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Episode 434 外モードというマジックです。

私の子どもの頃にはなかった「トレーディングカードゲーム」なるモノが男の子の遊びとして定着し始めたのは2000年前後かと思います。
詳しくはないですが、長男も『遊☆戯☆王』・『デュエル・マスターズ』や『バトル・スピリッツ』なんて名前の幾つかの種類のカードを所有していて、戦略を練ってそれに合わせた「デッキ」と呼ばれる手持ちカードの内容を構成を考えて…なんてやっていたように思います。
将棋や囲碁の様に一対一で対局することが多いのですが、同じ条件での勝負ではなく相手と自分のデッキ構成は枚数こそ同じでも全く別のモノで、自分の手持ちの駒(カード)を如何に論理的に連携させて自軍を構成するのか、相手の戦略に如何につけ込むのか…という辺りはまるで戦国武将の戦のよう…。
真剣に考えたデッキがどんな相手のどんな戦い方にマッチするのか…ってあたりは、先に記事にした少年の手加減なしのガチで遊べる辺りに響くのでしょう

さてさて、そのトレーディングカードゲーム風にASD男性を形容すれば、差し詰め「スルー」という特殊能力を付与された「白鳥」というカードって感じでしょうかね。
その能力は「白鳥」に向けられた攻撃を透過させるなかなか強力なもの…ということでしょう。
ところがですよ、この「スルー」という能力は対局中の敵対勢力だけでなく味方からの働きかけにも遺憾なく発揮される欠点があってですね、デッキを構成するにあたって協調攻撃がしにくいワケです。
単独の能力は高いのに、実戦で使いにくい「悩ましいカード」…と言ったところでしょうか。

男性型ASDの白鳥ってね、こんなイメージなのです。
周囲との協力体制が作りにくいから何となく孤立しがちでも、能力があるから外しにくい…。
さて、どうやって「デッキ」の中で立ち位置を作り上げていくのか…で、「外モード」という「マジック」が考案されるワケです。
対局する相手勢力をスルーしつつ、味方に対するスルーを回避する魔法をかけるワケです。
ただし、この「マジック」の効果には制限があって、いつでもどこでも発動できるわけではないのです。
だから、勝負どころの「ここぞ」でしか使えない…。

つまりですね、白鳥は外モードを実装することで自分の能力を発揮できる足掛かりを作るのです。

現実的な話をすれば、幼稚園・保育園から小学校に進む年齢に掛けて、スズメのコミュニティは「他者との係わり」を学んでいくのです。
このタイミングで白鳥の私は「アイツはアイツ」と放置され、田んぼでエサを食べることに夢中だったというお話は指摘した通りで、夢中であるもののレベルが高い程に放置される時期・範囲も広がることになるワケです。
そうは言っても社会は一人っきりで生きられるほど甘くありません。
そこに社会で生活する「形式」をテンプレートで用意する必要が出るワケです。

私の外モードは、このコラムの中に何度となく登場する「再生」でした

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