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教壇に立ち続ける ㊺ 身近なものを教材に~映画編~

休み時間の10分でおよそ800メートルを移動することが決まりました。階段での移動込み。膝の死は近い。どうも星野です。
お仕事をしながら執筆するのに慣れてきたので、いちおう目標は100日間続けることですが、続く限りできるだけ毎日更新していく予定です。
1日1本プロジェクト進行中。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。近日中に新作を追加します。

今日のテーマは「映画で授業を組み立てる」。連続したテーマとして「身近なものを教材化する」というのをやっていく予定です。次回は「街中の不思議な日本語」、その次は「歌詞分析」。最後はまさかの「演劇」でいこうと思います。
余談ですが「バンクシー展」のチケットも購入したので、近日中に記事を公開します。たのしみ。
それでは始めましょう。

学年は高校2~3年生、国語がちゃんと「現代文」になってからの学年がふさわしいと思います。基礎を固めたうえでの発展なので。目標は「日本のポップカルチャー理解と批評」。批評は私の通年の指導したいことですので、こうして取り組んでみることにしました。
題材は「君の名は。」「天気の子」など、新海誠の作品群が良いかなと思っています。比較的新しく、高校生にメジャーな作品であることと、セカイ系の発展というテーマを考えるということで選びました。いちばんいいのは30分で観終わる「ほしのこえ」あたりがいいのかもしれません。
下敷きにしているのは大学の時に受けたアニメ論の授業です。いちおう近代文学概説、と銘打っていましたが、実際はアニメオタクひしめく「ラブライブ!」の映像を観る会みたいな感じでした。
閑話休題。元に戻します。
時間数は1か月間かけるくらいの量を想定しています。独自教材でそこまでやらせてくれる学校があるかはわかりませんが。やるにはこれくらいかかるかもなあと思っています。ふわふわしていますが、こんな感じで進める予定でいます。画像を参照してください。

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ごちゃごちゃしているので解説しますと、順序はおおまかに三段階です。①映像を観て感想と疑問を見つける、②セカイ系や現代文学の系譜などの知識を入れた後、それぞれで文学批評を行う、③疑問の解決を協働作業で行う。参考にしたのは中央大学附属高等学校の先生の実践です。
1時間目は映像視聴・感想を書く時間。感想をもとに自分で課題を洗い出します。課題を洗い出した後はそれぞれ様々な発問をしていきます。たとえば道徳的な話にするなら、「天気の子」で世界を変えたことは善か悪か、から広げて「ほしのこえ」との世界のとらえ方の変遷を調べて考察してみてもいいよね、とか。課題は生徒自身が批評するに値すると思ったものならなんでもいいこととします。そういうのこそ主体性なんじゃないかなとか思ったり。
様々な作品に触れる時間だけでなく、新海誠という「映像作家」の特徴についても解説する時間を取りたいと思っていて、そこには指導者の解釈が多く含まれるものになるでしょうが、それこそが「大きな物語」を喪ったあとの現代文学に切り込んでいくきっかけになると考えています。

最終的には、ただ万人受けするように作られたものを受容し、消費するだけの存在からの脱却だとか、「エンターテインメントとしての作品の享受」ではなく「自分の頭でメッセージを受け取るための訓練をする」ことだとか、いろいろ考えています。
これが実現できれば、いまの非常勤ライフもたのしくなるのだけれど……将来の楽しみにとっておきましょうかね。
今回はこのあたりで。それでは、また。


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