あやとり家族31
いじめられていることを、先生に伝えた日
小三の頃から始まったいじめ。当時の担任の女の先生は個性が強く
「こんなにけじめのない生徒たちは初めて」と私たちに怒りながら言う。
とにかく、キビキビと動いて欲しかったらしい。
自衛隊のようなクラスになっていた。
先生自体が”こういうクラスにしたい”っという思いが強かったから
私がいじめられていたことにも、きっと気づいていなかったと思う。
そしてクラス替えもなくそのまま小4へと進級になった。
当時の学校では小4からクラブ活動に参加できることになっていた。女子はバスケ部、男子はサッカー部。
私は、サッカー部に入りたかった。サッカーがしたかったわけではなくて、お兄ちゃんがサッカー部にいたから一緒に遊びたかっただけ。
今まで女子生徒がサッカー部に入るという前例がなかっただけに、職員会議まで開かれた。結局入れるように決まったのは一ヶ月後だった。
私が喜んでいたから、お父さんがサッカーボールを買ってくれた。
そのボールを持ってワクワクしながら朝練に行く。
4−6年生の生徒が一緒に練習する。もちろん全員男子、お兄ちゃんと学校に行くのも嬉しかった。
でも実際練習が始まると、上級生が女だからと私を揶揄ってみたり馬鹿にしたりしてきた。最初は我慢していたが、だんだん嫌になってきた。
私だけならよかったのだが、”お前の妹”っていうことでお兄ちゃんまで揶揄われるようになっていった。
私はすぐに部活に行くのをやめた。
当時の担任は女の先生。交換日記をクラスの生徒全員とやるということでノートが配られた。
私は、サッカー部のことも書いた。
当時、男子VS女子の喧嘩みたいなものが流行っていて消化器が倒れ噴射してしまったことがある。
女子がトイレに隠れていて男子が入り込んできた時に、一斉に出たものだから近くにあった消化器に誰かがぶつかってしまったらしい。
先生が驚いて来た。
私はたまたま、トイレに入っていて出た所だった。
そして男子の1人が、「ももちゃんたちがトイレに入ったから、、、」と先生に経緯を説明している。
ん?私その喧嘩に最初から参加していないのなんで私が代表になっているの?
って思った。
そう。サッカー部のこともそうだけど、人と違ったことをするから何かと目立ってしまう。無言でいても目立ってしまう。
いじめの方は相変わらず変化なく続けられていた。いじめられていることに気づいてからは毎日学校へ行くのが嫌になっていった。
お母さんにも伝えたけど「学校は行きなさい」って。お母さんの言うことは絶対だったから、しょうがなく行く。
”そうだ!交換日記に書こう”って思ってこう書いた
「学校に行きたくない。いじめられるから」
その日の放課後先生に呼び出されて、誰もいない教室で2人きり。
「いじめられるって書いてあったけど、ももちゃんが何かしたんじゃないの?」
って先生が言ってきた。子どもながらに”この大人はダメだ”と一瞬で思った。
お母さんも先生もわかってくれない、理由すら聞いてくれない。
なんなら私のせいなのではないかと、開口一番に聞かれる。
私は交換日記をやめた。毎日大人しく過ごしていた。
気にかけて話しかけてくれる友達は何人かいたから、放課後になればいっちゃんに見られずにその子たちと遊ぶこともできたから救われた。