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受験前夜、眠れない

私が住んでいる県では、もうすぐ私立高校の専願・奨学入試。
受験を一足先に終えた者として、
「受験前夜」
について、私の体験を話していきたい。
この記事が誰かの助けになることを願っている。
読んでいただけると嬉しい。


11月29日、夜

私は、徳島駅近くのホテルの一室にいた。
私が志望する高専は徳島にある。次の日は二次試験だ。
部屋のカーテンをめくってみる。アイボリーの壁が徳島の景色を遮るように建っていた。少しがっかりして、カーテンを閉める。
現在、20時過ぎ。夕食と風呂は済ませた。後は寝るだけ。

薄い紺色の布団に潜り込む。目を閉じた。
・・・
眠れない!!!!!
目を閉じれば、様々な感情が襲ってくる。
   明日大丈夫かな?
   面接対策もっと必要だった?
   このまま朝になったらどうしよう…
不安、心配、後悔、緊張、焦り、恐怖、不安、不安、不安…
5分ほど頑張ったが、無理だった。一度布団から出ることにした。

ノートに吐き出す

部屋のデスクの前で、黒いノートを開く。
経験上、悩みは、書き出すとすっきりすることを知っていた。
私の尊敬する森岡毅さんも、何かでこう言っていた。
「不安は因数分解せよ」と。
感じたことをノートに吐き出していく。

 11月29日 pm20:25
 自分にとって、神山まるごと高専(←私の志望校)との出会いは
 運命だった。
 神山に出会って、自分のことを深く考えるようになった。
 私は社会にどう貢献したいのか?どう生きたいのか?
 一生をどう使うのか?考え続けた。

あの日のノートより引用(※注:神山=『神山まるごと高専』の略)

志望校への思いが一気にあふれ出してくる。
ノートの近くに志望理由書を寄せて、眺める。
志望校への思いを再確認した。

こんな時にこそ助けてくれるのが「過去のメモ」
受験が始まった日からノートに書いたことを一つ一つ読み返していく。
これまで長い道のりを歩んできたこと。
そして今、ここに到達したことを再認識した。

私はペンを動かし続ける。
次第に、文章は異なる方向へと進んでいく。

 自分一人じゃ絶対ここまで来れなかった。
 みんながいっぱいくれたものを、今度は私が返します。
 
 神山は 私がみんなを幸せにする最短距離。
 そして 自分が自分を一番好きになれる場所。
 私は明日 絶対に勝ち抜く。

あの日のノートより引用

思い出した。私にとって大事なこと。

「感謝」

私は、たくさんの人のおかげでここまで来れた。
今まで出会った全ての人、出会ったことがない人、みんなのおかげで。
たくさん与えられた。たくさん受け取った。充分すぎるくらい。
だから、私は神山に入学して、強くなりたい。
そして、受け取ったものをみんなに、社会に返していきたい。
本当の志望動機に、前日の夜気づくことができた。
志望校への思いの再確認は、最高の特効薬だ。


書き終えた。顔を上げる。
時計の針は、21時35分を指していた。
「もう充分だろう」と思い、再び布団に入る。
・・・
あれ?まだ眠れない!!!!!
受験前夜はこんなに緊張するものなのか…まずい、どうしよう。

音楽の力

布団から出て、書いたばかりのノートを再度読み返した。
志望理由書も再度読んだ。
明日の面接を脳内でシミュレーションした。
不安の因数分解は完了した。
あとは、徹底的に準備するのみ。

文字を追っていると、だんだん眠気が襲ってくる。
電気を消し、布団に入った。
・・・
眠れない。
…なんで布団に入った途端、感情が込み上げてくるんだろう…

私は、スマホを手に取った。
目から50cmほど離して操作し、音楽アプリを立ち上げる。
無音だから余計なことを考えてしまうのだろう。
そのため、曲をかけることにしたのだ。

友達におすすめされて好きになった、藤井風さんの楽曲のプレイリストを選んだ。
落ち着いて聴けるし、勇気がもらえるから。
曲を流しながらベッドサイドテーブルにスマホを置き、目をつぶった。


・・・


目をつぶるだけでも良いんだな

目が覚めた。朝かな?後ろを振り向く。
時計の針は23時30分…まだ日付を越えてすらいない。
少し絶望した。横で、藤井さんの楽曲が流れ続けている。

音楽をかけて眠っていた約2時間、夢うつつだった。
コンサート中に、音楽と共に意識が飛んでいきそうになる感覚と似ている。
つまり、深いとは思えない睡眠だった。

でも何故だろう、寝た感覚はある。脳も心地いい重さだ。
以前何かの本で読んだ、「目をつぶるだけでも頭は休まる」という文章を思い出した。
これは結構本当のことかもしれない、と思った。

脳が眠いと訴えている。もう音楽が無くても眠れそうだ。
音楽の再生を止めて、布団に入った。


・・・


 ♪~~~♪
目覚ましが鳴った。
朝6時だ。
無事に、受験当日を迎えた。


結論

不安を書き出して、いっぱい準備して、心を無にして、目をつぶる。
これが私流、最強の眠れる方法だ。
調べてみたところ、受験前夜に眠るための対策は他にもあるようだ。
(『運動する』など)
ぜひ色んな方法を知っておいてほしい。

受験前夜、あなたもいきなり緊張に襲われるかもしれない。
眠れなくなるかもしれない。
そんなときは、
過去の自分に助けてもらおう。
今の自分と向き合おう。
そして、未来を想像しよう。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
画面の向こうのあなたが、最善を尽くせることを願っています!


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