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教壇に立ち続ける 82 今週の反省【note限定記事】

更新が大幅に遅れてすみません。今朝3時に起床してしまったので、大急ぎで書いております。どうも星野です。今日は連続投稿日。ひとつめのお題は「今週の反省」です。この記事を読んで、何かしら学びがあったり、いいなと思って頂けたりしたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。ちまちま更新しております。新作続々、全国一律送料無料、即日発送可。作品が手元に残った方がうれしいので、ご検討くださいませ。

発展的な授業に挑戦

今週から遂に「歴史を哲学する」が始まりました。最初の授業では構造について整理し、テーマ把握とキーワードの抜き出しを行いました。「何のことを言っているのだ?」みたいな顔をしていた生徒たちも、一緒に読み進めていくなかで「前にやった評論と同じ構造をしている」「前にやった評論と似たことを言っている」ということは掴めてきたようです。構造が前単元と似ていることは共通認識として分かった様子だったので、そこから具体例を使う論展開の仕方を学んでいってもらい、生徒自身の表現活動に活かしてほしいところ。あとは内容の差異を、批評的に考えていく(教科書信仰から脱する)ことも目指すゴールの一つです。
生徒があまりにも語彙が少ない、しかも学習言語がかなり弱い、という見落としていた課題を1学期のテストで突きつけられましたので、そこを固めるべく「辞書の引き方」「レファレンスサービスの受け方」を1コマ使って教えました。わからない単語は積極的に辞書を引いて、そのなかで「どれが本文中の意味に一番近いのだろう」と考える活動ができたように思います。
それでも生徒は国語という科目に一定の苦手意識を持っている(それは少なからず私の作ったテストによるものでもあります)ので、どうその意識を払拭できるか、学びの姿勢を受け身のものからクリティカルに読む・書く方向に変えていけるか、というところが現在の課題です。
滑り出しは好調だったので、ここからどう学びを深めていくか(沈思黙考したり協働したり、どんな形であれ頭を働かせることを続けてもらうか)が今後の私の指導にかかっています。

大学進学のこと

全日では推薦入試本番ということで、生徒がかなり浮ついていました。心ここにあらず、といった感じ。そこで急きょ、古典の勉強法について話したところ、結構な数の生徒から質問や悩み相談を受けることになりました。まあそれはいいのですが、なぜ今になってそんなに焦るのだきみたちは……とちょっと計画性のなさに呆れてしまいました。今さら、と言っては失礼になるかもしれませんが、本当に勉強のできる生徒は1年生の頃からの積み上げで、いや、もしかしたらそのずっと前からの学習習慣の積み上げで、遥か高みにいるかもしれないのに、そのことがどうやら頭からすっぽりと抜け落ちているようでした。
もちろん大卒のほうが就職には有利です。しかし大学は職業斡旋所でも職業訓練校でもありません。研究機関です。しかし生徒たちはネームバリューと就職のことだけを考えて受験しています。大学は研究をして、学びを深めるための場所。そこに入るための姿勢がなっていないから、私は内心ひどく怒っていたのです。
だから決めたことがひとつあって、3年生の古典の授業の中で「複数テクスト読解」を扱って「学問の壁」を感じてもらうことにしました。
私は、学問が面白いと思えないなら大学に行くべきではない、というなかなかの過激論者です。それは承知の上ですが、大学に入ってモラトリアムをうだうだと過ごされるよりは今私が憎まれ役を買って出たほうがよい、という判断です。
今回3年生は「大鏡」の肝試しの話をやっています。私の担当しているクラスは進度が早いので、時間数が余りそう、ということで「雨月物語」「百人一首」(ここまで崇徳院の話)と「大鏡」のなかの道真の話を短くまとめて一気に扱おうと思っています。イメージとしては、「怨霊」っていると思われていたんだよね、じゃあほかの有名な怨霊はどんな運命をたどったのかみてみようか……ということで、訳文を作るというよりも内容を伝えていく授業にします。大事な文法(現在扱っている敬語法など)は訳出しながら授業しますが。生徒をばんばん当てて、対話していく予定でいます。テクストのプリントは現在作成中です。あんまりデザインの能力が無いので、そこも磨く練習だと思いながらやってみるつもりです。

生徒に「学ぶ楽しさ」を伝えたいという思いが日に日に強くなります。だから私は、勉強は人生を救うし、何より楽しくしてくれるよ、と伝えたいのです。確かに学問をすることで失われる、ある種の「安心感」はあると思います。知っても無駄かもしれません。それでも目の前の生徒を諦めたくはないので、今日も私は教壇に立ち続けるのです。それでは、また。

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