あやとり家族七十三〜みんな自分が正解で一番〜
役所からの通知
「離婚届は受理されましたが間違いないですか」
との通知が来た
”えっ!”
離婚届は出す前に連絡してと言っておいたのに
勝手に出していた
最後くらい約束を守って欲しかった
私の中では離婚届を出す前に話し合いをするつもりだった
それもなんの許可もなく勝手に出していて
ここまでくると対応する気力がなく
あまりのひどさに涙が止まらなかった
元夫に連絡をすると
「かわいそうだから言えなかった」って
彼の解釈と私の解釈は違う
理由もわからず離婚になって最後にこれかよって
双子の姉のことも憎んだ
「必ず話し合える時が来るから」って言ったのに
来ないじゃないか
これも自分で判断できず、人に合わせてきたからだ
脳内は超絶多動状態
頭がおかしくなっていた
お酒に委ねる
辛さ、悲しみ、考えたくないのに頭がずっと動いている
止めることもできない
ただただ毎日ビールを浴びるように飲んでいた
朝から晩まで
飲んでも飲んでも酔うこともなく記憶だけが置き去りのまま
私のそばについてまわる
それでも会社には行っていた、気晴らし以外のなんでもない
この時とても忙しくて残業が多かったのが功を奏した
職場の仲間にも実の母にも友達にも離婚のことが言え図にいた
思い出すだけで泣いてしまう
この状況で他人に事実を伝えることなんてできない
仕事以外は引きこもっていた
あの時何を考えていたんだろうか
共依存だった私の一部、いやほぼ全てがなくなってしまった状態
自分がいないから、とにかく何かで埋めるしかなかった
こうなると人が頼りになるが、人に連絡することさえままならなかった
泣いてしまうから話にならないこともわかっていたし
こうして仕事とビール
この生活をしばらく続けていた
この状況になってから、自分が我慢していたことにやっと気づき始めた
すずちゃんの家に行ったは良かったが、彼氏が一緒に住んでいるなんて知らなかったのだ
正直、離婚したばかりで男の人とは関わりを持ちたくなかった
職場は別として
一切の友達とも連絡を取らず、すずちゃんがいない時は彼と二人きりになる状況
自分の部屋に引きこもっていたが、やはり気配は感じるし
なにしろ気を使う
この時二人は新しい仕事を始めようと躍起になっていて
それも窮屈でしかなかった
実は私もその仕事に携わることになっていて、最初の頃は無心でやっていたが
メンタル的にはかなりズタボロでそれがまた、気に食わなかったのだろう
彼が私のことを無視し始めた
今は和解したが、そもそも通常の精神状態ではない中で、やっと生きている状態で何かにチャレンジするというのは無理があった
これは互いに言えること
すずちゃんに無視されていることを相談しても、理由は教えてくれず
彼の味方につく
私の気持ちを理解しようとはしてくれなかった
私は同居しながら1ヶ月間、無視をされ続け”もうこの家にはいられない”と出ていく覚悟を決めた