Aqua Timezは弱さと歩み続ける ー200801
・バンドサークルの追いコンでやった曲を振り返るやつの2つ目やります。今回は長いです。
②Aqua Timez
1. ALONES
2. 決意の朝に
3. 虹
・Aqua Timezが好きでどうしてもやりたかったのでやらせてもらいました。Aqua Timezがどれくらい好きかというと約140曲どの曲を流されてもカラオケで歌えるくらいには聴き込んでる自信がある。One of the most favorite artists. Yeah
・だけどこれも結局1回もやってこなかったんだなこれが。そもそもサークルへの参加率があまり高くはなかったので試行回数を稼げてないというのもあるが、バンドサークルにおけるAqua Timezは肩身が狭い。ナメられがちなのだ。「Aqua Timez笑」なのだ。がっつりバンドの編成してるのに。東京事変と同じ編成なのに。みんな知ってるはずなのに。何曲も聞いたことあるはずなのに。紅白も出ててるのに。いや紅白出てるのが逆に良くないのか?
・いや、実際はほとんど言い訳に過ぎなくて頑張って人を誘えば別にできたとは思います。重い腰が持ち上がらなかっただけです。
・でもなんかAqua Timezが好きって堂々と宣言することに小恥ずかしい気持ちがしちゃうのはなんなんだろうな。隠れキリシタンみたいな。だから解散するってなったときすごい申し訳ない気持ちになったな、「俺がもっと堂々と応援してあげれば〜〜〜!!」って。聴き続けてはいても結局ライブとか行って金を落として態度で示さないと作り手は力尽きちゃうことを痛感して、すぐさま勢いでなるべくすぐ行けるBaseBallBearのチケットを申し込んだな、そういえば。解散のライブはチケット取れたので行きました。
・最初に聴いたのは小学5年生のとき、映画「ブレイブストーリー」の主題歌「決意の朝に」だった。夏休みの読書感想文に小説「ブレイブストーリー」を選んで、読み終わってから映画を見に行ったのだが、まあそのときは主題歌のことを気に留めてもいなかった。
・中学2年生になった頃、ふと「あの 『つらいとき〜つらいとき〜〜』みたいな曲なんだっけ...?聴きてえ〜〜」と思い、調べて調べて決意の朝にが収録されているアルバム「風をあつめて」をTSUTAYAでレンタルした。親が借りてくるでもなく自分の意思で調べて自分で借りに行ったのはこれが初めてだった。
・決意の朝に目当てで借りた「風をあつめて」だったが、ある曲の歌詞が中二心に突き刺さった。
『Perfect World』
反抗期の悲鳴にも似た 曖昧でじれったい感情
確かな理由なんてないけど この場所にはいたくない
この空しさは何処から来て何処に行く
悲しみとはまた少しだけ違う
心に開いた穴を吹き抜ける風が 冷たくて キリキリと痛む
幸せのあてはないけど どこか遠くへ行きたかった
満たされぬ想いが 幾重にも重なり
駆け抜ける まるで生き急ぐかのように
・当時とにかく日々が面白くなく、部活も楽しくないし、心から分かり合えるような友達もあまりいないし、テスト勉強を頑張っていい順位を取るくらいしか心の拠り所がなく、高校に行ったらもう少しは楽しいのかなあと思いを馳せていた自分にとって、救いの唄だった。こんなことを歌ってくれるのかと。
・Aqua Timezの歌詞は、人間誰しもが持ってる弱さと、それを抱えるもどかしさを言葉にしてくれる。そしてその弱さを甘やかし過ぎたり、逆に強気に励ましたりはしない。「弱さは弱さとしてあるけど、それも自分として受け入れて、前に進むしかないよね」というスタンスを取ってくれる。これが好きなところだ。
『Perfect World』ラスサビ
幸せのあてはないけど どこか遠くへ行きたかった
満たされぬ想いが 幾重にも重なり
駆け抜ける 駆け抜けて わかったこと
僕は何処まで行っても 僕でしかないということ
