言うべきことを言えず、無駄な関東防空大演習を嗤えなかった当時の方々
先ほど、言葉は人を傷つける、と言いましたが、一方で、真っ当な意見を率直に言えない空気も、なんだか息苦しいなと感じます。
1930年代の戦前のときのことを思い出しました。あの時代、日本は戦争へと突き進んでいて、人々は不安でいっぱいだったと思います。そんな中、東京が敵の飛行機で空襲にあったときのためにということで、首都圏各団体の主催で「関東防空大演習」が大々的に行われました。
この時、信濃毎日新聞の桐生悠々という人が、大規模な防空演習のことを「嗤う」って書いたんです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%90%E7%94%9F%E6%82%A0%E3%80%85
https://www.tokyo-np.co.jp/article/267721
「木造の家が多いのに、空襲なんてされたら、もうお手上げだよ。そんな演習やるより、もっと現実的なことを考えようよ」って、すごく冷静で真っ当な意見だったんです。でも、当時の権力者は、そんな彼の意見を許せなかったみたいで。新聞社を辞めさせられて、結局、戦争が始まる前に亡くなってしまったんです。
彼の言っていたことが正しかったのは、後の戦争で証明されました。東京は焼け野原になってしまって…。
言葉って、本当に重いもの。でも、正しいことを正しく言えない社会って、やっぱりおかしいですよね。仙台の林子平さんも、「海国兵談」で江戸時代に国の危機を予言して、幕府にお咎めになったそうなんです。
私たちだって、何かおかしいと思ったら、ちゃんと声を上げないといけないと思うんです。でも、その時に大切なのは、感情的にならないこと。そして、相手の意見もちゃんと聞くこと。そうやって、建設的な対話をしていくことが、きっと未来につながるんじゃないかなって思います。
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