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視聴率という呪縛からの脱却

今年のCMで川口春奈さんが最多出演だなんて、本当に素晴らしいですね。数年前までは、主演ドラマの低視聴率が話題になったりして、少し厳しい時期があったそうじゃないですか。それが今では、すっかり人気女優の仲間入り。本当に良かったです。
昔は、テレビ業界では視聴率が全て、まるで学校の偏差値のように絶対的なものだったように感じます。でも、今はそうではないですよね。世帯視聴率だけでなく、個人視聴率も細かく集計されるようになったり、録画や動画配信サービスで、好きな時間に好きなだけ番組を見られるようになったりと、視聴の仕方が多様化しています。それに、今では複数の番組をまとめて録画できる機能もあるから、昔のように裏番組に勝つか負けるか、というような単純な競争もあまり意味がないように思います。
今年の大河ドラマ『光る君へ』も、視聴率は高くなかったけれど、SNS等では話題になっていましたよね。あれは決して失敗作だとは思えません。むしろ、平安時代を描く新しい試みだったと言えるのではないでしょうか。2019年の大河ドラマ『いだてん』は、視聴率が低かったことで大きな話題になりましたが、個人的には落語の世界とオリンピックの歴史を絡めるなど、とても面白いドラマだったと思っています。ただ、登場人物が田畑政治、緒方竹虎、川島正次郎、東龍太郎など、昔の政治に政治に興味のある方々はともかく、一般の人々には馴染みが薄かったため、従来の大河ドラマファンには少し受け入れられにくかったのかもしれません。それでも、作品としての価値は十分にあったと思います。
昔は、『宇宙戦艦ヤマト』のように、本放送時は低視聴率でも、再放送で評価が高まるというようなこともありました。視聴率が絶対的な価値ではなくなったということは、作品を多角的に評価できるようになったということの裏返しだと思います。
このように、テレビの視聴環境が大きく変化したことで、作品を見る側の視点も変わってきたように感じます。視聴率に一喜一憂するのではなく、多様な角度から作品を捉えていくことが、これからのテレビドラマを楽しむ上で大切なのかもしれませんね。

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