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Episode 748 隠れ Autistic がいるのです。

最近私は、自らの特性について Autism という英語表記を使い、そういう特性を持つ人として Autistic という表現を使うことが多くなりました。
これは Autism の日本語表記である「自閉」という言葉だと、自らの特性をカバーし切れないと思うようになったからです。

同じように、ASDという表現を使うことも、少なくなったと思います。
「Autism Spectrum Disorder 和訳:自閉スペクトラム症」とは、日本語表記で「自閉」と言われる状態の、「ここ」と特定できない社会的な不具合を指す…というのが私の認識なのですが、この Spectrum Disorder というなんとも曖昧な設定が、外から Autistic を見る人の混乱を招いている気がするのですよね。

前回のnote記事を書いていて、久しぶりに「理解されにくい Autistic」の存在を感じたのですよね。
ここから先、敢えて「ステレオタイプ」なデフォルメを使って書くので、その点のご理解を頂いた上でですね、私は基本的に多弁な言語優位型の Autisutic ではないのですよ。
それは、このnote記事に引越す前…まだ某ブログで記事を綴り始めた 2018年の秋に明言しているワケなのですけどね。

見て覚え、雰囲気や感覚を重視する…という自覚が私にはあります。
それでもなぜ故に、得意ではない「文字」を使って「文章」を紡ぐのか…ということになるワケですが、感覚や雰囲気をあなたに伝えるために、文字や文章と言う媒体を使わないと、あなたに「私のこと」が伝わらないから…なのですよ。

「発達障害者は運動が苦手」とか言われるのは、DCD(発達性協調運動障害)を併発している確率が高いから…というのはよく言われることです。

最新の精神疾患の国際的な診断基準DSM-5-TRによれば、DCDの発生頻度は子どもの約5~8%と、ADHD(注意欠如・多動性障害)の約7.2%と同じぐらい、ASD(自閉症スペクトラム障害)の約1~2%よりもはるかに高く、決して珍しくはない発達障害のひとつです。

また、他の発達障害との併存率も高く、ASDの約80%、ADHDの約30~50%、SLD(限局性学習障害)の約50%に併存が見られ、他の発達障害とも深く関係します。

NHKハートネット「発達性協調運動障害 (DCD) とは・基本情報」より

ただね、「ハートネット」からの引用の通り、併存率が高いのはその通りなのですが、併発しない人もいるワケですよね。

私の場合、粗大運動についても、微細運動についても、恐らくDCDの診断は付きません。
「誰かと息を合わせて何かしよう」とすると、焦りが出てしまい上手く行かない事はあるのですが、自分のペースで何かしようとすることに大きな問題はないのですよね。

前回のnote記事「『見て覚える』タイプもいるのです。」で話題にした通り、見て真似るという行為/行動に問題がない「職人タイプ」の  
Autistic には、具体性の高い言葉に頼らない、曖昧な表現を日常的にする、私のような人がいるのですよね。
これは感情を表す抽象的表現ではなく、あくまでも物理的な状態を表す抽象的表現である点に注意が必要なのですが、それでも言葉で表現し切れない感覚を示す「抽象表現」なり「言語外コミュニケーション」を用いる Autistic は存在するのだと思います。

その「言葉に頼らない」タイプの Autistic が、言葉による自らの Autism 性の解説をするのか…と考えだ時、「上手く解説できなくて諦める」とか、ありそうだと思いませんか?

私は以前に「Autistic な女性が男性よりも少ないとされる理由」について、それは社会が求める女性像の自由度が低い故に、持って生まれた Autism 性を矯正されることを余儀なくされた女性が多かったからかもしれない…とお話ししたことがあります。

AS"D"は、ウイルスや細菌が原因の、理由が明確な「病気」ではありません。
だからね、医療や心療の現場でも、当事者の外側にみえる現象から AS"D"を判断するワケですよ。
この結果として、女性に対する社会的バイアスの問題から女性のAS"D"者の発見が難しかった…と、私は思っています。
もしかしたら、コレと同じことが、見て覚え、マネすることに不都合がない動作性IQが優位な「感覚派 Autisutic」に起こっているとしたら…と考えます。

Autism の自己確知には、自己容認と自らの言語化が大切…とした時に、言語化が得意なのは…やはり言語性IQが高い人の方が多いでしょうね。
だから、言葉という伝えるツールで NuroTypical と呼ばれる定型の民に Autism 性を伝える前線に立てるのは、言葉に長ける Autistic が多いのでしょうね。

結果として、NuroTypical の皆さんがイメージする Autistic は、実際のバランスよりも「言語に強いタイプの Autistic」に引っ張られている可能性はないか?

コレはあくまでも私の憶測にすぎません…が。
女性が実際よりも少なく見積もられてきたことと同じように、まだまだ埋もれて見つけにくいタイプの Autistic がそれなりにいるのだろう…と、思うのです。

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