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先日開催されました文フリ東京39

西野夏葉様がお声がけ下さり
「 ヤンデレアンソロ ルージュ 」
寄稿させて頂きました。


文フリの存在はTLの皆様がまことしやかに囁かれていたのを目にする程度だったのですが、今回チャンスを下さり関わらせていただけたこと本当に嬉しく思っています。

お話を頂いてからヤンデレってなんだろうとずっと考えておりまして。

好きすぎて病むことといったような言葉が辞書には綴られていました。
実質ヤンデレと検索すると「お悩みの方は思い詰めずにこちらに電話を」といったような内容が表示されるんですよね。笑


そんなこんなで悩みに悩みまして、私はヤンデレを

雁字搦め

と捉えて考えていくこととしました。


実質誰にでも、雁字搦めにされたような呪縛にも似た愛に触れた経験があるんじゃないかなと思います。

それは別にそばにいる人とでなくても良いし、アイドルでも、アニメでも、対象はそれぞれだと思いますが。

もちろん私にもあります。その人にはもう二度と会えないけど、多分忘れられてないんだろうなと、ふと思い出して泣きたくなる時もある。


私はいつも、後味に雑みを残しながらも粘度はそう高くない作品という点を書くことで意識してきました。

ただ一度読んでしまったら忘れられない、もう浸食されて終わりだとさえ思っていただけるような、中毒性のある物語を産む書き手でありたいと、そう思ってきました。


その中でも今回寄稿させて頂いた「 gypsy. 」は少し異質な作品です。

もしかすると拙作をいつも読んでくださっている方の中に気付かれた方がいらっしゃるかもしれませんが、既作を大幅に改稿して生まれたのが「 gypsy . 」です。元となったのは私が大切にしてきた作品でした。

いつもより粘り気を意識して翻弄されるような毒を思わせる匂いを漂わせつつ。

結局昇華できていない主人公の思いをラストの「結局〜いく」の一文に全てつぎ込んだ次第です。


あとは自分的に気に入っている描写の一つとして

ここ。

宣伝上一部分は掲載許可頂いているのでチラ見せ。

猫に名前をつけなかった理由は本誌に掲載している文通りになるのですが、自分としても条理にかなっていて好きです。



そして!


特に考えたのはタイトル

錚々たる方々の中の一作として置いていただけることを軸とすると、少し目に留まるが良いのかなと思いまして。でもテーマとして違和感があるの失礼にあたるかなと。

それなら横文字ならどうか?


ということで英単語を選ばせて頂きました。


――「 gypsy 」

掴めない、そこにとどまらない、
ふわふわと放浪してゆく人のこと。

この意味こそが病むほどの翻弄を引き出す色気なのかなあと漠然と思いまして、こちらをタイトルに決めました。

ジプシーって声に出した時もなんだか可愛いなと思ったのも一因です。


そして、物語始まりに綴られている西野夏葉様と千羽稲穂様から頂いたヤンデレ判定が全ての作者様の作品に添えられていてとても読み応えあります。

お言葉めちゃくちゃ嬉しかったです。

ついでに私からの一言もぜひお目通し下さいませ。


装丁まで大変こだわっていらっしゃって、透け感あるルージュデザインが可愛すぎる。💄



重ねての言葉となってしまいますが、この度アンソロジーへの参加機会を下さった夏葉さん、gypsy.をお読み下さった皆様に感謝申し上げます。

こんなに光栄なことはありません。

私も他の寄稿された方々のヤンデレアンソロルージュ作品を読ませて頂いていますが、本当に本当に全てが良すぎます。月並みの言葉ではありますが。

同じものでも違う視点から見れば違うものに見えるし、違う切り口を覗けば剥き出しになる実はそれぞれなのだと改めて感じています。


貴重な経験をさせて頂き本当にありがとうございました。




――モノカキとは、つまるところ自分が放浪者であることだ。


永黎 星雫々

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