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教壇に立ち続ける 69 中学国語の教材研究そのいち~夏の陣~

夏休みに入りました。どうも星野です。ねむねむでも執筆はするしTRPGもする、それが私……! 今回のお題は「中学国語の教材研究」です。古典と短歌をどう教えるか、私なりに考えたものをお示しします。これからの順序としては、中学→全日の高校(古典)の予定です。8月の定期更新日は火・土(今日は昨日の分を消化しています)。いいなと思って頂けたらサポートをお願いします。minneとFantiaはこちら。夏物もたくさん入っているのでぜひ! この間推しにこのハンドメイドの活動について「ほぼ慈善事業」と言ってしまって自分で悲しくなりました! 買ってください!

はじめに

この学年は「考えて感じる」ことはできても「適切な形式で表現し、テストで点を取る」ことが苦手です。授業はすんなりいくのにテストはボロボロだったのが1学期で、ここからどう学習したことを定着させるかが重要になると考えています。授業中に生徒が思いつきで話すのを、論理的に考えて答えを出す方向に少しずつでも変えていければ御の字です。授業時間数はそれなりにありますが、行事がどうなるか、そしてこれ以降学校は休校にならないのか等イレギュラーな部分も出てくるかと思いますので、暫定のものを作成しました。そのため結構短めです。それがもしかしたら定着に繋がらない原因で、よくないのかもしれませんが……。
教材は夏休みの課題にもなっている「短歌」、そして本来既習事項となっていたはずの「古典(枕草子・徒然草)」のふたつ。生徒は韻文について1学期に学習しているので、その復習もしながら進めます。一方古典は自力で読むのも難しいので、詳しく解説しながら興味を持たせていけたら、と考えてこの指導案を立てました。古典と短歌の単元を独立させず、それぞれつながりを持たせるために百人一首なども紹介していく予定です。

短歌を楽しむ

教材の構成としては、鑑賞文がついている三首と、何もないまっさらな五首が掲載されています。鑑賞の仕方を学んでほしい、批評する精神の基礎を養ってほしいと思っているので、鑑賞文を読んで解説をしたあと実際に自分でまっさらな五首を解釈していく時間を1コマ取ります。そのためだいたい3~4時間で完結させるつもりです。ただ、短歌の制約だとか句切れだとか、そういう知識の定着を確認するために小テストなどを入れるとするならもうちょっとかかるかもしれません。そこはタッグを組んでいる先生と一緒に考えていくことにしました。(先輩方に相談をきちんとしないで授業をやると、横並びを気にする関係で痛い目に遭います。ソースは私。)
短歌はさすがにテストにも出しづらいと推測されるのでそんなに時間はかけませんが、1学期の学習内容と連動しているので復習を兼ねて扱います。時間の割り振りは、まずは鑑賞文を読みながら、短歌についての基本的な知識を得ていく。その次に自分で気に入った短歌を解釈する。この二本立てでいきます。短歌はそれぞれ読みやすいもの(あるいは読みにくいもの)があるでしょうから、私が講釈を垂れるというよりは個別に指導しながらその生徒の読みを確認していく方針です。句切れ、字余り、字足らずなどの基礎知識は毎回くどくしつこく復習していきます、そうでもしないとおそらく定着しないので。あとは活発に発言する生徒が偏っていて、どうしてもその子中心に授業が進んでしまうので、できるだけ多くの生徒から質問を受けたり雑談を交えたりして授業を進めることに留意します。
短歌だけではつまらないなら百人一首で遊んだり、アニマシオンを取り入れたり(声を出すので感染リスクを減らすことも考えなければなりませんが)、活動の幅を広げていく所存です。アニマシオン的な発想を使ったワークシートも作成しました。

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古典

この単元は日本三大随筆である「枕草子」と「徒然草」のふたつの比較・内容の吟味を主眼として設定された単元です。
それぞれ随筆という同じジャンルに位置づけられていますが、全く内容が異なるので、前述の通り比較――成立背景の違いや内容の違いなどに目を向けさせることを目指します。高校で扱うようなハイレベルな話もしていきたいのですが、彼らの学力でどこまでついてこられるか少し不安です。発達段階も考慮しながら話す内容を選ぶ必要がありそうだと考えています。「春はあけぼの」に隠された意図の話をしてあげたい(山本淳子先生の「枕草子のたくらみ」などをふまえたものをかなりざっくりと、そしてかみ砕いて伝えたい)。ここは私の腕の見せ所だと思うので、板書もきれいに書きながら、古典の面白さに気づいてもらえるように授業をしていくつもりです。古典は「その国の歴史」なのだから、もちろんナショナリズムと切り離すことはできませんが、現代の文化を作り上げるのに大きく影響しているものでもあります。だからこそ現在花開いた文化・今使っている言語の根っこを掘り下げていく授業にしたいなと思っています。
順序としては、最初に枕草子を扱います。章段がふたつあるので、それぞれ読み比べをして、清少納言の描写の特徴を把握します。清少納言が何のために枕草子を書いたのか、だとか、紫式部との違い(「萩の上露」の逸話)についても触れたいと思います。また、随筆文学の最高峰がおそらく「枕草子」だと思うので、現代との相違点・類似点を示しながら、読み継がれてきた理由も考えさせたいところ。どこまで興味をもって聞いてくれるか未知数ですが、私の楽しさが伝播していけばうれしいです。
その後徒然草に移り、内容の違いや背景の違いを説明したうえで、「仁和寺にある法師」の逸話を読み解いていきます。ここも問答の形式をとりながら、図解して理解させる予定です。最終的にはどちらの随筆が好きかだとか、古典を学ぶ意義というところまで考察をもっていけたらいいなと考えています。生徒の負担になっていそうですが、負荷のかからない学習は無意味だと思っているので、とにかく考えさせて書かせる授業にしていきます。時間数は5~6コマを予定。

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自分が楽しくなかったら、きっと生徒も勉強を楽しめないと思うのです。これは先輩にも言われましたが、とにかく生徒とコミュニケーションをとる、褒めて伸ばす。そんな風に進めていきたいと思っています。それでは、また。

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