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いざ名古屋!「アートサイト名古屋城2024」をあじわう!

 こんにちは。アンデパンダンです。


 本日は「アートサイト名古屋城2024」に遊びに行ってきました!


 「アートサイト名古屋城2024」は「あるくみるきくをあじわう」というコンセプトのもと、城内全域にわたって総勢6組のアーティストたちの作品を体験することができるアートプロジェクトで、それぞれのアーティストが名古屋城という場所にインスピレーションを受けた作品を展示しています。



筆者は日頃から短歌に取り組んでおり、今回は歌人である千種創一さんとON READINGさんの短歌のインスタレーション作品が目的でした。









名店「コンパル」で腹ごしらえ


 短歌の友人と京都駅から高速バスに乗り込んで、二人旅です。


 高速バスで京都から名古屋まではおよそ2時間半、9時過ぎに出発してお昼前には名古屋駅前に到着しました。


 名古屋駅では、名古屋出身の先輩に教えてもらった名古屋駅構内にある喫茶店「コンパル」で名物メビフライサンドとたまごサンドをいただきました、歯ごたえのあるエビとタルタルソースが相性抜群で、たまごサンドのたまごも分厚くジューシーでおいしかったです。

名古屋駅構内のコンパル
名物エビカツサンド
たまごサンド


腹ごしらえを終えて、いよいよ名古屋城へ出発です。



千種創一+ON READING


 地下鉄を乗り継いで名古屋城駅へ到着。地上への階段を上がっていくとびゅうびゅうと風が吹いていて、寒いものの、空がどこまでも高くて気持ちのいいお天気です。

 道なりに進んで東門から入ったわたしたちの目に最初に飛び込んできたのが、意図せず二之丸東庭園に展示されていた千種創一+ON READINGさんの展示でした。


展示を巡るのに夢中になってつい写真を撮り忘れてしまいましたが、入り口に最初に見える木に吊ってあった「話し足りないというのは美しい感情だ。」は千種さんの第二歌集『千夜曳獏』の冒頭の詞書と同じ文言です。

人生が何度あっても間違えてあなたに出会う土手や港で/千種創一


 紅葉の美しい庭園の各所に短歌がさまざまなかたちで展示されています。
 それぞれの短歌はいずれも鏡面に印字されており、短歌に鑑賞者が映り込む仕組みになっています。それによって短歌のなかのあなたやわたしと私たち自身が重なり合う瞬間に出会う、不思議な体験が生まれるのです。

僕らより長生きをする亀を飼おう僕らのいない庭を歩くよ/千種創一


先に行ってて。降りていくと舟があるから。いつのかのオリーヴ園で会おうね/千種創一


 わたしは正直この作品を見るまでは短歌のインスタレーション、特に風景と短歌の取り合わせという部分でどれだけ面白いことをできるのか疑問でした。(実際に風景がただ短歌の情報を補強したり、短歌が風景を補強したりするだけの展示では面白くなかったと思います。)

 しかし今回の作品は「長生き」「亀」が出てくる短歌がごつごつした岩が積み重なったところに展示されていたり、「先に行ってて」から始まる歌が奥行きのある道が見えるところに展示されていたり、風景と短歌が近すぎない絶妙な距離感にあることで、場と短歌が互いの魅力を押し上げていて、短歌ってこんなことができるんだ!と感動しました。

下がってく水位があって、だめだな、あなたと朝を迎えるたびに/千種創一
(名古屋城の強い風に揺られる短歌)

 また、名古屋城は風がよく吹いていて、上記の写真のように吊り下げられた短歌が風に揺られていました。短歌が風に揺れていて、同じ風に私たちも吹かれていて、その風の重たさもとても印象に残りました。


 千種創一さんとON READINGさんの作品はもちろんその他の作品もまさに「あるくみるきくをあじわう」でわくわくするような体験ができた「アートサイト名古屋城」でした!

 筆者が行けたのは会期が終わる寸前だったので、この記事を書いているときには残念ながらもう展示は終わってしまっているのですが、このプロジェクトは2023年にからスタートしていて今回で2回目の開催だそうなので、また来年の秋、もしかしたら名古屋城で面白いことが起きるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。


(文=京都芸術大学 文芸表現学科2回生 寺元葉香)

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