あやとり家族四十九〜初めての結婚と初めての離婚❶〜

発達障害の女性は見抜けない

大学生の彼氏とは破局、原因は私がタバコを吸っているからだって
付き合う前から吸っていることを知っていたのに
なぜ今更？

交際中も、背負い投げされたりしていたからDV気質はあったんだよな
それにも気づいていなかった

発達障害の女性は一般的に悪い男に捕まりやすいらしい
男性が悪いわけではなく、見抜く力が乏しく信用してしまうということだと思う

幼少期の私は知らないおじさんについて行ったり
ジュースを買ってもらったりしていた

優しくされると嬉しかったし
理由があって近づいてくる男性の意図がわからないから信用してしまう

大人になっても変わらず、初めて会った男性の家に行くこともあった
家に行くということは”了承”したと誤解されても仕方のないこと
という意味もわからなかった

運良く誘拐されることも、犯されることもなくここまでやってこれた

初めての結婚相手は、高校生の頃一番仲が良かった男友達
自死してしまったその兄だった

彼の実家は中華料理屋を経営していた
友達が亡くなった後、仲間内で月に一度は訪問し両親を励ましに行っていた

そこで初めて彼の兄に出会ったのだ
仲間内と言っても男友達だから周りは全て男

中学生の時からの友達だったり、他高校の友達だったり
そこで新しい友人関係もできた

中華料理、特にラーメンが大好物だった私には
こんな形ではあったが、新しく出会えた友達とまた、美味しい料理を食べられることが嬉しくて楽しかった

そんなことをしている最中着実と決行されていたのが
私と兄をくっつけさせる計画だった

「送って行ってあげなさいよ」とおばさんが兄に言う
私が酔っ払いすぎた時のことだった

大丈夫って言っているのに、半ば強引だ

薄々は感じていたが、おじさんとおばさんにどうやら好かれたらしい
兄はどう思っていたがわからないが、家まで送ってもらうことになった

車を置いて帰らなければいけないから、次の日には取りに行かないといけない
結果的に家に泊まることになる

何回かそんなことがあり、仕舞いには兄の携帯に
「パンツ持っていけよ」と電話が入る始末

これってなに？って思ってはいたがそこまで嫌な人ではないし
友達の兄だし、悪い人ではないだろうと自然と、いや不自然な形で付き合うことになった

”大好き”という感情より、”美味しいラーメンがいつでも食べられる”
が勝ってしまった

ウェディングドレスが着てみたい憧れもあった私は結婚することにした
プロポーズがあったかどうかも覚えていない

ラーメンとウェディングドレスで頭がいっぱいになり
そこしか見えていなかったんだと思う

結婚指輪も私が買った

その時点でおかしいと思う、普通なら

普通という言葉はあまり使いたくないが
今考えるとおかしな要素がたくさんあった

彼は高校に行かず建築関係の仕事につき、月収30万は稼いでいた
当時で30万という金額は大きいと思う
私の月収は13万だったから約３倍

なのに健康保険や雇用保険、税金関係は母親が払っていたという
「会社からは引かれないから」と

結婚して初めて知った事実
「この子そういうのわからないから」と平然と言われた

”いやいや、わからないなら教えないといけないことでしょ”
二十歳すぎて働いているのに知らないって、、、

だからか。高級車に乗っていたし貯金もない
稼いだお金は全部使っていた

それを結婚した嫁の私に全部託された
車のローンも相当な額だし、保険やら税金やら差っ引くと
対して残らない計算

過保護だとは思っていたがここまで酷いとは思っていなかった
私も、その辺に関してはあまり詳しくはなかったが
介護職を辞めた後、保険の外交員（長姉に利用されて就いた職業、これはまた別の機会に）をしていたので少しは理解することができていた

さあ大変、初っ端からお金で困るようになる

原因は彼がパニック障害になってしまったことだ

結婚式の翌日に発症した
疲れと、結婚という新しい世界への重圧でもあったのか
だが、この時は救急病院で診てもらったため”過呼吸”という診断で終わった

彼は結婚を期に安定しない日雇いの仕事から、派遣の仕事に転職した
福利厚生がついていてサラリーがもらえる工場だ

最初のうちは「大丈夫」と言って仕事に行っていたが
大勢の人がいるところや、疲れが溜まると動悸がするということが頻繁に起こるようになっていった

仕事中にも具合いが悪くなることが増え
会社から私に連絡がきて、迎えに行くことも何度もあり
段々と仕事に行けない日が増えていった

この時は彼も私も、はっきりとわかっていなかったが
明らかにパニック発作だった

理由がわからないから余計にひどくなっていく
本人は病院に行こうという意志もない

だから私が調べて病院に行こうと提案してやっと行く事になった
そこで初めて”パニック障害”と診断される

大きな病院だったこともあり定期的に通院するが
１時間待ち５分診療

一向に良くならず、仕事も行くことができず一年が過ぎた