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Episode 800 距離が近いは危険です。

私の主催する自助会は、この1月開催の定例会で70回目を迎えます。

この自助会が5年以上継続開催できている理由は、手を伸ばし過ぎず、活動範囲をシッカリと限定したから…と思っています。

その辺りのハナシは、既に「『範囲の限定』は重要です。」で記事にしているので、そちらをご覧いただく…としまして。

今回話題にするのは、@HOTASの会の「SNSの付き合い方」です。

実は、私の 𝕏 のDMに、「@HOTASの会の開催案内を『LINE公式アカウント』で一斉送信して欲しい」旨の提案があったのですよ。

「LINE公式アカウント」は、日本国内で月間9,700万人(2024年3月末時点)が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」上で、友だち追加してくれたユーザーに直接情報を届けることができるサービスです。
LINE公式アカウントを活用することで、販促や集客に関するさまざまな施策を実施することができます。

【公式】LINE公式アカウントの作り方より

このハナシは、そのDM主さまへの返信ではなく、自助会という任意団体が、どのようにSNSと付き合っていくのか…の、個人的見解です。
今後も同じような質問や提案を受けることもあると思いますし、私の考え方が誰かの役に立つかもしれませんし…ね。
ただ、頂いたDMが、私の考えを言語化するキッカケになったことは、間違いありません。
そのキッカケを頂いたことに、先ず感謝します。
さて…。

先ず、@HOTASの会が「LINE公式アカウント」を使用するか…ですが、使いません。
それは「友だち登録した…とか、解除した…とかいう『コミュニティの要素』を自助会に持ち込むことになるから」です。

自助会を必要としている人にとっては、通知が届くことは「便利な機能」なのでしょう。
でも、通知が届くのは「友だち登録している人だけ」なのですよね。

繰り返しになりますが、私は「自助会にコミュニティの要素を持ち込まない」ことが大切である…と、思っています。

私も以前、自助会で知り合った「仲間」と食事会をしよう…とか、相互親睦を深めようとしたことがあったのですよね。
そして…揉めました。
あの人は呼ぶとか、この人はパスとか、多くの人の意見や気持ちが交錯して、収拾が付かなくなってしまい、危うく自助会は分解の危機に陥ったのでした。

LINEの「友だち登録」は、「普通のLINE」であっても「LINE公式アカウント」であっても、基本的にクローズのコミュニティなのですよね。
入会に審査があるような会員制のクローズな (自助) 会であれば、LINEグループでもLINE公式アカウントでも良いのだと思います。

でも、私の主催する自助会は「誰でも参加してください」を基本とするオープンなモノなのですよね。
その誰でも参加できるオープンな団体に、参加を促す通知を持ち込むのは、特定の誰かを優遇することにならないか…と、私は思うのです。

初めて参加する方と、毎回参加している方の、開催案内にたどり着く「アクション」を、主催者側が差をつけることは、トラブルの素を作ることにならないか?
もちろん「LINE公式アカウント」は、参加者の意思で登録するものであることは分かっています。
ただ、参加者に「友だち登録」をお願いする行為には、しなきゃいけないのか、した方が良いのか…みたいな「微妙な力関係」が働くのは、恐らく間違いないでしょう。

オープンな自助会は、特定の人を対象にしているワケではありません。
各回に対しての参加者のアプローチは、主催者や他の参加者に対しての忖度があってはいけません。
開催を告知する通知が「圧力」として働く可能性が否めないのなら、その仕組みは導入すべきではない…と。

オープンな自助会のような任意組織は、行きたい時に行けるように「常にあなたの側にいる」ことが大切なのだと思います。
「あるよ、やるよ」を押す付けることなく、必要な時に、行きたい時にそこにある、その情報を横に起き続けることが重要なのだと思うのです。

ですからね、情報が目に付くようにするオープンな告知方法…相手を限定しないSNSでの発信や、(私は使ってませんが) 「こくちーずプロ」のようなオープン・スペースに向けた告知ツール、自治体や支援組織の広報誌、タウンペーパーへの掲載のように、「参加者のみなさんが自らの手を伸ばせばそこにある、ワンストップのアクション」であることが必要なのだと、私は思うのです。

もちろん、いろいろな考え方があると思います。
私が指摘して、私がやらない…としたことは、私の意見ですから、そういうリスクがあることを承知で「LINE公式アカウント」のようなコミュニティタイプのSNSを導入されるのならば、私はそれを止めません。

ただ、そのリスクに気が付かずに導入した結果、紹介させていただいた石橋尋志(@ihi1484) さんのポストのように、距離を詰めることで発生するトラブルによって主催者のモチベーションが落ちてしまっては、何のためのSNSかわからなくなってしまいます。

先ずはリスク回避優先でミニマムな自助会運営を行い、運営が安定してから必要な仕組みを追加するのが吉。

私はそう言ったゴタゴタを経験したからこそ、「コミュニティタイプのSNSは自助会には必要ない」…と思っているのですけどね。

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