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TRPG勉強会2024 報告 ver.1.4

完全に初心者の方が、勇気を出して参加してくれました。

初心者にどう説明するか

今回はエモクロアTRPGの書き下ろしで遊んでもらいました。
1人用のオープンエンドものです。
キャラメイクの時間を省くため、能力値のみ事前に振っておき、性格づけのアドバイスをしたのですが、どうやらそれが裏目に出たようで……。
「精神値の低いキャラ=メンタルが弱い」と解釈するのは、間違いではないけれどもそこに縛られすぎてしまったかな、という印象でした。
私が性格の解釈に対する「別の可能性(びっくりしやすい等)」を見せるべきだったと反省しています。
動画でTRPGを知っているけれどやったことはない、という初心者さんだったので、ある意味で児童生徒と同じ立場だったのですが、終了後に「面白い!」という感想を頂戴したことが救いでした。

安全性と没入感とエモさの演出

エモクロアTRPGは基本的に「感情」に訴えかける世界観(システム)です。
プレイヤーやキャラクターの感情が揺れる、葛藤する、そういう演出をより多く盛り込むことが、シナリオ制作上のポイントになると再確認しました。
初心者だからこそ共鳴判定も多くしてスリルを味わうのもアリです。
でも、そこで「安全性」を担保することがとても難しく、けれど一番大事だとも感じました。
今回は死を扱うシナリオだったので、ハッピーエンドにはなるものの途中で苦しくなる児童生徒もいるかと思います。
だからこそ慎重になりつつも、他者へ一定の理解を示すこと、そして自分の中にある感情に向き合うことが「エモクロアは道徳の教材向き」である理由なのかもしれません。
今回はキャラメイク時に失敗(※これは全てディーラーである星野の失敗)がありましたが、そのときにプレイヤーの方がおっしゃった「わからない」という言葉がとても印象に残っています。
演じる本人は「行動してから考える」タイプの人間だけれど、自分が演じているキャラは「考えてから行動する」タイプだから、普段と違う脳の使い方をしたのだろう、といったお話があり、だからこそ「演技するって難しい」と感じたそうです。
もう10年も遊んでいる私は、息をするように設定を生やし、隙あらば延々と脱線するようなプレイスタイルになってしまったので、己の演じ方を改めて見直すきっかけにもなり、かつ前回のプレイヤーさんが話していた「自分と違う考えって予想がつかない」というご意見がおそらく初心者の抱く感想で一番多いのかな、とも思いました。
没入した、でもキャラの内面はわからないまま、という感覚をどう昇華していくかについて、私はもっと考えなければなりません。

わからない、に立ち向かうために

学校でも塾でも言っていますが、別に分からないことは悪ではありません。
むしろ何かに対して「生半可な知識なのに知ったような顔をする」ほうが、どちらかと言えば厄介です。
自分が理解しきれない、納得できないことは現実世界でも山のようにある、でもそこから目を背けず、分からないなりに向き合うことを促すことが私の目指す実践の在り方なのだ、という気付きを得ました。
次の勉強会に向けて「理解しきれないものをどうするか」というテーマでもディブリーフィングを実施したいです。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。