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教壇に立ち続ける ⑫ 高校現代文の教材研究【note限定記事】

オンライン飲み会って楽しいね。アル中になっちゃう。どうも星野です。カルーアミルクおいしい。今日も教材研究についてです。高校国語、現代文編。
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今回教材研究したのは川上未映子の「わたしであり、あなたでなくちゃ」という随筆です。随筆はちょっと教えるのが苦手なのですが、高校1年生の共感を誘う題材として興味深く読みました。おはなしをざっくり言うと、大人になってからは奇妙に見える「思春期の『ひとりでいると落ち着かない』状態」についてのお話です。思春期(小学校高学年~中学生、高校生)くらいの、特に女の子。ほとんどの確率で一緒にいることを好みますよね。ひとりでいると「仲間外れにされちゃう」などと考えて、友達に合わせて、なんだかそういう自分に疲弊して。多くのひとが共感を覚える内容だと思いました。そして私も、自分の経験を語ることで思春期真っ盛りの彼らに何かを伝えられたらいいなと思っています。

授業の最終的な発問は「タイトルの意味を考える」でいこうと思いました。「わたしであり、あなたでなくちゃ」ってなんなのか。どういう願いが込められてそのタイトルになったのか。作者の気持ちまではわからないですが、自分なりに考え、向き合わせることに意味があると考えて、タイトルについて140字くらいの考察を書かせる予定でいます。本文も脚問に沿いながら、ていねいに内容をおさえていくつもりですが、なんせ時間数がキツイので駆け足になってしまうと想定されます。駆け足になっても大事なところだけは外さないノート例を考えてみました(4月18日更新)。

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ノートの基本はわかりやすさ、そしてその神髄は図表化にあると思うのですが、どうにも私は文章を書かせまくるタイプの指導をしてしまうので、生徒にとっては板書を写すのも大変なのかなとも思いました。私の恩師の先生はめちゃくちゃ図表化のお上手な方だったので、それを真似ようとしているのですが、自分の中で図になって見えてこないのですよね。だからしばらくはこの「換言」スタイルを貫こうと思います。全日のクラスでも単元ごとにリフレクション、毎授業ごとに5分間の記述を行うことを決めたので、生徒にはことばを使って考えることに慣れてもらいながら、自己表現、あるいは思考の整理、もっと進んで考え方のリフレーミングができればいいなと。発問そのものは脚問とほぼ同じですが、板書でまとめる内容はもう少しだけ踏み込んでいます。たとえば、授業の解説でちょっとだけ触れる感じですが、「恋人と片時離れたくない」というのと「なんとなくひとりでいるのは淋しい」というのは、同じような他者依存だとしても実は質が違う、というような解説を入れます。恋人と離れたくないのは愛情と独占欲などの利己的なものだけれど、ひとりでいると淋しいのは他者からの同町圧力もあるのではないか。そしてその同調圧力が高くなりやすいのが、学校というひとつの狭い「社会」なのではないか。そういう話もしてみたいと考えています。その説明に衝撃を受けたり、違和感を覚えたり、反応はいろいろあっていいと思いますが、それさえもこの作品を味わい、自分のあり方を考えるきっかけとしてもらいたいなと。そういう道徳の授業的な内容にも触れつつ、授業を構成していくのが目標です。
ただ、塾も学校も休校で、おそらく授業の腕がなまっているので、スマホで録画したものを自分で見返しながら授業の展開を考えていくこともやってみようと考えています。自分が映るのは嫌なので、アランチャくんに画面上には出てもらって、話をしているのは私、的な動画を撮ってみるのも、休校中にしかできない授業研究の方法だと思うので、とりあえずやれることはすべてやるつもりでいます。私の授業は結構私がしゃべってしまうので、そこは注意しなくてはいけませんね。(定時の生徒は緘黙の子がいたので、配慮しつつ徐々に生徒から話を引き出していました)しかし今回初めて40人の学級を持つことになるので、かなり不安もありますが、机間指導だけはどんなに生徒が多くてもやるつもりです。頑張ろう。

そんなところで今回はおしまいです、それでは、また。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。