空想児童遊園
やすみ時間が退屈で
わたしだけの公園に遊びにいく
桜とアメジストと大水青が混じって
科学的アイスみたいな空
サテン・レースの雲がかかる
子どものころの夢を覚えてる?
目をつむれば会えたお友だちはもういない
銀色のさかなが 空気のなかを泳いでいる
飴みたいなビー玉をからから転がす
幽霊がのったブランコをゆらゆら揺らす
透きとおる砂に秘密の暗号をさらさら描く
昔ここにいた あなたの肌みたい
まちがえた朝顔がひとつ 震えながら咲いて
孵化した蛍がその花を抱きしめた
太陽にはかえられない か弱い光で
ほんとうは時間なんてないんだよって
わたし以外みんな
命らしく 生きているだけ
空にきらきらした何かが浮かびはじめる
星っていうんだね
未確認飛行物体がわたしを攫って
教室の喧騒のなかに ぽっと落とす
(そろそろいかなくちゃ)
☆
やがて公園が都市開発でなくなって
世界が真っ暗になっても
わたしは目を つむったままなのでした
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