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Episode 805 私が先に動くのです。
『プレミアムフライデー』って覚えていますか?
プレミアムフライデーは、2017年2月24日から始まった日本政府と経済界が提唱した個人消費喚起キャンペーンである。
博報堂が事務局を受託し、月の最終金曜日(月末の金曜日)に合わせ、民間企業や公共機関が社内向けと社外(顧客)向けのイベント・セール・ポイント還元などのキャンペーンを行う。
略称はプレ金(プレきん)。
要するに、「毎月の最終金曜日は少し早く退勤して、楽しい時間を過ごしましょう」ってキャンペーンだったのですよね。
余暇を増やして消費も拡大でwin-win…ってね。
その後のコロナ禍を経て、今では全く聞かなくなりましたが、現在 (2025年2月) でも経済産業省のホームページには、その概要と取扱いについてのページが存在します。
プレミアムフライデーという取り組みが上手くいかなかった理由はイロイロあるのだと思いますが、地方都市の冴えないサラリーマンである私から言わせてもらえば、金曜日の午後が週末に直結している感覚からして「土日はお休み」が大前提なのですよ。
特定の層をターゲットにすること自体を否定する気はないのですが、ではターゲットにされた層の方々が、この取り組みを上手く使い熟せていたかもまた疑問…こちらの都合に関係なく設定された「プレミアムフライデー」でオフィスを追われ、結果的に仕事が終わらないみたいなことでは、「楽しい金曜日の夕方」から始まる週末なんて、夢のまた夢。
週明けの仕事が頭の片隅にあるようでは、楽しい週末なんて送れません…少なくとも私はね。
前回の記事で私は、日本の行政は「文化や産業を育成することが苦手」なのだということを指摘しました。
苦手を回避した結果として、文化や産業そのもの (ソフトウェア) の育成ではなく、その文化や産業を振興する目的でハコ (ハードウェア) がたくさん用意されたのだ…と。
「プレミアムフライデー」は、正にこのハコであり、前回の記事で話題にした「居場所」と名付けたハコを作っただけでは「居場所」にはならない…と同じ類いのハナシなのだと思います。
その前回の記事「投資が苦手な文化です。」を私は…
私は日本の政治体質や政府の姿勢を批判しているのではありません。
ただ、現状としてのイメージは掴んでおかないと…。
個人的な感想/感覚はあって、誇張されている点は否定しません…が、文化的に「行政主導が苦手」なのだということを理解して、さてどうするのか…を私たちは考えなければならないと、私は思うのです。
…と、結んだのです。
そして私は、その「さてどうするのか…を私たちは考えなければならない」の答えを、今から遡ること6年近く前に、既に記事にしてリリースしているのですよね。
私は日本の政治や政府を批判する気はありません。
民意が先に出るのは当然のムーブメントなのですから、対応や支援が後手に回るのは当たり前なのです。
支援が足りないと思うなら、先ず自分で動くこと。
前回のnote記事を𝕏で告知したところ、レイ(@wagonthe3rd)さんが引用でコメントして下さいました。
日本は今インバウンドに力を入れていますが、さて、日本のある町に旅人がたどり着いたとして、別に特別な行事でもなくそれなりの数の地元民が普通に集ってる場所があるかなんですよね。地元民の居場所。それがないと RPG のストーリーが進まない(笑)#ニューロダイバーシティ https://t.co/zjZU816f8v
— レイ@毎日がロードムービー (@wagonthe3rd) February 3, 2025
以下、レイさんと私のやり取りですが…
Ho+(HOTAS) …以下Ho+と略します
そうそう。
観光地/観光施設をグルグル巡って…では、団体様のツアー旅行(ハード)は出来ても、地場の魅力に触れるとは限らないワケですよね。
地域の住民が多く足を運ぶところに地域の生活や味(ソフト)が出る…。
別に、旅人に地域の人との交流を求めるワケじゃない、旅人はあくまでも旅人で良いと思います。
ただ、地域住民の居場所には、地域文化が色濃く反映される…とした時に、その地域色が強い部分を旅人がどのように見るのか、それが旅人の求めるCool Japan の本質である…と。
レイさん
では、旅人というか、人生の入り口、社会への新参者である若者の場合はどうでしょうか。
ロスジェネが発生したのは、インバウンドはまだ遠い将来だったとしてもリゾート開発こそ次の産業とされていた時期なのに、若者が卒業後の居場所の確保は新卒入社と思われてたわけで。
Ho+
結局のところ、新しい手立て/手法を行政がバックアップできないワケですよね。
記事本文にも書いたのですが、フルバックがポイントゲッターとはならんワケで。
「やりたい人集まれ!」とか「やってみれば良いじゃん!」に行政が及び腰。
「失敗してもOK!」…が公共機関ではとても難しいから。
だからこそ、その難しさを抱える行政を動かす(動かざるを得ない)ように、柵のない民間が先行することが必要になる…と。
それがベストとは言わないけれど、現状をどのように動かすのか…という知恵は必要だから。
あなたが今まく種はやがて、あなたの未来となって現れる。
要するに、誰かがハコを用意するのを待つのではなくて、私が種を蒔くことが大事なのだということです。
その蒔く種は、自前で用意できる範囲でも良いし、支援を募ってかき集めても良い…但し、失敗しても自力で後始末できる範囲でね。
「なんとかしたい」と思うのは、上手くいかなかったり、困ったりしているからですよね。
その「上手くいかない」とか「困った」を知っている本人だから、痒いところに手が届くワケですよ。
「自分にできることは何か」を考えて、行動に移すこと。
元手のない私は、元手のかからない自助会活動から始めました。
自助会を立ち上げて開催するのに絶対に必要な経費は、「会場費」だけだと思います。
— ɦσ+(ɦσƭαร) (@HOTAS10001) January 31, 2025
その他は「経費」は必要と思い込んでいるだけなのだと思います。
その絶対必要な会場費という経費は参加者で「割り勘」にすれば良いからね、私は参加者も主催者も経費負担は同じになるハズって思っているよ。
そして、それは確実に芽吹きつつある…。
しあわせは歩いてこない
— ɦσ+(ɦσƭαร) (@HOTAS10001) February 4, 2025
だから歩いてゆくんだね
って「365歩のマーチ」は、自助会運営そのものだよね。
地道に開催して、
開催するからこそ人と出会い、
人と会うから理解が深まる。
その経験を積み上げると、
どこかからハナシを聞かせてって、
声がかかったりする。
こんな私でも…です。
行政の「苦手」を指摘して批判しても、解決にはつながらないのだと思います。
それならどうするか…。
行政が意見を聴きにくる状況を作るのが手っ取り早いだろう…と、私は思います。
ソフトウェア/コンテンツ作りが苦手な人に「作れ」って言っても良いものはできないでしょう。
それなら、導入部分だけでも作って、目に留まるように起き続ければ良い…かな。
その結果は、後からついて来ます…きっとね。