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Episode 271 「分からない」でも良いのです。

これは私の話です。
ASDである私が感じていることをお話ししているのです。
ウソではありませんが、一般論でもありません。
だからASDと診断されたされた方がみんな私と同じように感じるという話ではありません。
そこは改めて書き記しておきます。

さて…。

ASDでありながら結婚することができた私のような幸せ者は、結婚生活で躓くことが往々にしてあるのだろうと思います。
それは、結婚生活というパートナーと共同で生活していくことは基本的に "Continue" の作業であるからかもしれません。
意気投合したパートナーと一緒に生活したいと思うのは、ASDであろうが定型者であろうが変わらないことだと思うのです。
そこに愛すべき新しい命が生まれてくるとなれば、こんなに嬉しいことは他にあろうハズもありません。
それは私も同じなのです。

でも、日々新しく塗り替えられていく生活に馴染むのは、私にとって非常に骨の折れることなのです。
何故ならば、予定調和を基本にしたルーティンこそが私の社会にonする方法だからです。
私は、現場合わせが苦手だから先に回って落としどころを見つけ、そこを目標に行動することで社会で生活する道を作ってきました。
失敗したら "Reset" してやり直す…それは、予定調和することが前提だからの発想なのだろうと思います。

ところが、人生リセットできないことが起こるのです。
私は「人の上に立つ仕事」「人を束ねる仕事」が出来ませんでした。
仕事上で一定の評価は必ず得るのです。
でも、その評価を以て昇進すると、対人トラブルが発生して逃げ場を失います。
それは、私が自分自身を修正しながら "Continue" することができなかったからだと思うのです。

ウチでも同じことが起こります。
愛すべき子どもの成長は著しく、昨日と今日は同じではない、それに合わせてパートナーも同じではありません。
状況に合わせた "Continue" が難しい私は、毎日 "Reset" を試みますが、上手くいくはずはないのです。
だって、子どもは日々成長しているのですから。
同じ方法でリトライすれば、昨日の失敗を今日も繰り返すことになります
私としては…上手くいくはずの方法なのに、何回やっても上手くいかなくて途方に暮れるのです。

パートナーの方から見れば…かなりもどかしいですよね。
子育て待ったなしなのに、何も理解してないように見えたことでしょう。

やがて仕事の失敗が私をダウンさせ、復帰してはダウンしてを繰り返すようになります
何回もダウンを繰り返した原因も恐らく "Reset" です。
ココロの回復を待って、職場に復帰しても失敗のからの経験が生かせない "Reset" だから、また同じことで失敗してしまうのです。

ASDを自認して、「がんばらない」という気持ちを獲得することが "Reset" からの卒業に繋がるのではないかと思います
「できない」「わからない」を認めることは "Continue" の最初の一歩なのだろと今はそう感じます。

「分からないから教えて。」
簡単な一言なのですが、これが素直に言えるようになってきたと感じるのは、つい最近のことです。

旧ブログ アーカイブ 2019/6/12

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