Episode 662 熱いうちに反省です。
昨日(2月12日)の午後、久しぶりにあずさ(@41azusayumi)さんとスペース対談をしました。
前回の対談は昨年7月のことでしたから、半年ぶりくらいですかね…彼女との対談は、イロイロと私なりに理解の回路が繋がって行くように感じる発見が多くて、とても楽しいのですよ。
今回もその期待を裏切らない、とても有意義な時間を過ごしたのです。
今回の話題は、人権とニューロダイバーシティをどのように解釈するのか…という話題だったのですが、私の話が下手だったのでしょう、どうもオーディエンスにニュアンスが上手く伝わらなかった部分があったようです。
事後ではありますが、その辺りをもう一度おさらいしてみよう…と思ったのが今回の記事です。
先ず「左利きをマイノリティ代表として例に上げるのは適切か」と言う点についてですが…。
これは右利き有利にできている社会に、左利きと言う「多様性」を社会が容認してきた歴史があるよね…という視点で考えていただきたいと思います。
左右対称(シンメトリー)なスプーンや箸を用意して、右手でも左手でも同じように使うことができることを考える…これがユニバーサルデザインな発想です。
ここで更に必要なのは、人前で左手で作業することを容認する環境(意識)です。
この期に及んで左利きを蔑視する方は殆どいらっしゃらないでしょう。
つまりそれは、利き手というものに対しての多様性が、「所作として品位に欠ける」という価値観(少なくとも私はそういう指導方針を両親から与えられたのです)の基に、右手矯正を標準とした私の親世代〜私の世代から進化した結果ですよね。
利き手ということについてのダイバーシティが認められてきた…ということになるのだと思います。
私はASD当事者であり、左利きの当事者でもあります。
そして左利きのダイバーシティが認められる過程を経験してきたのです。
左利きの例えは、発達障害という症候群を喩えているのではなく、ダイバーシティが認められる具体例を示すための格好の事例なのだと私は思うのです。
次に、「行動に移すには時期を見る必要がある」という点についてですが…。
人権を声高に叫ぶのは「悪手(疑問手)」であるという私の意見について、「『人権』を持ち出さねばならぬくらい追い詰められている層に『それはよくない手だよね』と言っている」ように聞こえたのなら、それは私の真意に沿わない内容であり、同時に私の言葉が足りなかったということでしょう。
「行動に移すには時期を見る必要がある」という発言は、スペースの前提でもあった「思考のベースになる発想の拠り所」から現代社会における問題点を考えたときに、「人権」を持ち出すことが長所よりも短所になることが多い…という、私の思考の出発点である歴史学的大局観を念頭に置いた発言だったワケです。
この思いは、既に他のnote記事にもしたのですが…。
人権を盾にして平等を強要する行為は、相手に我慢を強いることを暗に意味します。
こう言った「本来平等に備わっている権利」という明らかな正論を持ち出して「社会のいびつさ」を指摘すれば、それは間違いではないワケですけどね、その「社会のいびつさ」をどのように修正すれば「いびつの尖った部分」を削り落とせるのか…という具体案がセットにならなければ、正論を盾に「社会のいびつさ」に言及する形で、平等を装いながら「自らの正義」をゴリ押しすることになりかねないと、私は考えるのです。
その一方で、「今困っていること」を現行の枠組みの中で最大限の対応をすることは、別件で絶対に必要なことだと思っています。
この件も、以前にnote記事にしています。
私はこの記事の中で、昨年(2022年)7月に起こった「KDDI通信障害」を題材にして「5G規格の障害復旧と6Gという次世代規格の研究は、違う次元の問題としてどちらも最善を尽くす必要がある」…と、指摘します。
私が今回のスペースでお話しした内容は、「6G規格の開発という次世代に向けて、定型/非定型を問わず共に良い方向にアップデートする方法で考えないと、また新たな分断を作ることになるよ」…という長期的展望に立った大局観のハナシです。
他方、「人権」を持ち出さねばならぬくらい追い詰められている層…という視点は、5G規格の障害復旧という切羽詰まった喫緊の課題であり、「6G規格の開発」などとノンビリしたことは言っていられないワケですよ。
両者は自転車の両輪であって、両方考えないといけない…と言うのが私の意見です。
今回のスペースは、そのあたりの「設定」が曖昧な大きな主語で表題を付けたことに問題があったようにも思います。
このようなことを反省点として、また次の機会に望みたいと思います。
この件に関して、あずささんの方からも記事が書かれているので、合わせてご案内します。
尚、視覚優位と言語優位という認知(と記憶・再生と伝達)についてのお話はまた次の機会に…。
「対等な関係」という視点から、過去の記事を置いておきます。
興味のある方は合わせてどうぞ。
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