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台湾の訪日客数はなぜこれほど多いのか

先日旅行で行った台湾ですが、JNTO(日本政府観光局)によると、2024年(8月までの推計値)の台湾からの訪日外客数は韓国中国に続き第3位とのこと。

一見すると、この順位に特別違和感はありません。台湾と日本。地図で見れば、確かに近い国同士です。また台湾が親日と評されている点を鑑みると、むしろ自然な結果だと言えるかもしれません。

しかし、実際の数字をもう少し紐解いていくと、台湾からの訪日客数が予想以上に多いことに気づかされます。

1位 韓国:580万人
2位 中国:460万人
3位 台湾:410万人
です。

これを各国の人口と照らし合わせてみると、、

韓国:8.6人に1人(総人口:5,000万人)
中国:304人に1人(総人口:14億人)
台湾:5.6人に1人(総人口:2,300万人)

が日本を訪れていることになります。

これは2024年8月時点の数字なので、超概算で12/8を掛けて年換算すると615万人に達し、およそ3.7人に1人の台湾人が日本を訪れることになります。

もちろん、この数字はビジネス客やリピーター客等を含んでいるため、純粋な観光客数ではありません。(1位の韓国もかなり多いのですが、今回は台湾にフィーチャーすることにします。)


なぜ台湾からの訪日客はこれほど多いのでしょうか。

前述した通り、色々な要因が絡んでいると思いますが、私が最近新たに感じたのは「台湾人にとっての日本旅行は日本人の国内旅行と近い感覚」なのではないか、という点です。

台湾旅行中に現地の台湾人の友人と再会しました。彼との会話の中で、台湾人にとって国内旅行があまり一般的ではないことを知りました。

その理由を尋ねると、「台湾は小さくて行くところが無いから。どこも同じようなものだし」という答えが返ってきました。

最初は自虐的な冗談として言っているのかと思っていましたが、話を聞いていくうちに、その意味が分かりました。

台湾は確かに小さいのです。
国土面積は九州とほぼ同じくらい。

加えて気候も年中温暖で、日本と比較すると、どのエリアもそれほど大きな違いがないです。

そう考えると、台湾人にとっての日本旅行は、日本人にとっての国内旅行に近いのかもしれないと思いました。

日本人が避暑で軽井沢へ、スキーで長野や北海道へ行くように、台湾の人々も四季を楽しむために(もちろん日本人の国内旅行よりも移動時間はやや増えますが)、比較的気軽に日本を訪れるのではないでしょうか。


実際、私の台湾人の友人たちも、日本の異なる地域を複数回訪れていました。


この傾向は統計にも表れており、2023年に観光目的で訪日した台湾旅行者のうち、初めて日本に来た人の割合はわずか11.8%でした。(出典:日本政府観光局(JNTO))

つまり、日本を訪れる台湾人の非常に多くがリピーターであることがうかがえます。

また、コロナ前の2019年は台湾人の出国率は72.5%と非常に高い数字を記録しており(出典:日本政府観光局(JNTO))、台湾人にとって海外に出るのはもはや日常なのです。


日本人が国内を旅行するくらいの感覚で、台湾人も日本旅行をするのではないか、と感じた話でした。



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