10月涼しくなった京都 相国寺
10月11日。
京都は急激に涼しくなった。
夕方以降は寒いくらいだ。
つい一週間前まで
「いくら何でも夏すぎるだろ」
とか考えていたのが嘘みたいで、
ようやく秋の訪れを感じられるようになった。
せっかく涼しいのだから、かねてより行きたかった相国寺へと向かうことに。
なんでも、特別拝観の時期らしい。
相国寺ってどんなお寺?
出町柳にある「桝形商店街」を抜けてクネクネ進むと相国寺に到着する。
(説明が雑ですみません...)
位置的には同志社大学今出川キャンパスのすぐ近くといったところ。同志社の学生が通学路として通ったりもするらしい。
さて、相国寺というのは足利義満によって創建された名刹。
(名刹とは由緒正しきお寺という意味)
何度も焼失と再建を繰り返してきたが、法堂は1605年に再建されたものが残っているらしい。法堂としては日本最古のもの。
今回の特別拝観ではその法堂を含む三ヶ所を観ることが出来る。
「蟠龍図」の迫力が凄かった
(こちらは写真撮影禁止だったので、気になる方は公式サイト等にてご覧下さい)
法堂の天井には、どデカい龍の絵が描かれている。これは「蟠龍図(ばんりゅうず)」というもので、狩野永徳の長男である「狩野光信」が描いた傑作だ。
狩野永徳といえば「唐獅子図屏風」で有名な画家で、織田信長や豊臣秀吉に重用された人物。
安土桃山時代といえば「唐獅子図屏風」だよねといった感じで、私の脳内では強烈に印象付けられている。
そんな人物の息子もやはり傑物だった。
この蟠龍図、とにかくど迫力で、
龍の鋭い眼光はどの角度から観ても睨まれているように見えるようになっている。
天龍寺や妙心寺の「八方睨みの龍」と同様の造りだと思う。
加えて相国寺の龍は
「鳴き龍」と呼ばれている。
法堂の中央付近で手を叩くと、
音が反響してカラカラと鳴くのだという。
(実際に体験してみたが、あまりよくわからなかった・・・)
ぜひ実際に訪れて体験してみてほしい。
方丈庭園の造りが独特だった
相国寺の方丈庭園には表と裏がある。
初対面の京都人と仲良くなろうと思ったら、
「あなたは相国寺の表と裏、どっち派ですか?僕は裏かなぁ」
と話してみると良い。
物好きな京都人であれば気に入ってくれるはずだ。
何を言っているのかというと、
相国寺内の方丈には
表と裏2種類の庭園が存在するのだ。
上記画像の通り、
表方丈庭園は白砂の枯山水庭園。
枯山水の多くは、白砂の上に岩山や松の木、苔などがあるはずだが、
相国寺の場合はほぼ白砂のみとなっている。
かなり珍しい。
敢えて白砂のみで構成することによって、
禅の境地「無」を表現しているらしい。
一方、こちらが裏方丈庭園。
立派な木々が生い茂り、水路のようなものまで引かれている。
表とは打って変わって、「自然」に溢れた庭園といった印象だ。
裏方丈庭園では「悟りの内容の豊かさ」を表現しているらしい。
表で「無」、裏で「豊かさ」を表し、
その二つを合わせることで禅の奥深さを見事に演出している。これには思わず感嘆した。
静かで何も考えていないように見えても、内面には豊かな世界観が形成され、統制が為されている。それこそが無の境地ということなのだろうか。
良い気付きが得られた。
私たち以外の参拝客の方も
「裏はこうなってたのね〜」
と感心している様子だった。
個人的に好きな動物である「象」が描かれていた。私は「象」と「キリン」がかなり好きなのだが、このように描かれる機会に恵まれない。
(龍や獅子が多い気がする)
なので、かなり嬉しかった。
後日動画を作成します。よければご視聴いただければ嬉しいです。
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