いわゆる一つの 諦めにも似た
決意で生きてゆく 命ある限り
『決意の朝に』ラスサビ
過ちも傷跡も 途方に暮れ べそかいた日も
僕が僕として生きてきた証にして
どうせなら これからはいっそ誰よりも
思い切りヘタクソな夢を描いてゆこう
言い訳を片付けて 堂々と胸を張り
自分という人間を 歌い続けよう
『STAY GOLD』ラスサビ
風吹くあの丘に立って
たなびくその旗のように
君は君の歌をうたえばいい
常識が空を隠したって今はただ振り絞るように
僕も僕の歌をうたい続けるよ
・そのスタンスがよく現れ出ている曲の締めの一節を引用してみた。そう、太字のところはだいたい同じことを言っているのだ。もっと違うことを言え?いや、この一貫性が良い。手を変え品を変え「弱さは弱さとしてあるけど、それも自分として受け入れて、前に進むしかないよね」を伝え続けてくれるのが好きなんだ。
・歌詞の話ばっかりだったが、ジャンルを超えた豊かな曲幅も魅力の一つだ。ベースの腕にメタリカのタトゥーが入っていて、ギターがX JAPANの影響でギターを始め、ドラムはレッチリの影響を受けているのがAqua Timezだ。代表曲の「虹」や「等身大のラブソング」のイメージだとそうは思わないかもしれないが、アルバムにはその片鱗を感じる曲も多く、「いわゆるバンドっぽい音楽もいいな」と思ったきっかけもAqua Timezなのだ。
・「高校入ったら軽音部でAqua Timezとかやりたいな〜」なんて思いながら受験勉強に勤しみ、まあ結局軽音部には入らなかったのだが、その思いの延長でバンドサークルに入ったみたいなところもある。
・そんな思い入れの詰まりに詰まったAqua Timezから3曲を選べなんて、、、そんなの、、、、そんな、、、、
1. ALONES
2. 決意の朝に
3. 虹
・まあ割り切るしかないので割り切ったら意外とすんなり決まった。
・コピーバンドで、3曲しかできなくて、これが最初で最後という条件下だともはやこのチョイスしかないとすら思う。
・まずはじめに「有名な曲を3曲やるしかないな」と思った。いやそんなに媚びなくても好きなバンドなんだから好きな曲を〜とも思うかもしれないが、バンド自体が有名で、みんなが知ってそうな曲が3〜8曲くらいあるが故だ。
・これがたいして知られていないバンドだったら、何をやったって聞く側としてはだいたい知らないので、純粋に曲として好きかとか演奏がいいかを気にしながら聞くだろう。ただ有名曲が数曲あると、「お、俺が知ってる曲はやるかな?流石にやるだろ?」の気持ちになってしまうのでそれを裏切ると2倍スベった感じになる。ファンモンのコピーか〜〜「ヒーロー」とかやるのかな〜って期待してるのに最新アルバムのアルバム曲ばっか投げられたらオゥってなっちゃう。
・聞く側もそうだが演る側のモチベーションも大事だ。同じくAqua Timezが好きだと言ってくれていたドラムはまだしも、残りの三人はお願いして組んでくれてる以上、せっかくなら自分の知ってる曲をやりたいのは当然だろう。
虹 (ドラマ『ごくせん 第3シリーズ』主題歌)
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決意の朝に (映画『ブレイブストーリー』主題歌)
等身大のラブソング (有線でバズった実質デビュー曲)
千の夜をこえて (映画『劇場版BLEACH』主題歌)
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ALONES (アニメ『BLEACH』OP)
Velonica (アニメ『BLEACH』OP)
しおり (アサヒ飲料「三ツ矢サイダー」CMソング)
プルメリア (映画『ごくせん THE MOVIE』主題歌)
