宇宙の記憶と未来

星を見上げるという行為、それは私たちの起源を思い出す瞬間だ。

宇宙はただの遠い存在ではない。

それは私たちの中にあり、私たちを形作るものだ。

私たちが呼吸する酸素は、かつて星々の内部で生成されたもの。

私たちの身体を構成する元素は、宇宙の大爆発によって散り散りになった破片だ。

宇宙の歴史を遡ると、最初の星が生まれた頃、光がこの暗闇の中を旅し始めた。その光が今、私たちの目に届く。

つまり、星空を見つめることは、過去と向き合うことでもある。

では未来はどうだろうか？宇宙の中で私たちは何を見出すのか。AIが惑星探査を行い、人類が火星に移住する未来が現実のものとなる時代が迫っている。その一方で、夜空を見上げる私たちの感覚—その原始的で人間らしい行為—は、何世紀にもわたり変わることはないだろう。

星々は私たちに語りかけている。

「君たちの存在は私たちから始まった。そして君たちの未来も、ここにある」と。

星見 透