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素描とお食事と|“星いのり”「雨の美術館」第二幕へ


◇2021年2月22日の日記より。

お手紙が届いて、それからあれよあれよと“星いのり”さん訪問へ。
その記録。

(エントランス、2021年2月の様子)
母屋へ移動する手前、hodagi と名付けられた建物。
…の、天井の棟木。
立派な墨書きで祈願の言葉と当主のご先祖さまのお名前。
ほれぼれ。
展示の一部。



2月吉日、まぶしいくらいの晴天。

なんていうお話だったかな、
むかーしむかし、正直もののお爺さんが招かれた、すずめの御殿。

そんな、まるで絵本のなかに出てくる
夢みたいなところにおじゃまできることになった。

朝倉市杷木(福岡県)にある“星いのり”。

2020年冬至にオープンされたという場所で、
素描家shunshunさんの「雨の美術館」第二幕が開催中。

母屋の二階に、一枚の絵が展示されている。
床の間には作品に寄せられた詩も。


shunshunさんの絵が展示された空間を、一時間かけて鑑賞する。

絵に近づいたり遠ざかったり、板の間に寝転がったり、、、
ゆっくりマイペース、フリースタイル。

申し込み時に希望すると、つくりたての食事も用意してもらえる。
モチのロンでお願いした。

二階の展示室で、ひとり静かに絵を拝観していると、
一階から、「シャーーーー、、、」とか、
「コトコトコト」「トン、トン、トン、、、」と、台所の音が聞こえる。
これもたまらないご馳走。

一時間はけっこうあっという間で、
チリンという鈴の音をサインに、階下へ。


流川れんこんのすりながし、だったかな。
人参のロースト、とっても甘い! 
包丁の刻み目が見事なだけでなくお箸で食べやすい。
赤蕪と白蕪のなます。


どの材料も、とてもだいじに扱われている。
色、カタチ、味の組み合わせ、歯触り、食感。
繊細に組み立てられたお食事に感激しどおし。

お料理も、器もカトラリーも、絵画と額縁のようにうつくしくて、
ほんとうにおいしくいただいた。

炊きたて白ごはん。

「その日、来られたかたのお顔を観てから、
どんなご飯にしようかなぁって」

“星いのり”の主、高倉優仁子さんが、
この日は分搗き米を、鉄鍋で炊いてくださった。
(昨秋、わたしも稲刈りに参加させてもらった
大分県耶馬渓で農を営む戸倉ご夫妻の田んぼのお米だ)

一粒ずつのお米。
その中にも、まわりにも、
たっぷりと新鮮なお水を含み、そして纏っている。

おいしくておいしくて、
炊いてもらった分、2回おかわりして、すっかり完食。

ごちそうさまでした。
食後の淹れたて珈琲と、 揚げたてのドーナツ
(とくらさんちの米ぬか入り)。


母屋の一階には、
高倉さんのお台所と、物品コーナー。

そして展示スペースでは、12月に描かれたというshunshunさんの
人生初のライブペインティングや、過去の作品集、作品集のための
旅のスケッチブックなど、作家さんの軌跡にも存分に触れられる。

芳名帳とお手紙を書ける机に至るまで、
それぞれが大小さまざまな瞑想室みたいに想えた。


ある御方たちから矢継ぎ早に、

「ぜひお出かけください」「ご飯もぜひ」
「そして、あの空間はひとりで行くのがいいです!」

と推薦メッセージが届いた2月の初め。

第一幕は逃してしまったけれど、

「会期延長されるそうです」
「第二幕始まるみたいです」

とお知らせメッセージは続き、

さらに、親切な方が、

「予約が取れたら、日田への行き帰りに乗せてってあげますよ!」

と、ありがたすぎるお言葉をかけてくださり、訪問が実現した。

(外堀の埋まり方スゴイ、
または突いて落とされることビリヤードのごとし)

ほんとうに、昔話のお爺さんになったみたい。。。

えっ…と。自分は正直に生きられているかな。

緩んだあとに、締まってこーーーっていう氣持ちになった。
このくり返しを、何度でも、何度でも。

お手紙くださり、連れて行ってくださったKさん、
ほんとうにありがとうございます。

届いたお手紙、すなわちいただいたバトン(右)を、
つぎのヒトへ(左)。
切手は井戸の水を汲み上げる星の王子さま。
わたしも最近そんな感じです。

ちなみに実家の両親が
読売新聞の人生相談コーナーで紹介されていたという
『星の王子さま』を目下読書中。
ふたりとも、読みどころがよくわからないらしい笑
けど、それぞれと本のお話ができてヨカッタ。

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“星いのり”

期間限定企画 shunshun 雨の美術館
第二幕 2021.2.11 - 4.20穀雨

予約制 10時/13時/16時
拝観料 2,000円
(お食事をお願いする場合は別途ドネイション)

星の一葉 ⁂ ほしのひとは

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