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第54回イベントレポート『一年に感謝。出すって気持ちイィ〜ッ!』
2022年12月21日、アンリー・ファーブル200歳の誕生日、晴れ。
ナンテンの実が真っ赤に色づき、冬本番の寒さが到来し始める中、総勢6人の方々が集まってくれました。
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森の入り口で、鮮やかに色づいたナンテンの実を見上げた目線の先に、ひっそりと成り下がってる黒っぽい実を発見、、。
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ムカゴです。
ヤマイモは掘るのがとっても大変ですが、プランターで育てれば手軽に収穫できるのだよと、先日ホタルの会の会員の方が教えてくれました。
ムカゴからだと8年かかると言う人もいるそうですが、やってみたら1、2年でも充分食べられる大きさに育つとのこと。摘み取って生で頂くのも美味しいし、滋養強壮ほか様々な効能もあって薬膳にも使われる、誠に有難い森の恵みです。
今日は、そんな森への一年間の感謝を込めて、沢周辺の今年最後の手入れを行いました。
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道ぎわの手入れ
沢に向かう途中の道で、斜面から流れ出た土が山際に堆積してしまっている所がありました。
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数年前にも一度、際に溝を掘り、炭と枝葉を入れた所ですが、再度のメンテナンスを行いました。
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他の造作と同じように、きっちり直角に断面を作ります。水平面が水を土中に浸透させやすくさせる(重力は真下に引っぱるから)のですが、垂直に切った断面は雨水による表層の流出を防ぐとともに、土中の水と空気の出口にもなります。
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実は、この〝出口〟って、とても重要なんです。
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恵みの雨を森の大地が受け止め、表層流出を少しでも抑えるための造作をずっと地道に続けてはいるのですが、〝入る〟と〝出る〟は視点を反転させれば表裏一体。いくら入れることだけ一生懸命頑張っても、出さなければ溜まって動かず、何より大切な〝循環〟が滞ります。
これは人間の身体も同じですね。
〝出さなければ、入らない〟
いくら高価なサプリメントやコスメでも、受け入れる器の身体が整ってなければ中に入りません。まずは出す、、デトックスという意味ではなく、循環の大切さ。
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「今日のテーマは〝出す〟にしましょう」
さっそく、参加者の方から素敵なアイディアが〝出〟てきました!
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沢へ降ります。
水は殆ど残っていません。
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患者さんを診る天使のような眼差しで、地形を読みながら山の体内を観ています
周囲を見れば、山肌も乾いています。
乾燥肌対策は、森も、人間の身体も同じで内側が大事。潤いのある肌を取り戻すために、どうしたら効果的か、、、、
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人体のツボにピンポイントで鍼を打つように、シャベルで要所に手を入れました。
わずかに水が染み出して来ましたが、乾いた沢は、ずっと先まで続いています。
イベント開始前に、会員の方が上流の方の様子を観て回ってくれたのですが、沢は全体的に荒れて乾いているようです。
本流をかなり登った所では、水が長く残っている小さな水たまりがありました。
ここでは、水底に堆積した土砂や枝葉を取り除きました。
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詳細のレポートはコチラをご覧ください
↓
ランチタイム♪
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陽射しは暖かいものの明日は冬至、すでに太陽は傾き始めています。
温かいものが恋しい!♡
食後に、皆んなで森点ての御抹茶を頂戴仕りました。
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焚火で炙っても美味しい。
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午後の英気を養いました。
山から枝を出す
午後からは、沢の流域の状況を観ながら、落ち枝など片付けつつ、来月1/20に予定している炭づくりの材料を集めました。
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折れて垂れたまま通り道を阻んでいる枝も剪定します。
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集めた枝はブルーシートに乗せて、
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〝舟〟のようにして運び出します。
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斜面のそこかしこに散乱していた枝も、手分けして集めました。
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ずっと下ばかり見ていたので気づかなかったのですが、ふと顔を上げると大きなモミジが、ひときわ鮮やかに黄色く染まっておりました。
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一日の最後に、設置した井戸ポンプを押して焚き火を消化するための水を出しました。
