権は取れなかった。


離婚して4年経ち、
子供とは定期的に面会している。
ようやく絶望の淵から這い上がりつつある。
症状はまったくなくなり、
一人暮らしを始め、毎日仕事にも行っている。
今は普通に健常者だと思って生活している。

通院は2ヶ月に一度。
薬は今も飲んでいる。
途中やめていたが、
服薬期間は通算8年くらいだろうか。

先日病院で、思い切って、
「薬やめたいんです。」
と言ってみた。
最小のミリ数に変えてもらい、
服用も週2回までに減った。


もう懲り懲りなのだ。


鬱病とはもう縁を切りたいのだよ、
私は。


早く鬱から卒業したい。
ただただ、とにかく、それだけなのだ。



一度罹るとなかなか抜け出せないのが鬱病です。
人生が狂ってしまうこともあれば、
人生観が変わって気付かされることもあります。


私は母親なのに乳飲み子居るのに鬱になった。
これ、まだ処理しきれてないです。
子供に申し訳ないし、
人生が狂ったのも弱い自分のせいでもあります。


鬱はわずかな心の隙間にスッと侵入してきて、私の中に浸潤していきました。


不安に駆られると、
また足をすくわれてしまうかもしれない。
と、思いながら、断絶に向かって生きています。


感動的なお話は出来ません。
偉そうなことも言えません。


誰かの少し何かの足しになればと思って投稿します。


Radiohead

「No Surprises」


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