植物癒しと蟹の物語
「植物癒しと蟹の物語」を読んで。
題名から読む前に感じたのは、守る力
ある古本市で私はこの本に出会いました。
優しい題名の本だなあと感じたのは、私が星座の研究をしているからで、娘が蟹座で大好きな存在だから。
蟹と植物癒しなんてまさに、娘のことだなあと思ったから。今は離れて暮らしているけど、いつも心の中にいる存在。大切な人。
古本市で出会った本なんだけど、題名が目に飛び込んできて、ああ、読んでみたいと思った。
売り手のお兄さんが、「この本を持っているのは宮崎では僕だけだと思います。」と言いました。
「東京の書店で購入して、感想文を書いて賞をいただいたことがあるんです。」と。
「そんな大切な本を手放してしまっていいんですか」私。
「大切だから手放すんです。」
今振り返ればこのやりとり、私が娘と離れて暮らした感覚と似ている。
大切だから、離れてみてるんです。
娘が浮かんだ本が自分の手元に届くまでのやりとりが、娘と離れた時の自分の心情と繋がっていく。
感想文を書く前にもうすでに、無駄のない流れとやり取りに感動する。
本を読み終わった時に感じた気持ちは優しい気持ち。
感想文を私も書いてみたいという気持ちになりました。
人の命や一生って儚くて、尊い。
それは自然の一部であるから、人間は本来、植物と話したり、共に生きている生き物だと思う。
この植物癒しの内容も出来事も特別なことは何もなくて、ただの日常を、蟹という優しいフィルターを通してみて表現したかったのではないだろうか。
気持ちや感情は、その人の本来の姿を表していて。
ありのままの姿を映し出す。
蟹も、植物も、人間もおんなじ生き物で尊い。
なんの違いもなく、お互いに癒し癒されながら生きている。
ありのままで、ただそれだけ。
蟹は解る虫と書いて、蟹と読む。
蟹はcancerと書いて、ガンという意味もある。
人間みんな持っている。
病とは人を癒すためにある。
メモしておきたい言葉が沢山あった。
蟹に自分が今まで惹かれる理由もなんだかわかった気がする。
みんなの中にあって、良くも悪くも無いもの。
ただの事象。
全ての命は生きていても、死んでしまっても尊いということ。
お兄さんが、この本のバトンを繋いでくれたように、私も大切に繋いでいけたらと思う。