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【海外移住に語学は必要?】海外生活6年目でぶち当たる言葉の壁

日本の田舎で正社員になれずにもがいてフリーターをやっていた28歳の私が、人生逆転を賭けて片道航空券で飛び出し、体当たりではじめての海外転職をつかんでから、早いもので6年が経ちました。

シンガポールで3年半、カナダ・バンクーバーで半年、そして現在は中国・深センで働きながら生活しています。

経済活動が盛んな活気のある街を選んで仕事を探して転々としたので、物価が高い国で給料は上がり、そして労働時間は減っているので、バリバリのキャリアアップというわけではないけれど、南国特有のゆったりした生活を手に入れることができました。
その代わり、日本みたいに雇用が守られているわけではないので(日本もだいぶ崩壊してきましたが)、明日クビになってもしょうがない、朝起きたら「おお、今日も仕事あるのか」と実感する日々です。
そうは言っても、今の職場の先輩は勤続10年目。やることをしっかりやっていれば、安定する仕事も海外にはある、というケースにも遭遇しました。

海外生活6年目は、慣れと壁が同時にやってきました。
例えばそれは「語学」に関して。

英語ならTOEIC、中国語ならHSKのような検定試験を受けたら受かる。
現地で仕事も就労ビザももらえる。

世界のどこでも、好きな場所を選んで生きていけるんだという実感があります。もう初級者のゾーンは抜けたんだろうな、と。

そうは言っても、順調にベテラン中級者の沼にハマってしまった気がします。
特に語学に関して。

中国の現地採用で働きたいという日本人(しかも女性)はレアキャラらしく、中国語の能力は全く求められないまま採用され、現地に飛んで働き始めました。

確かに仕事では日本語と英語でよかったけど、仕事以外の全ての場面で中国語が必要!
このままじゃいけない。

深センで暮らし始めてから、初めての中国語学習を開始。テキストとオンライン中国語レッスンで勉強する方法を選びました。

中国語のスクールに通うという方法もありますが、協調性がないのでグループレッスンが嫌い、自分のペースでやりたい、あんまりお金をかけたくない、といった理由でもっぱら10代から独学スタイルです。

短期目標に向かって突き進むのは得意なので、これまでの英語学習と同じ要領で中国語学習を進めて、HSK4級(英検なら3級あたり)という基本レベルに到達しました。

初めての語学は英語で、本格的にみっちりやったのは高校受験の時。
単語や文法をコツコツ暗記して、練習問題を繰り返しやったあの頃が、初級者のまっさらな気持ちだったと思い返します。

あの気持ちと今と比較してみると、やっぱりもう初級者じゃないよな、と。
かと言って、上級者はずっと高い雲の上みたいな存在で、足元から雲の上までかかっている梯子はほっそりと果てしなく長い。

自分の足元は、地上より浮いてはいるけどそこから一歩も動けないくらい狭くておぼつかない。落ちるなら一瞬だろうなとうっすら覚悟しています。

特にですね、中級者らしくけっつまずきまくっているハードルが「発音」です。

インプットが得意な日本人=私は、机に向かって問題集をコツコツやるのが体に染みついていいます。一方、発音はアウトプットによるところが大きいんですよね。

発音とは会話であり、机の上でひとり会話するわけにもいかないし、覚えたてのフレーズをなめらかに言うなんて、なんか恥ずかしい。DNAに刻まれたシャイっぷりに震えます。

語学における中級者がハマる沼は、ほかにもまだありまして。
ひとりで獣道を切り拓きながら進んできた結果、小さなハプニングはあっても大きなトラブルはない。
言い換えれば、イイカンジに成功体験を積み上げてしまったんです。
独学の功罪とも言える、この沼の深さ。

シンガポールでは英語で、そして中国深センでは英語と日本語と仕事、普段の生活は簡単な中国語とボディランゲージ、あとなにがなんでも伝えてやろうというガッツで生きてこられてしまったんですね。
はじめての海外転職に必要なのは語学力よりも、このガッツにほかなりません。これだけは身をもって証明したい。

あとねー
シンガポールの英語もねー
深センの中国語もねー
みんな結構、適当なんだなー

という点も、語学におけるハニートラップであり沼なんですよね。
生きた日本語を学びたいと、九州の山奥のおじいちゃんおばあちゃんの会話で学ぶようなものです。
確かにそれも日本語なんだけど、ぶっちゃけるとね、標準値とはかけ離れちゃったよね。

私がイギリスの大学院に留学していたら、英語発音人生は大きく変わっていたのかもしれない。
しかし現実は、シンガポール式英語、その名もシングリッシュという超なめらかなアジア英語を身につけてしまってマア大変。

たまに気合いを入れて、シンガポールでひとりだけアメリカ発音をしてみても、なあに気合い入れちゃって、みたいな意識高い系になるし。
深センでひとりだけ教科書の通りに発音しても「北京人かよ」ってツッコミが入るし。

英文学の知識による単語と文法で話したら「シェイクスピアかよ」ってツッコミが入るのと一緒かも(ごめん違うかも)

お分かりいただけるでしょうか。
海外生活6年目の語学の壁はこんな感じです。

これで生きてこられてしまった。
それなら、これからもこのまま生きていけばいいんじゃないだろうか。

ダメなんだろうか。
発音変わったら人生変わるんだろうか。

というわけで、コロナ渦が私のもとへ連れてきた老後みたいな膨大な時間を、中級者から上級者となるためのレベルアップに充ててみようと思います。

具体的には、発音矯正です。
中国語の発音を基礎基礎からみっちり学び直したら、私の中国生活にどんな変化が起きるのか、壮大な実験をしてみることに決めました。

海外生活に限らず、何事も「慣れ」というものはポジティブにもネガティブにも大きく作用すると思っていて。
その中でも私は毎日に刺激と変化と成長を求めるために、小さな挑戦を続けたいなと考えています。

はじめての海外転職は語学よりガッツでなんとかできますが、そこから先の生活が続いていく上では、また別の能力が必要です。
暮らしを楽しむとか、予期せぬハプニングにどう対応するかとか、日本と違って思い通りにいかないことにどうやって折り合いをつけて前向きにあきらめるか、とか。

仕事とか海外移住とか結婚ってだいたい根っこは同じだろうなと予想していて、それがゴールじゃなくて、それから先も続いていくんですよね。

なので、海外移住を短期目標にするなら気合いでなんとかなりますが、そこから中長期目標に切り替えるなら、語学をはじめ、異文化理解やその街や人に親しむことも大切なんじゃないかなと思います。マア個人差がありますが。

6周目に入った海外生活も、新たな挑戦をしまくってワクワクで埋め尽くす所存です。

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