落ちこぼれの僕は学校で虐められますが、何故か家族に愛されています!?
プロローグ
魔法国エレメニア。この国は、魔法国とあるように、魔法の研究が他の国より盛んである。
その中でも、特に魔法の研究に功績を残したものがいる。その名も、セヴァ・リュアレ。
彼がいたからこそ今この国があると言っても過言では無い。そう言われるほど、彼の残した功績は大きいということだろう。
そんなセヴァ・リュアレの血を引く者達がいる。
オード・リュアレ。リュアレ家の現当主にして、数々の研究で成果を残している天才である。
そんな彼には、4人の子供がいる。それぞれ魔法の才があり、将来は父と同じくこの世界に新たな成果を残すだろうと言われている……ある一人を除いては。
その名はリュアレ家の三男にして歴代で一番と言っても良いほど魔法の才が無い、世間では落ちこぼれと呼ばれる……セーバ・リュアレ。つまり僕である。
とは言っても、僕が魔法の才が無いことは公表されていない。家の名に関わるからね。
僕は魔法が全くと言っていいほど使えない。魔力が無いわけでは無い。ただ使えないのだ。
実際、今の世でも魔法が使えない者はいる。でも、リュアレ家に生まれた以上、魔法という物は切っても切り離せない物……だがどうしても魔法が使えないんじゃ話にならない。
幸い家族は何も言ってこない。期待などされていないのだろうか分からない。何も言ってこないのが逆に怖い。
そんな僕は、魔法学校に通っている。それがリュアレ家の使命の一つだから。
この魔法学校は、初等部から高等部まで一貫された学校で、僕は中等部に通っている。
兄さん達も、妹も、この学校に通っているが、僕は毎回比べられている。そう、僕は、学校で虐められているのだ。
魔法が使えないのが分かったときも、虐められた時も、どれほど自分を、世界を憎んだか分からない。けれど、それでも僕が未だに今を生きているのには、理由がある。主に外的な理由で。
「お兄様、寒くはないですか?怪我はしておりませんか?あ!このネックレスを忘れないように。本当はずっとお兄様の側にいて守ってあげたいのですが……」
「えーっと、毎回言っているけど、そこまでしなくてもいいんだよ?お前は自分の事で精一杯だろうし……」
「何を言っているんですか!学校の学習なんてチョチョイのチョイなんですから、そんな事よりもお兄様の側にいたほうが何倍も自分の為になります!」
「えー……学校の学習をそんな事って言っちゃ駄目だよ……」
何故か、落ちこぼれの僕は妹にとっても過保護にされてます……。
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