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お店のエアコンが壊れて強制的に長期休暇になり、専業作家ごっこをしたら見えてきたこと。
私と夫は小さな飲食店を2人で切り盛りしている。いつ小説を書いているの? と実際の私を知る人にはよく聞かれるのだけれど、自営業のいいところは暇な瞬間は全部自分の時間にできるところ。
おまけに書籍化やコミカライズをしていただいたおかげで、夫からは書くことをある程度「遊び」ではないと認知してもらっているので打ち合わせなどの時間が欲しい時には協力してもらっている。
書く時間が沢山あるわけではないけれど、まあ今のところこのスタイルで、計画的にやれば年間2本くらいは長編が書けるのではないかなというかんじ。
多くはないかもしれないけど、たぶん少なくはないのではないかなあと思う。
専業作家という言葉に憧れはあるけれど、私が専業作家になるということはお店をたたむことになるので、まあ難しかろう、と考えている。
先日、7/26、お店のエアコンが壊れた。もちろん、業務用である。
修理を依頼したのだけれど、本格的にお亡くなりになっていたらしく、買い替えなければいけなくなった。
そろそろかもとは思っていたけど無茶苦茶タイミングが悪かった。夏場のエアコンの買い替えは繁忙期なので工事日の予約及び商品を押さえることが難しい。
以前からお付き合いのある業者に電話をしたところ衝撃の事実が判明した。
「言いにくいんですがほとんどの業者でお盆前の受注終わってるんです」
「えええええー。そこをなんとか!!」
夫と戦々恐々とする中、どうにか交渉してくれて、お盆よりも前に工事日が決まった。それでも2週間もお店を休まなければいけなくなった。
こんな長い休みを取るのはお店を始めてから初めて。ん?なんかややこしい表現(笑)
ちょうど『レクターガール・サイコ』(11/21竹書房さまより発売予定です。エブリスタコラボコンテスト、竹書房審査員特別賞、エイベックスピクチャーズ賞、ダブル受賞作です)
の改稿もやらなきゃだし、こうなったら、専業作家ごっこをやってみよう、というわけで、一日中改稿作業やネタだし、小説を書くという日々を送ってみることにしたのだが、……。
うん。確かに進んだ。8月中にといわれていた1回目の改稿作業がサクッと終わり、昨日送ることができたし、読んでおきたい資料を読んだり、アイディアを出したり……。
でも、なんだろう。この時間がぬる〜っと過ぎてしまうかんじは……。すごく捗っているかと聞かれると、そうでもないかんじがしてしまうのはなんだろう。改稿作業は確かに捗ったけど、あれはかけた時間で確実に進む作業だし。
アイディア出しは捗っているとは言えないような気もする。
なんとなく気づいてしまった。私はもしかしたら専業になれば沢山書けるタイプではないのかもしれない……と(苦笑)
もともと、小説を書く時間は私にとって余暇の時間だったので、それがずっと続くとメリハリがなく、気づいたら夕方になっていて、なんだか損した気分になってしまう。
それにアイディア出しや小説を書くのも、時間がないなかある程度自分を追い込んで自分で〆切を決めてギリギリのところのスリルを楽しんでいるようなところがあるんじゃあないかなあとも思う。
でも、今月中は厳しいかなと思っていたもうひとつのことが、できるかもしれないので、やはり時間はある程度は必要なのかも、とも思うし……。
エアコンの故障は痛い出費だったけど、いい経験にはなったかもしれない。
私は書くことも読むことも好きなのだとますます思い知りました。だから、時間がぬる〜っと過ぎて1日がものすごく短く感じてしまうんだろうなって。
専業作家になることはないとは思いますがもし、なることがあったとしたら、このことは忘れないようにしておきたい。どうにかメリハリを作り出さないといけないなと思ったのです。