太陽と鉄を読んだ。
波のない人生を。 彼の世界は騒音で満ちていた。街の喧騒、人々の話し声、機械の轟音。それらは彼の肉体を震わせ、緊張を生み出す。体の緊張、外の世界に接するたびに筋肉が硬直して疲労していく肉体。 電車に乗車する前、駅構内の休憩所に入り、手を振るわせながら、胸ポケットに手を伸ばし、耳栓を取り出す。 耳栓を手に取り、両手のひらを耳で包む。彼は目を閉じ、深呼吸をして、最後に息を吐きった後に、耳の穴に詰める。 耳に挿入すると、彼の震えは止まる。周囲の雑音は消え、心の中の雑念も静まり、彼
うさぎを創造する
ツヴァイク全集に「人類の星の時間」っていう歴史的事実を元にした、ある人間に訪れる劇的な瞬間を描いた短編集があるんだよ。1話目はコンキスタドールの話でピサロの上司にあたるバルボアがどういう末路を辿ったかを描かれてる。読んでいて思ったんだ、きっと“不滅”は“瞬間”に入り込むんだ。俺たちが火葬された後に構成要素に分かれて流動する物質循環以外にも不滅はきっと確認できる。そして読んでいくうちに僕にも願望が芽生えた、何度も瞬間に入り込みたいという希望、求心。
特権的な瞬間への巡り合わせ。 濃縮された歴史に呼びかけられる特権的な瞬間、誰にでも訪れ、どんな状況でも舞い込む可能性のある、あの瞬間。自分が歴史の中の一部に介入した、あるいは歴史に引きずりこまれるような。 聖書を求めたこと。そして、気になったことを聴いたこと、そに帰する。 だけど私が文盲でろうと、吃りであろうとも、あの瞬間は舞い込む。 今現在は末端にいて、そしていづれ化石になって、そうした後に、全く異なる時代、異なる地域に、同じ感情を抱く生き物が複数現れる。 異なる感覚機
2年前のとある日記は開かれた。 ひめのあ〜るトるぽるた〜じゅって漫画がありますけれど、重犯罪を犯した人の心情を綴った漫画なんですよね。 彼らは自分の棲んでた世界を共有するこができる機会がなかった。受け入れる人が周りになかった、そして、重犯罪者ってラベルも追加されたら、ますます多くの人によって解を出されるでしょう、誤りでもね。 ぼくは少し後悔があるのですよ。以前に、30代後半の女性と話したことがあります、彼女は猟奇的なことをよく言う人だった、「りんりんさんのお腹の中を開い
眠い火の子 流水域と果物籠 空をさらった盗人 春紫苑の真意は空洞 可食は蕾が枯れた時 聖実になって食べられ 十字架に隠されたひずみを どの時代でも涙を流す同一人物 接触した跡、種の輪郭が顕わに 指離れした数の拡張は、創造と発見と 色々が浸かる旅路に透明な秘境に盲いて瀑布を昇る