政治と宗教と野球の話はタブーといいますが
政治、宗教、野球の話は、一般的に安易に話題にするべきではないとされていますが、果たしてそうでしょうか。話し方一つで、状況は大きく変わるのではないでしょうか。
この「タブー」という言葉は、銀座の高級クラブでの接待の場で、お客様を不快にさせずに、より多くのお食事やお酒を楽しんでいただくための暗黙のルールから生まれたように思います。つまり、お客様との円滑な関係を保つための手段として、これらの話題は避けるべきとされたのです。
確かに、政治や宗教など、一度議論が始まると、なかなか意見が一致せず、感情的な対立に発展してしまう可能性はあります。しかし、これらに限らず、サッカーや将棋、読書、出身地、食べ物など、人々が熱中するあらゆるテーマで、同様の状況は起こり得ます。レッズよりベガルタの方が好きだ、藤井聡太より渡辺明の方がいい、などなど。
大切なのは、どの話題を選ぶかではなく、どのように話すかということではないでしょうか。
私は、特定の政党を支持していたり、特定の宗教を信仰していたり、特定の野球チームを応援しているというだけで、相手を否定したり、議論を挑んだりすることはないようにしています。むしろ、相手との意見の違いを認め、それぞれの立場を尊重しながら、対話することを心がけています。異なる価値観に触れることで、私は多くのことを学び、成長してきました。
哲学者カール・ヤスパースは、「他者との実存的交わり」を通して、人間は成長すると説いています。私は、この言葉に深く共感します。もし、すべての話題をタブー視して、表面的な会話しかできなくなるとしたら、それはとても寂しいことだと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?