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水を出す人力のひと押しひと押しが、ささやかながらも地面の中の、水を動かす循環の助けになっているような感じがしました。
一日のふりかえり
作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。
参加された方々の声
♡ あらちゃん
「今日は午前中だけの参加でしたが、初心者の私にとっては充実していました。昔はうんざりしていた落ち葉……今日は土にとって大切なのだなあと思いながら、作業できました。
又、水のない枯れ沢の底の土を、スコップで軽く刺激すると、水が少し涌き出てきた時は嬉しかったです」
♡ あきちゃん
「朝、まず皆んなで大きな切株がある周りの道の手入れをやった前後がとてもきれいで、お昼に通った時も何処だったかワッカンナイぐらい馴染んでるしスんゴい気持ちの良い場所になっていて、帰りも楽しみです。川も流れ始めたり、ちょっと手を入れるだけでも澄んだ水が流れて来て、目に見えて楽しかったです」
♡ あっちゃん
「今日は一年の感謝を込めて、森に入らせていただきました。
湧水がキラキラ滲み出ているところのお手入れしていると‥時間の経つのを忘れていました。ほんの少しのことが、これからにつながっていて、今にも繋がってきたのだと思うと、こんな気持ちを感じさせてくれたこの森に、感謝しかありません。
井戸ポンプから水が出るのを見た時、あれをずっとやってたら沢がずーっと水で繋がってホタルが来るんじゃないかと思った!、。ポンプを皆んなで交代でやったら水が流れ続けて、そしたら絶対ホタルは翔ぶと確信ができて、良かったです。
ありがとうございました」
♡ まあちゃん
「久しぶりに来て、無茶苦茶に沢が荒れてる所を見て、あっ、ホントに荒れるんだな、というのが分かった。人の手を入れないと、入れ続けないとダメなんだなというのを感じました。お疲れさまでした」
♡ みどりん
「今日は久々だったんですけど、沢をやったり、上にも行けたし、合間あいまにアキさんに石の積み方を教えてもらったり、まあちゃんとお昼にカラダ談義と森談義したり、、。ちょっと自分が何か疑問に思ったことを同じ目線で話ができるっていうのが凄く楽しかったなーと思いました。良い時間でした」
主催者ふりかえり
「森への感謝の気持ちを今年最後の手入れで伝えたい!、と、平日にも関わらず、師走の忙しさの合間に時間をつくり今回も多くの方が集まってくれた。森へというよりも、この一年の間、森まで足を運び、イベントに参加して一緒に土に触れ、一緒に汗をかいてくれた方々への感謝の気持ちが溢れ出ます。本当に有難うございました。
今回のテーマは〝出す〟ということで、地面からの水と空気の出口をつくったり、乾いた沢の底を掘って水を染み出させたり、山から落ち枝を出したり、最後は井戸から水を出すことも出来、出すのって気持ちいいなと思いました。『出るはエクスタシー』です。
地球が病んでいるのか、或いは人類が病んでいるからか、どちらかは分かりませんが、この一年、ホタルの会に来てくれた方々は、健康に対しての意識が高いように感じます。また、鍼灸師の方や看護師さん、セラピストの方など、身体と心の病いに関わっている方ほど継続して参加してくれるのは、山が病んでいるからなのかな?!と思ったりもします。
逆に私は、自分自身が病んでると感じてます。
小児喘息だったのですが、未だに完治しておりません。大人になってから知ったのですが、喘息は吸った息をちゃんと吐き出すことが出来ない病気なのだそうです。発作が起きた時、息が吸えなくて苦しいと思ってたのは、実は吐き出せてないから吸えなかったんですね。〝出さなければ、入らない!〟、山と同じです。公害病患者に認定されたこともあって、呼吸というものから私は特に、自分の肉体も環境の一部で一心同体なんだなと感じることが多いです。だから、山の乾燥肌を治すことは自分の乾燥肌を治すことになる、と信じたりして、そんな講座も企画してみたいと思いました。
そして、想いを表に出す、ということも大切なんだと思います。喘息の根元的原因は、感情を外に出せないことらしく、いわば心の病いだと言われたことがあります。確かに私は内向的で、外に向けて上手く自分を表現するのが苦手です。そのため周囲に自分を合わせてしまっていつしか本来の自分すら見失い、何度も苦しい思いをしてきたように思います。だけど、出口のないトンネルは無い。漆黒の暗い迷路に彷徨う人を「すぐ目の前に出口があるじゃん」と上から眺めてる人は馬鹿にするかも知れませんが、トンネルの中で迷っている人の気持ちは、トンネルの中にいる人にしか分からないのです、、、、。
そんなことを思いながら、今年最後の活動を終えました」
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参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!
今後の活動予定
今年7月から来年6月までは、ホタルの会の新年度になります。
年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、
1/9(月、成人の日)
1/20(金)【土中環境改善のための炭づくり特別講座】開催予定
2/4(土)
2/17 (金)
3/4 (土)
3/17 (金)
※冬の時期(12〜2月)は日が短いため、通常より終了時間を1時間繰り上げて実施します。
4月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
協力感謝
『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。
公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。
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さらに、2021年4月からは一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。
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ありがとうございます。