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教壇に立ち続ける 103 2学期の反省

連載2日目にして締め切りとのデッドヒートに追われることになろうとは。どうも星野です。家事をしながら活動されているすべての方に称賛を贈りたい。1日1本プロジェクトを期間限定で開催中。今日のお題は教育のおはなし、「2学期の反省」について。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。困窮した状況が来年2月頃まで続くと知って今から心臓がバクバクいっています。そんな桃ちゃんに救いの手を……minneとFantiaはこちら。毎週土曜更新、新作も頑張って作ります。これ以上在庫を抱えたくない。

2学期は叱ることを覚えた

2学期に入って生徒は一気にだれてきました。というのも、授業が本格的に始まって、今まで緊張していた1年生たちまでも授業中に私語が止まない状況になるなど、指導の手腕が問われる場面がたくさんありました。私流の叱り方は、「静かになるまで黙ってしゃべっている生徒を見つめ、静まり返った段階で冷徹かつ無慈悲に刺さるひとことを発する」というものです。八神さんがおっしゃっていたのですが、背中に静かな殺気を背負うとよいというお話が大変参考になりました。これで黙らせた回数は星の数ほどあります。なぜ彼らは学習しないのか……怒られるって、評価を下げられるってわかっているはずなのに……まあとにかく、生徒を叱るときは「一撃必殺」が最も効果的だと学びました。あとは自分がどれだけ冷静になれるかも重要でした。私は怒りで手が震えたり語気が荒くなったりすることもしばしばありましたが、生徒たちは部活などで怒鳴られることには慣れているから効果なしの様子でした。そのため、逆に「彼らのやっている行為がどんなにおかしいのか」を論理的に説明するほうが、「今は集中しなきゃいけないんだ」と気づかせることができたのかなと思っています。というか気づくのが遅すぎる。校風もあるのでしょうが、学問に対する姿勢がなっていないという話を今度の成績会議でしてこようと思っています。その内容については以下

生徒の姿勢と教師の姿勢

生徒は学問に全く興味が無いです。難関校に進学を希望している生徒は、やっている問題集のわからないところを質問したり、1年生でも「太宰治の作品を読みたいけれど、長いのはちょっと手が出せないから短いオススメはあるか」と相談してくれたりしますが、大多数の生徒は急かされないと提出物すら出しません。どうなっているんだ。前述の授業妨害行為もそうですが、勉強する姿勢が高校3年生になっても形成されていないのが課題だと感じています。まるで「ガツガツ勉強するのはダサい」みたいな風潮があるような。保護者様がどれだけ学費を頑張って払っているのか知らないだろう君たちは……今日先輩とも話していたのですが、附属中学校から進学してきた生徒はわりと勉強に前向きで、やることをきちんとやってから部活や遊びに没頭する習慣がついている生徒が多い(つまり中学では厳しくそういう指導をしている)のですが、外部から来た生徒たちはもう「部活さえできれば」「スポーツで進学できれば」と考えているようです。そして最近の生徒は、「将来こうなりたい」という目標が無い……というか、社会に出て自分がどんな活躍をするのか、今学んでいることはどう活かせるのかのビジョンがないのですよね。なんだろう、私のいた高校ではそんなことなかったのに、将来に対する希望みたいなものが全然見えてこないのです。進学して何になりたいとか、言えないんですよ。ただ進学した方がよさそうだから、みんなが行くって言っているから、自分も行く、みたいな。主体性というものが存在しない。最近の小学生たちもそうみたいで、楽な方へを流れていく傾向はあるようです。そこを何とかするのが来学期、来年度の目標になるのかなと考えています。
そのためにまずやらなくてはならないのが「教職員の意識改革」です。ある日教材研究していたら、「桃ちゃん先生は真面目に教材研究しているね、俺なんかそんなふうにやったことないよ~」みたいなことを平気で笑いながら言ってきたことがあって、それ以来勤務先の教員は教えることに向き合っていないのだと、私は感じてしまいました。そこを変えていかないと生徒もやる気を出さないだろうということで、成績会議では「学校は勉強をするために来る場所であり、単に進学させるためのパイプではない」ということを明言してこようと思っています。そこをはき違えている教員が多い気がしています。部活で進学しようが、ずっとスポーツだけで生きていけるわけがないじゃないですか。体は衰えるし、セカンドキャリアを考えるのが大半でしょう。そういったときに教養が武器になると思うのです。スポーツでも戦略やトレーニング等で頭脳は使いますし、その力を鍛えるためにも各教科の思考・判断・表現の能力を高めていく必要はありますよね。単に体を動かすだけで満足しているようなら大成はしないと私などは考えます。
――とまあ、非常勤の身分でどこまで切り込んだ話ができるかはわかりませんが、思っていることをちゃんと言葉にしようと思います。私は誰かとぶつかるのが怖いですが、それ以上に現状を変えたいという思いが強いので、頑張ってみます。

来学期のビジョン

来学期は授業時間数が極端に少ないので、1回の授業を大切にすること(つまりは場を調整して、生徒が集中しやすくしたり、発言しやすくしたり、多くの生徒が学びやすい環境を作ることです)、縮めるところは短縮し、濃くやるところは掘り下げて、とメリハリをつけて深く学んでいくサポートをすることが重要任務になってきそうです。そして最終的には「学びに向かう姿勢づくり」。これを目指します。頑張るぞ。それでは、また。

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