水が使えない。
すでに他界したおじいちゃんが90歳の時に書いた手記によると、この家は江戸時代文政6年に建てられたらしい。200年に少し届かないくらいの建物であるという所までわかってきた。
3世代分の溜め込まれた家財を通いでの片づけはほぼほぼ終わり、この場を人が集まる場所にする方向でいろいろと進めてはきましたが、ここにきていくつかの問題点が出てきました。
この地域は市の水道が整備されておらず、地域の方々が過去から現在まで尽力されて生活に使う水を組合を作って管理されてきました。このお水を使うには水道組合に加入し加入金と年間の使用料を払うことになります。
ところが昭和64年に改定されたこの組合の使用規定に「商業目的では使用できない」とあると言う事です。水道組合や組の方々とお話したのですが、水道組合に入ったあと水道組合総会において組合員の承認があった場合、商業目的でも使用が認められる可能性もあるとの事。しかしながら水の量が少ない事などもありそのニュアンスはかなり厳しいものでした。
市の水道は上の地域までは整備されているそうですが、コロナや予算の関係でだいぶ遅れているそうで、この地域まで整備が完了するのは、あと5年ぐらいかかるのはないかとの事です。
家の前の国道を挟んだ向かい側は違う水道組合なのですが、こちらは水量に余裕があるとの事で加入金を払えば商業目的の使用も許可されるとの事らしいのです。こういった状況を聞くにつれ水の管理は、本当に地域事情に大きく左右されるのをつくづくと感じます。
私たちの考える「人の集まる場所」とは宿だったり店だったりするので、すなわち「商業目的」になってしまいます。多額の水道組合の加入金を払っても使えない可能性があるとなると、井戸を掘るという事を考えざるをえなくなってきました。幸い敷地内には井戸の跡があり費用面は別として可能性はありと考えました。
井戸の可能性を探るべく現調、見積を取る事に。今までは組長さんや区長さんのお計らいで、週末の片付けぐらいで毎日生活しているわけではないので使用させていただいていました。井戸の可能性を確認するまで、水道組合に加入するのを保留する事を申し出たところ、水道組合に加入していない状況になりますので水は止められる事になりました。致し方ありません。今までの計らいがむしろありがたいくらいです。
今後、飲料水はペットボトルの水で対応。幸いな事にトイレは汲み取り&簡易水洗だったので雨水や川の水で流せば今まで通り使えます。また、敷地内に流れる用水のお水は山から流れてくるお水で飲料には適しませんがかなりきれいで、お掃除用のお水はこれを拝借します。食事は洗い物を発生させない工夫で乗り切ります。一番活躍しそうなのはコンビニのお惣菜たち!特にセブンイレブンのお惣菜はよくできているなぁと改めて思いました。
大抵は一泊なので、お風呂は入らなくてても大丈夫!死なない。どうしてもどうしても入りたかったら温泉に行きます。誰かの車でになりますが。。。それに夏でなくてよかったとも言える。
エコ&隙間風だらけのお家なので家の中でもアウトドアライフ的な感じに突入です。考えようによっては災害時に向けての訓練とも言えます。この家が建った頃のお水事情もかなり苦労したと思います。家が建った頃を想像しつつ、蛇口をひねれば水が当たり前に出る事に改めて感謝です。
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