「業界初!」としてリリースしたSCOUTSのこれまでとこれから。
イチグウ株式会社 代表取締役の星野雄大です。
今回のnoteは弊社が開発している「業界初!」としてリリースしたSCOUTSのこれまでとこれからについてです。※PRTIMESでは旬速1位になりました
私は愛着がありすぎて「SCOUTSくん」と呼んでいるのですが、改めてまとめてみたら紆余曲折あったんだなと。
アイキャッチ画像は事実です。
私はファーストキャリアからずっと営業畑です。紙の地図を片手に飛び込み営業をしてきました。
そして、弊社の開発責任者は文系卒です。物理が苦手です。
(興味ある方がいれば別途note書こうかなw)
本題に戻りますが、先々このnoteを読み返したとき「ずっと紆余曲折してるな」となるかもしれませんが、開発プロセスなどは文字に起こしておいた方が良いと思ったので、noteに綴ってみました。
※書いてたら5,000文字超えてました。少々長いので流し読み推奨ですw
SCOUTSとは
SCOUTSと書いてスカウツと読みます。
一言で説明すると「ダイレクトリクルーティングのスカウトを分析するツール」です。(本当はSaaSです!DXです!ととりあえず言いたい。)
SCOUTSを導入すれば、
「誰にどんなスカウトを送っていて」
「どんな人が返信をくれていて」
「どんな人が全然返信してくれなくて」
などの、スカウトデータが簡単に分かるようになり、
「次どんなアクションをしたら良いのだろうか」
というネクストアクションをデータドリブンで考察できるようになります。
再度一言でまとめると、
SCOUTSを導入すれば、各スカウト媒体のデータを一元管理することができ、スカウトでの採用率を向上させることができます。
SCOUTSには「感覚ドリブンだったスカウト業務をデータドリブンにする」というミッションを課しています。
スカウトを送っている方は是非ご利用ください。無料で使えます。
なぜSCOUTSを開発したのか
後のセクションでも説明しますが、SCOUTSはスカウト分析ツールを開発する目的でスタートしたわけではありません。元々はスカウト文面自動作成ツールです。(将来的にはAIでスカウト文面を作成・提案するサービスにしたかった)
ピボットを繰り返し、現在に至っています。
ピボットをしても、ダイレクトリクルーティングという軸はずらさずにユーザーヒアリングをしてきました。
ダイレクトリクルーティングを軸にした理由は「主要な採用チャネルになるはず」という主観全開な一択です。(その他の理由は後付けです)
そして、(今は稼働していませんが)人材紹介会社として稼働しているときに、実際にスカウト業務をしていく中で「溜まったナレッジ」を活かし「感じていた不便」を解消していけるはずだと感じたからです。
元々はスカウト文面を自動で生成するツールだった?
実は「スカウト文面って自動で作れるよね」という仮説のもとSCOUTS開発を計画していきました。
ここで、顧客のどんな課題を解決したかったかと言うと、前提として「スカウトサービスを契約しているのに、スカウトを送ることができていない」「テンプレを送っているだけ」という状態があって、そのような状態になっているのは下記のような課題があると考えたからです。
「最適なスカウト文面を作成できない(分からない)」
「スカウト文面を定期的にリニューアルする時間がない」
この2つを解決していきたいと思いました。
採用担当にとってはスカウトを作成しスカウトを送る業務はノンコア業務と位置づいてるケースが多いです。(他にやることが多すぎるため)
だからこそ、ここを解決できるプロダクトはニーズがあるはずだと思いました。
条件を選択してボタンを押せば自動でスカウトが生成される。
そんなプロダクトを作れば使ってくれるはず。
ちなみに、プロダクト名の由来はここにあります。
複数のスカウト文面を定期的に提案してくれるという意味を込めて、スカウトの複数形でSCOUT"S"というプロダクト名にしたのですが、ここにニーズがあるはずだと、開発当初は思っていました。
プロトタイプで検証
最初は興味を持ってくれる人が多く、プロトタイプを使ってくれるユーザーはすぐに集まりました。(「スカウトを自動で生成」という言葉がキャッチーだったのか、プロダクトがない状態でもユーザーが集まりました)
「自動でスカウトを作ってくれるのはありがたい!」「こんなサービスが欲しかった!」そんな声をいただく中で、このプロダクトはニーズがある!とPoC(Proof of Concept)の成功を感じたのですが、「登録情報を見て個別にスカウトメールを自動生成してくれるんだよね?」「SCOUTSから勝手にスカウトを送信してくれるんだよね?」「返信率が高いのは間違いないんだよね?」などの、実装できない機能要求も出てきたので、このままではMVP(Minimum Viable Product)にならないとも感じました。
ちなみにプロトタイプのキャプチャはこちらになります。
基本情報を入力し、想定するターゲットの情報を入力すると、スカウトメールが自動で弾き出されます。
