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教壇に立ち続ける 118 今週の反省【note限定記事】

今日も1日、楽しく生きていました。どうも星野です。今日は連続投稿日、ひとつめのお題は「今週の反省」です。常勤になっても続けていきたい。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。新作を頑張って日曜に作る……睡魔に負けない……

今年度の総括

受け持っている全学年の全単元が終わりました。ここまで長かったような、短かったような、不思議な感覚です。来年度からは違う場所で働くことになるので、どうしても後ろ髪を引かれるというか、寂しさがこみあげてきますが、彼らの人生の中の1年間を一緒に過ごせたことは、たぶん一生忘れないと思います。正直何もわからず手探りで授業をしていた頃と比べたら、かなり自分も変わったな、という感じがしています。
結構大きな変化があって、それは横並びに慣れたこと。自分と違う考え方の先生方と意見を交わしながら、テストを作ったり、授業の準備をしたりするのは、とても良い経験でした。ワンマンプレーは自分にも相手にも良くないと、身をもって知りました。自分だけ好き勝手にやっていたら、基本的におさえておいてほしい内容がぶれて、「私の読み」に偏ってしまう(=読みの押し付けになる)からダメなんだなと。それに伴って指導書も研究するようになりました。迎合した、と言われてしまえばそれまでですが、基本的に教えなければならない事項の部分くらいは参考にするようになったのです。成長。無駄に意地を張っていても自分が根腐れを起こすだけですね。桃ちゃんは賢くなりました。さらに教材研究をする方法もちょっと変わりまして、国立国会図書館のデータベースで参考文献にあたったり、板書計画を立てたり、作問して解いたり、多角的に教材をいじくってみる訓練を行うことにしました。板書計画を立てるのは当たり前ですが、内容の質を高めたいなら「私が問題として出すならここ……じゃあなぜこのような脚問がついているのだろうか?」と考えるようにしていますし、教科書以外に文献を調べたことで効果的な指導法にたどり着けることもありました。理論と実践の両輪で進んでいくことを、再確認できたことは大変良かったなと。来年度からはさらに業務量が増えるので、いかに教材研究を「時短で・ハイクオリティに」仕上げるか、という課題があるので、3月は「仕事の優先順位をつけてさばくスキルを磨く」1ヶ月にしようと思います。

実践報告

今回は実践の話が長いので、もう報告タイムです。
高校1年生の授業で、評論文を読んだ後に簡単なアンケートを取りました。ねらいとしては、評論文の内容を「じぶんごと」にするためのきっかけ作りがあります。また、1年間の振り返りをして、生徒自身が「国語の授業ではこういうことを学ぶのだ」と気付いた事柄を、来年度以降の国語科の授業に活かしてもらうというねらいもありました。
実践方法としては、すべての読解が終わった段階で評論文の核心に迫る質問を精選し、それぞれノートに下書きをさせて提出してもらいました。はい・いいえで答えられる質問と、自由記述の2種類を用意しました。机間指導で見回りながら生徒の成果物について質問したり対話したりしました(これってどういう意味? もっと具体的になる? 等の声掛けで、より思考を深める助けにしてもらうためです)。最終的にアンケート結果をExcelで集計して、B5サイズのプリントにまとめて配付し、それをもとに相互交流の時間と自己評価シートに記入……という感じでした。
やってみて良かったな、と思ったポイントは、生徒の考えていることを詳しく確認し、どのくらい理解できているのかを測る指標になってくれたこと、クラス全体の意見の傾向を分析したうえで、私が個人的に注目した部分について詳しく解説したら「面白かった」と好評だったこと、などが挙げられます。半分くらいの生徒にとっては、この質問が理解の助け、あるいは自身の思考の整理の一助になれたようで、自己評価シートも前向きな記述が多かったです。質問の中でも自由記述を分析するのは結構労力がかかったのですが、それもGoogle Classroomのアンケート機能をうまく使いこなせばもっと楽にできたはずだし、傾向をつかめばうまく回せることがわかったので、年度末の振り返り活動は重要だということがわかりました。

もうひとつ、課題で出していた歌詞分析に力作があったので(写真は掲載できませんが)紹介します。
その生徒は音楽が好きで、いろいろなところでふんふん歌っているタイプの子です。勉強ができるわけじゃないけれど、それでも考えることは好きみたいでした。その子が中島みゆきの「糸」を歌詞分析してくれて、歌詞からわかる「テーマ性(ふたりの出会いは偶然で、奇跡みたいで、だからこそ尊くて……といったことを書いてくれました)」だとか、「ストーリー性(季節はいつで、こんなふたりの関係性、みたいに一生懸命書いてくれました)」だとかに注目した考察を仕上げて持ってきてくれました。
私が目にするだけの学力が、私の主観から言って低いと評価したとしても、できることが少ないとは限らないこと、そして動機付けや教え方でいくらでも伸びていくのだということを実感しました。非常に良い出来だったので、記念に保存してあります。

最後に今週の反省ノートを。それでは、また。

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