あやとり家族40〜姉のために留学させられるvol2〜
空港での夫婦喧嘩
私の荷物をあっという間に減らす、父と母
それを横目にすずちゃんは知らんぷりを決め込んでいた
私は恥ずかしさと同時に
行きたくもないところに何を持っていって良いのかもわからない、それでも自分なりに考えて行ったパッキングだったのにと悔しさもあった
それは父と母にお金を使わせないためだった
たかがティッシュかもしれない
たかが文房具かもしれない
たかがナプキンかもしれない
それでも買えばお金がかかる
少しでも使わせないようにするためだった
こんな時でも考えていたのはお金のことだった
それなのにそれが原因でまた夫婦喧嘩が始まってしまった
やっと荷物を預けることはできたが、2人して私のスーツケースから取った大荷物を持ち歩いている
お互い話もせず無言だ
”私のせい”
だから行きたくなかったんだ
本当の目的だって、すずちゃんを1人で行かせることへの不安でしょ?って
私の気持ちの行きさきが自分でもわからなかった
じーちゃんはいないし誰にも言えない
こんな気持ちのまま海外へと飛び立つ
飛行機の中では、すずちゃんが色々と心配している
そして私に頼ってくる
散々、自分の好きなようにやってきて困ったら私に頼るのかよって
悔しいけど、気持ちはやっぱり平和主義
あんなに色々嫌な思いをさせらせたのに
困っていたり不安になっていると助けてしまう
助けることで自分がいることに気がつく
自分という存在があるということ
ここで相手にしなかったら嫌われてしまうという恐怖感
嫌われるという表現より、自分という存在が表現できない感覚
私は、父母と離れてもすずちゃんという存在にまたもやピエロでいるしかなかった
元来持っていた性格とは違う行動を取らなければいけない
すずちゃんのための留学だからと、自然と合わせるようになった
自分からしたら目新しいものには、ガツガツと挑戦する性格だったが
そこもまた我慢
すずちゃんのホームステイ先の愚痴を聞く
すずちゃんの家は日本語を勉強している娘がいて、「常に日本語で話しかけられるのが嫌だ」とか
「年寄りの家だから過保護で嫌だ」とか
そんな愚痴を毎日聞いていた
だったら、両親に言ってホームステイ先を変えることだってできたのに
お嬢様の彼女にはそんな発想もなく
毎日愚痴を聞く私の気持ちなどもわからず
海外へ来ても結局私は自由にはなれなかった
自由y