個社別に複数のテンプレートを準備し、それを条件の組み合わせでスカウト文面をアウトプットされる仕様です。
ユーザーの期待に応えられずピボット
検証した結果、ニーズがなくピボットというのはよくあるお話ですが、私たちは「我々が今保有する技術では課題解決できない」という理由でピボットしました。
MSP(Minimum Sellable Product)にすることが出来ませんでした。
正直、悔しい選択でした。エンジニアにもセールスにも迷惑をかけてしまいました。
SCOUTSが提案するスカウトを使えば、現状よりもよくなるはず!という強い思いもあったのですが、ユーザーの厳しいご意見も理解できたので一旦クローズすることにしました。
備忘録としてユーザーから頂いた意見を記載させていただきます。
①このスカウトは返信率が高いのか
→ここは確約できない
②プロフィールに記載されている情報に触れたスカウトか
→我々の今の技術では実現できない
③SCOUTSから自動的にスカウトを送ってくれるのか
→技術の問題ではなく思想の問題でやめた
ユーザーはスカウト作成工数を削減したいのではなく、返信率の高いスカウトを作りたいのでもなく「スカウトを送って良い人材と出会いたい」という根本的であり本質的な部分を忘れていました。
サービスコンセプトを変える決断をしましたが、個人的には「AIがスカウト文面作成」というのは、チャレンジしていきた領域なのでマイルストーンとして置いておきたいと思っています。
改めてユーザーヒアリング
方向転換するために再度ユーザーヒアリングを強化しました。
「最適なスカウト文面を作成できない(分からない)」
→ここは課題あり
→スカウト作成時に参考にするデータがない
「スカウト文面を定期的にリニューアルする時間がない」
→ここは課題があるがそこまで必要性を感じてなさそう
そして新たな課題がヒアリングできました。
「複数のスカウト媒体を使っているけど結局何が良いか分からない」
→もっと簡易的にデータを見たい
「スカウト文面を変えたときの効果検証ができていない」
→もっと簡易的にデータを蓄積したい
「スカウト文面の管理はスプシ、Excelでは限界がある」
→文字数が多く管理しにくい
「送信対象者が枯渇している」
→複数媒体使うケースが出てくる
まとめると、「分析」と「管理」に課題があって、スカウトをうまく運用するための「知識」も欲しいということだと理解しました。
ユーザーヒアリングしたらとりあえずTrelloに突っ込むというルールの元、スピード重視で動いていきました。
ユーザーにとって"納得度"の高いアプローチは?
「分析」と「管理」ができて、「知識」も手に入る"何か"を作る必要があり、それはプロダクトが最適なのか、人が介在するコンサルティングやサービスが最適なのか、ユーザーはどのようにアプローチされると最も納得度の高い状態になるのか、をチームでの議論とユーザーヒアリングを重ねました。
今度こそは「スカウトを送って良い人材と出会う」ために、あった方が良い武器は何なのかという大事なことを忘れないように、メンバーに対して「それって顧客満足度追求してんの?」という質問をしまくっていました。
答えられなかったらNGとしていました。
そして、下記のような機能があればMVPになるのでは?と仮説立てをしました。
分析機能に関して
スカウト媒体を横断的に分析できて、付帯する分析機能と同等またはそれ以上に分かりやすく加工されたデータがある
→ネクストアクションの考察ができる状態
管理機能に関して
スカウト文面が登録できて、スカウト文面を参照しながらコミュニケーションが出来る機能があり、タグなどを用いて簡単に検索できる
→スカウト文面を管理できる状態
ここで、はじめて「SCOUTSは分析ツールになる」とチームで共通認識を持ちました。
我々としても納得度の高い選択ができたと思っています。
AIではなくBIでC飛んでDX
意味不明なセクション名で恐れ入りますが、我々にとっては大事なことになります。
SCOUTSは、AIツールではなく、BIツールであり、採用DXツールを目指すという意味です。(ただ単にABCDと並べただけです)
HRテックが流行り、採用チャネルが乱立する中、自社にとって何が最適な採用チャネルかを測るツールはなく、SCOUTSはそこのポジションを取りに行きます。
そのファーストステップとして「スカウトの分析機能」を充実させるという決断をしました。
コンサルをしながらSCOUTSの価値を確信
弊社ではSCOUTSの開発を進めながらも、ダイレクトリクルーティングの運用代行を含めたコンサルティングも行なっています。
その中で、実際にSCOUTSを使い「進捗管理」や「スカウト分析」「スカウト文面を参照しながらコミュニケーション」をすることで、以前よりも効果的な運用ができる実感がありました。
・この年齢層の返信率だけやけに高いですね。狙いどこかもです。
・この求人だとこの層の返信率が低いから見せ方変えてみましょう。
・年収ギャップにより返信率が下がっているのでターゲット変えますか?
