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おはよ。北の窓に虹を見る | 空の写真展 vol.61
何時や?
スマホを見ればAM3時半。今日もや〜と肩を落とす。ストレス多くて睡眠に支障してる。
こんなに早く起きて午後眠なるやん。
正しく負のスパイラル。今日も仕事きついねんか。嫌やわ。。と、思ったところで今日は日曜日であることを自覚した。しばらくベットから出なかった。
◇
仕事で話したあの人は、何かと「家族はいない」と言葉にする。それがなぜかといつも思う。5回話した中で、たぶん3回あった。どう思って言うんやろ。自覚なく言ってたら天然やけど。
でも最近こんなことも話していた。半年前に、ある家族向けサービスのプレゼンを見て、そういう世界あるんだって思ったって。
ということは少なくとも半年、同じ気持ちで悩んでいることになる。わりと私と同じ立場なんだって痛みを感じた。
職場でとっさに「家族がいない」って言われても、コンプライアンスの時代、場を繕ってしまうから、それ以上話せなかった。思考はドライに業務のことに走らせて、彼の言葉を流してしまうしかなかった。
早く起きすぎてしまったのは憂鬱だけど、やっと気づけたのは良かった。私は奇跡的に朝だけ頭がいい。
◇
それからやっぱり眠れなかった。時刻はそろそろ4時半になる。
ベットから起き上がると、せっかくだからと料理をはじめた。料理は捗って5品も作れた。
換気をしようとキッチン横の北向きの窓をなんとなく憂鬱な気持ちで開けた。もう蝉の声はしない。静かで、空に煮えたぎるような熱量はない。秋の到来を受け止めた。窓から眺めるとかすかに虹が見えた。
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思わずiPhoneをとりに行った。戻ってきて消えないかなと不安もあったけど、北の窓を覗くと1分後はまだ残っていた。虹は太陽のまわりに弧を描いていた。
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虹を見るだけで、気持ちが少し明るくなる。儚げで、蝋燭の灯りみたいに照らしてくれるような存在感。
シャワーを浴びて、そろそろ許されるかと洗濯機を回して、朝ごはんも食べた。
未明の閃きのような思考は、私に彼の痛みを理解させた。迷いに迷って距離を置いていたけど、来週が始まったら「話そう」って言おうと思う。話したい。
Aoi314