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教壇に立ち続ける 89 今週の反省【note限定記事】

今朝は3時に起床しました。そしてこの時間まで起きています。桃ちゃんは遂に死んでしまうのか。どうも星野です。10月の定期更新日は水・土。今日は「今週の反省」を書いていく予定です。ちょこっとずつ実践報告もします。この記事を読んで、参考になったなーとか、いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。今月から来月にかけて製作強化月間と称して引きこもりハンドメイド生活をするので、見ていっていただければと思います。真面目に事業化したい。

生徒にどう接するか

なんだかナメられているのか、生徒から変な絡まれ方をされています。授業に関係のない話題をひたすら振ってくるので辟易しています。その生徒からしたら、少しは私という生き物に興味が出てきて、その質問で何かを試そうとしているのかもしれませんが、こちらとしては40人を相手にしながら個別に対応しているわけで……君の需要だけには応えられない、というのが本音です。ただ、生徒によっては向き合ってあげた方が効果的かもしれないので、こちらも生徒の様子を観察しつつ話を聞いてみることにしました。なだめすかしてかわしつつ、という感じで。あとは担任の先生にも報告しながら、妨害がひどいようであれば生徒指導に上げてもらうことも検討する必要がありそうです。
生徒の観察というのは重要だな、と再確認することになった出来事もありました。板書をするために黒板の方を向くと、生徒は決まっておしゃべりをし始めるのですが、全日の方は小集団がぼそぼそ個別に話していて、定時の方は全体で一つの話題について盛り上がっていることに最近気づきました。あまりクラス替えもなく、合同授業になることも多い定時では、男女分け隔てなくみんなが仲良くしています。それはそれで良いことなのですが、授業中にふざけ始めると収拾がつかないことも多いです。そのため重点的に指導すべき生徒を洗い出してみたのですが、うるさくて目立つ生徒は「嫌々反応しているだけ」であるようだ、と感じるようになりました。どうやら一人か二人の生徒をターゲットにして、それをクラス全体で煽っている様子でした。そのため「ターゲットになっている生徒を悪者にしない」ことを自分の中で決めました。
何をやるのかわかるまで付き合う、手を変え品を変え何度も指示をする、ヒントを出す……などのサポートを手厚くして、決して誰も落ちこぼれさせないように……と、今日決意したところです。
中学生でも一人、学級内でいじめに近い状況に遭っている生徒がいます。男の子だけのクラスだと、出来ないことがあるとストレートに否定の言葉が飛んでくるので、陰湿さと言うよりは言葉の鋭さにこちらの身が切られそうな思いです。その子も宿題に手がつかない、学習に意欲が持てない、などの課題を抱えているのですが、私が諦めたらその子の将来が閉ざされてしまうので、辛抱強く付き合うことにしました。
3年生は12月でおしまいだとは言え、まだ1ヶ月半あるので先は長いですが、生徒と適度な距離感で接していきたいと思います。

協力関係を築く

また、ほかの先生方と連携する術も身につけ始めました。漢字テストの進捗、授業の様子、実践の工夫など、様々な先生のお話を伺いながら、自分でも取り入れられるものを見つけたり、足並みをそろえたりしています。特に定時や中学校では教師の人数も少ないので、結束力が強いです。皆さんとても優しくしてくれますし、アドバイスもたくさんしてくれます。そのため横並びにも慣れてきたのが最近の私の実感です。最初は自由にやれないのが嫌でたまらなかったのですが、最初に「こうするといいよ」と「型」を与えてくださる先生がいらっしゃることで、私の中でも方針が決まりやすく、何より指導のムラを減らすために情報交換する過程で自己研鑽に繋がる機会を得られるな、と思うようになりました。研修もろくに受けさせてもらっていないので、何から何まで自己流なのですが、それでもこの間は中学部の先輩が授業を見てくださって、「よかったですよ」と褒めていただけたり、定時の先輩がうるさい生徒を監視すべくクラス巡回をしてくださったりと、情報共有による恩恵にも与っているので、横並びもそんなに悪いものじゃないな、とすっかり丸くなりました。「守破離」で言えばまだ私は「守」の段階なので、先輩から頂戴する指導の仕方についての助言や授業のすり合わせから「自分の授業の型を作ろう」と思っています。

実践報告「入試問題で読解力向上」

最後に実践報告を。
東大の過去問題「歴史を哲学する」と東京学芸大の過去問題「デジタル資本主義」の実践が終わりました。
それぞれ、かかったコマ数は4~6コマ程度。3週間で終わりました。まあ、漢字検定や小論文試験の対策をする関係で巻きに巻いたのですが、結果的に足並みがそろったのでよかったです。あと、板書や指導内容をコンパクトにまとめたほうが要点がとっ散らからないので、テストでもポイントを絞って問いやすいなと考えています。それについては後述します。
授業の内容は、生徒に空欄を穴埋めしてもらう形で板書を作り、要所で解説を入れ、まとめとして毎週リフレクションシートの記入をさせました。最初は論理的な文章を書くのに苦戦していた生徒も、書き方のコツを添削してあげると結構習得してくれました。ただ、添削が個別で、40×3クラスだったので、かなりつらかったです。非常勤じゃないとできないですね。
添削しながら論理的文章を書き、それを使って授業の内容を「じぶんごとにする」という目論見は、わりと達成できた気がしています。生徒の中にも「教科書よりプリントの方がしっくりくる」という子がいて、選んだ甲斐があったなと思いました。
「じぶんごとにする」ためには、一度書かれていることを自分の脳内で解釈しなおす必要があります。その助けになるのがリフレクションシートの記述であり、学習言語の習得と読解力の向上のために自分で「命題化する」ことをさせたことの効果だと考えています。
それでも真面目にコツコツやる生徒と、そうでない生徒の間で相当な力量差が生まれているので、模試や定期試験でその壁にぶち当たってもらいたいです。謙虚にならねばならない、私も、彼らも。
「歴史を哲学する」「デジタル資本主義」の両方とも、最後の1コマで章末問題の形式で演習をさせたのですが、そこでの作問・本番のテストでの作問でも、研究会に参加した成果をしっかり発揮できました。生徒が見事に引っかかるポイント(言っている内容は正しいけれど因果関係がおかしかったり、述語が否定になったり肯定になったりして真逆のことを言っていることに、生徒はなかなか気づかないということ)を身をもって知りました。こんな私の見え透いた手にも引っ掛かるとは……読解力をつけよう、というテーマでやっていたのに大丈夫か? という生徒もちらほらいて不安になりましたが、今後彼らの成長を見守っていくということで。
テストで設問に一貫性を持たせ、流れの中で解けるようにするためには、私自身が選んだ文章を端的に表現したり相互の関係を理解している必要があります。その一助になるのが板書をミニマルにまとめることでした。どうしても「あれもこれも」と問いたくなるけれど、的を絞って「これだけは!」とやらせた方が定着度をみとるのにはふさわしいようです。
この授業で気を付けたのは、授業のスピードです。彼らは「聞きながら書く」ことができません。書くことに集中してしまって、解説の内容がまるごと頭の中からすっぽ抜けてしまうのです。そのため、書くところ・聞くところでセクションを分けました。それによって睡眠学習を始める生徒も中にはいましたが、ついてこられない、という声はありませんでした(3年生には「速すぎる」とクレームを頂いたのでいまでも気を付けています。熱が入るとやたらとしゃべって書いてしまうのですよね、まさにオタクしぐさ)。

授業をすることでしか私も生徒も成長できないから、また来週から教壇に立っていろいろな発見をしていきたいです。最後に今週の振り返りを。それでは、また。

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