・この求人はPV数の割に応募率低いから求人の訴求変更しましょう。
・A社よりB社の媒体の方が運用工数も少ないし歩留まりも良いですね。
など、データ先行でネクストアクションの考察ができるのと、実際に顧客と管理画面を共有しながら議論ができるので納得度も高いです。
SCOUTSがあって一番喜んでいるのは俺説濃厚です。
(この場を借りて、みんな、ありがとうw)
まだ課題はたくさんあるがローンチ
僭越ではございますが、先日PR TIMESにてプレスリリースを出させていただきました。(2021年4月にローンチしよう!というslackが残っていたので5ヶ月のディレイ!でも納得度は高まりました。)
そして、嬉しいことに「旬速で1位」「いま話題で6位」になりました!(リリース日にLPのサーバーが落ちるという事故発生)
正直、プロダクトとしてはもっと実装したい機能はたくさんあります。
ただ、今実装してある機能だけでも価値を感じていただけると確信があるためローンチしたという背景もあります。
対応媒体を増やしていくこと。機能を充実させていくこと。
ユーザーにとってSCOUTSが欠かせないプロダクトになること。
SCOUTSの磨き込みは社のミッションとして稼働していきます。
SCOUTSのこれから
SCOUTSはどこを目指しているかと言うと「HR界のTableau(BI)とPardot(MA)の雑種」です。
BIの部分は、今まさに着手している機能群になりますが、もっと付加価値の高いデータを閲覧していただけるよう尽力していきます。
MAの部分は、これから開発を進めていく領域です。
我々は「転職は一般化してきたが、転職顕在層が増えるのではなく潜在層が増えていき、マーケットの大部分を占める」と仮説立てしています。
つまり、採用においてもリードナーチャリングという概念が必須になるということです。(候補者をリードと言うのは気が引けるので「キャンディデイトナーチャリング」と表現してみます。)
令和時代の採用強者は「ブランディングが上手い会社」ではなく「キャンディデイトナーチャリングが上手い会社」になると考えています。
効果的なキャンディデイトナーチャリングについては、私がエージェントとして稼働していたときに最も得意だった部分なので、今までの経験を仕組化しプロダクトに落とし込んでいこうと思っています。
皆様へ、2点ほどのお願い!
最後になりますが、ここまで読んでくださった皆様に2つお願いです。
1つめ!
きっと、5,000文字を超えるnoteを、ここまでスクロールしてくれた=マジで優しい人だと思っていますので、スカウトを強化していきたい企業様に「SCOUTS」を紹介していただきたいです!(もしくはこのnote)
2つめ!
採用代行をされているような企業様があればお繋ぎいただきたいです!(もしお読みくださっているあなたがそうであれば連絡ください)
競合としてバチバチやるのもビジネスとして面白いですが、一緒に顧客の採用課題を解決していくのも面白くありませんか?ということで連携していきたいなと思っています!
TwitterDMは開放していますのでいつでもご連絡ください。
以上です。
リリースしてからが始まりだと思っていますので、ひたすら愚直に自分たちが実現したい世界観を追い続けたいと思います。
引き続きSCOUTSをよろしくお願いいたします!!!
そのうち採用も再開しますので興味ある人は繋がっておいてください!笑
イチグウ株式会社
代表取締役 星野雄大