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教壇に立ち続ける ⑲ 中学国語の教材研究そのご【note限定記事】

遂にオンライン授業の可能性が出てきました。早急に十万円を振り込んでくれないと仕事に支障が出る……どうも星野です。今日で教材研究は最後になります、題材は太宰治の「走れメロス」。長いお話なので、今日は方針だけ決めて明日以降少しずつ板書計画をアップロードしていく予定です。1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。このロースペックPCとオサラバするための経済的支援をお願いします。

言わずと知れた定番教材の「走れメロス」ですが、正直何を考えさせたらいいのかまったく浮かびませんでした。いちおう目標は「人物像を捉えること」――人物や情景の効果的な描写に着目して作品を読み深めること、そして場面の展開や表現の仕方について自分の考えをまとめることなどが挙げられています。場面ごとの効果的な表現とそれによってわかる各登場キャラクターの性格、つまり人物像について理解を深め、表現方法の工夫をメタ的に認知するという、少しハイレベルなことが求められているわけですね。
この「走れメロス」に関しては、数多の論文で議論されているので余計な解説は不要かと思いますが、三人称小説としてメロスの三日間を描いているものです。メロスが暴君ディオニスと、親友セリヌンティウスの命をかけた約束をし、それを果たすという物語です。途中で筆者・太宰治の語り口が暴走する、というかメロスに対してエールを送ってしまうという物語の破格のようなものも見られます。メロスは走っていなかったとか、なぜ水を飲んだだけで元気になったのかなど、結構謎も多いです。そこをどのように読ませ、理解させ、深い学習をさせていくか……というのも私の中で大きな課題としてあります。
授業の板書計画は後日追加していく予定です。

追記:板書計画が完成しました。(4月27日更新)

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授業の流れは、オーソドックスなものを構想しています。要は本当に「読ませる」「書かせる」というトーク&チョークスタイル。最後の活動でちょっとALっぽいこともしたいなと思っています。①通読・構成理解、②内容理解、③発展、の三段構成です。
①はそもそもこの作品が中学生の題材としてはちょっと長すぎる気がするので、場面ごとに区切りながら読んでいくのがいいのかなと思っています。場面ごとに読む・構成を表にするという活動を地道に積み重ねていくイメージですね。表は随時更新するタイプにして、ノートの一番最初に入れるようにします。語彙の知識を入れたり、表現の中でも特に着目してほしいポイントに焦点を当てて、目標に出ている「人物像」「表現技法」を学びます。展開の起伏を読み取りながら、メロスの単純で純朴、かつ後先考えない性格、セリヌンティウスの温和で友達想いな性格、暴君ディオニスの相手を疑って人を殺してしまうような残虐さが改心する過程、などに注目させます。
②の内容理解のところで、詩歌でも持ち出した「語り手」の話をしようと思っています。中学生にどの程度伝わるのかはやってみないとわかりませんが、太宰治と語っている人物はイコールではないことを理解してもらいたいです。また、この作品の逸話についても情報を集めて語れるようにしたいですね。作中の謎としては、「濁流に呑まれそうになるメロス」の場面と「立ち上がれなくなってセリヌンティウスを裏切りそうになるメロス」の場面で、語り手はどんな思惑を持ってこの情景を描写しているのかを理解してもらうことを目指しています。メロスの考え方が裏切る方向に一瞬揺らいでしまうシーンでもあるので、その揺れる想いについても共感させたり反発させたり、生徒一人ひとりの受け止め方を大事にしながら進めていくつもりです。
③の発展的活動については、「語り手」の暴走について私の話を聞いたうえで分析、なども考えていますが、実際にどの程度授業時間が確保できるのか、どの程度理解してもらえるのかが未知数なので、人物の描かれ方に注目して他の太宰作品を読んでみる、というのでもアリかなと思っています。ブックガイドを作らなくては。
「走れメロス」は長く教材として扱われている作品なだけに、下手な真似はできないですが、オリジナリティと理論を武器に、これから発問なども考えていきます。板書は長いので少々お待ちください。1日2ページが限界。

このあと学校がどのような対応をするのか、全体会議で聞いてきた後に方針を練ろうと思います。それでは、また。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。