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アノニマスケイプ 後記 #3

東京神保町にPASSAGEという書店があるんじゃ。普通の本屋ではなく、一棚ごとに店主がいて、それぞれが好きなものを売っておる。そこにワシも棚を借りておるのだ。
お客さんに最も見てほしいのは、ワシの本「アノニマスケイプ」じゃ。
行旅死亡人公告に記された場所に赴い撮影した風景写真集なのだ。
近くに来たときは寄ってみてな。遠方の方はネットで通信販売もやっている。ちょっとクリックを頼む。
長岡白和と細川文昌の本棚 | PASSAGE by ALL REVIEWS

去年だったか、「ある行旅死亡人の物語」という本が出版されて、結構売れておる。ワシも買って読んだが、取材の過程で最後は行倒れた婆さんの名前が判明し、親戚が納骨までしたんではなかったかな。なかなかの力作じゃった。だが結局は謎が残ったままになっておる。

この本と「アノニマスケイプ」との相違点だが、ワシは行旅死亡人公告を全く掘り下げていないんじゃ。掘り下げていないから、何も分からないまま放ったままになっておる。だがな、ここが大事なんじゃと思う。

ワシの仕事はただ、観察するだけなんじゃ。因果関係を明らかにするのが仕事じゃない。分かるというところから、離れたところにいるのが、ワシの写真家としてのスタンスじゃ。ここんとこを分かってほしくてな、今日はこれを書いたんじゃ。

下は、「ある行旅死亡人の物語」の文春オンラインの記事じゃ。
こっちも読んでみてな。


「住民票は市役所が抹消している」現金3400万円を遺して孤独死した女性の“謎多き過去”…記者がつきとめた“驚きの新事実” | 未解決事件を追う | 文春オンライン (bunshun.jp)



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