・有名度的に選ぶならこの辺りかなと考えた。『虹』はおそらく親くらいの世代でも知ってるであろう超有名曲。その下の3曲は同世代ならまあ知ってるであろうという3曲。その下は曲名だとピンと来ないだろうけど聞けば聞いたことあるわ!ってなりそうな4曲。
・『ALONES』が確か最初に決まった。ドラムがこの曲をやりたいと推していて、「そう!そうだよな!」となった。Aqua Timezもちゃんとバンドなんだぜ!を示すのに申し分ない彼らなりのギターロックの真髄がALONESだと思う。それでいて歌詞は繊細なところが良い。
依然として忍び寄る孤独 内側に灯るローソク
賑わうパーティー 豪華なシャンデリアとは裏腹に
・Aメロのこの歌詞が特に好きだ。周囲の賑わいから独り取り残されていく心情の表現が絶妙で、字面だとピンと来ないが歌が乗ったときの語呂がいい。歌ってて気持ちがいい。
・なんか流れで『虹』も決まっていた。
・一番有名だからってやるか〜?と決まったときは内心思っていたが、実際に演って「やっぱりすげぇ曲だなぁ、いい曲だわこれは」と思い直した。わかりやすく盛り上がる曲だし、大団円って感じ。丸くおさめる力が強い。逆にこれ以外だと3曲目に何を置くかに悩む。解散ライブの最後の曲も『虹』だった。
・そして最後の曲、実はLINEのトーク履歴を振り返ってみたら「千の夜をこえて」に決まりかけていたのだ。だがそこを個人的な一存で「決意の朝」に変えてもらっていた。
・「千の夜をこえて」もいい曲なんだけど、なんだけど、もうこれは完全に好みで「決意の朝に」を通させてもらった。
・Aqua Timez個人的好きな曲ランキングでいうと「決意の朝に」が4位くらいなのに対して「千の夜をこえては」45位くらい。
・ラブソング的なものが、嫌いとまではいかないけど歌うときにそこまで情が乗らないというか無の感情になってしまうので、どうしてもそこに1曲割くのは惜しい気持ちになってしまった。
・そんなエゴエゴ選曲で「この3曲しかない」とは言えないだろ!と思うかもしれませんがやっぱり「決意の朝を」推したかった理由は明確にある。
・インディーズの「等身大のラブソング」で一気に世間から注目され、メジャーデビューシングルかつ映画の主題歌という大役を担わされた「決意の朝に」は、「弱さを弱さとして受け入れていく」というその後のAqua Timezの方向性を決定づけた礎のような曲なのだ。「決意の朝に」以降の曲は「決意の朝に」の上に積み上げられてできた曲だ。「決意の朝に」のマイナーチェンジ。「決意の朝に」の色違い。
・サビのキラーフレーズ「つらいときつらいと言えたらいいのにな」はそのままAqua Timezのキャッチコピーとも言えるし、『決意の朝に』はもうAqua Timezの経営理念みたいなもんだと。
・実際Aqua Timezの全ての曲を見たときに「等身大のラブソング」は結構浮いた存在だ。あの曲を求める人に向けてどんどん曲を書いていたら全然違うAqua Timezになっていたと思う。
・だからこそやっぱり「決意の朝に」は外せないなというわけです。
・曲順に関しては『虹』で終わりたいな、『ALONES』から始めたいな、と思ったら決まってた。3曲なので。
・音楽に限らず映画とか漫画とかアニメとかあらゆる作品って、それを好きになるか、どれだけ自分の心に刺さるかって『いつ出会うか』に大きく左右されると思う。もし今の自分が初めてAqua Timezを聞いて同じように好きになるかと思うとそれはわからない。
・だけどこれだけ熱心に語られて少し興味を持ってくれたどこかの誰かが、今一度出会うことで好きになってくれるかもしれない、という可能性に賭けて高めの熱量で書いてみましたがいかがでしたでしょうか?
・僕はおじいちゃんになっても聴き続けるような気がするのでみなさんも気が向いたら聞いてあげてください!
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