
二度と買わないものリスト【ほたての開運習慣】
昨年あたりからちまちまiphoneのメモ帳に書き溜めているものがある。
「二度と買わないものリスト」である。
二度と、と枕詞がつくとなにやら憤りを感じる。
物騒な感じもするが購入した商品に対しての不平不満の念を込めているわけではない。
何度も性懲りもなく誤った買い物を繰り返す自分への戒めとして「二度と」の三文字がこのメモの筆頭に仰々しく付け加えられたのである。

誤った買い物とは例えばお菓子のチョイスで度々散見される。
お菓子というのは知らぬうちに味、食感、サイズ感などがリニューアルされがちである。しれっと変わっているから油断ならない。
サイズ感はともかくとして問題は味である。
幼少期によくおやつに出してもらっていた懐かしのおせんべい(〇の〇)をスーパーで見かけて急に食べたくなりほとんど反射で買い物かごに入れる。
家に帰ってわくわくしながらビニールの包装を破りかじりつくと
記憶のなかのせんべいと味が違っている。
記憶より甘すぎたりしょっぱすぎたりする。
悲しいかな加齢で味覚が変わったのかとさめざめしながらTwitterを開き念のため検索する。
「〇〇せんべい 味変わった」と…。
ついったらんどには私と同じ感想を抱いた同志がまあまあ存在すると知り、
謎の安心をおぼえると同時に加齢以上に受け入れたくない仮説が確信めいてくる。
そう、お菓子の味自体が変わったのだ。
何故すでに満点においしいお菓子の味をリニューアルする必要があるのか私にはわからない。
もともと使っていた原材料がコストがかかりすぎていたとか、さらに美味しくしようという企業努力なのかわからないが、単純に私は寂しかった。
あの味はもう味わえないのか…無念である。
そしてしばしの間昔を懐かしみ、虚無の表情で2袋ほどたいらげる。
これがたった一度のことであるならいいのだ。
賢明な読者諸君はもうおわかりであろう。
そう、私はスーパーで懐かしの商品を見つけ、帰宅し、味のリニューアルに気づきうちひしがれ、不本意なカロリーを摂取するという一連の流れを
もう何ループと繰り返しているのである。
しかも同じ商品で。さらに恐ろしいことにそういったループの引き金になる心惹かれるアイテムはそのおせんべいだけではないのだ。
仮に5つあるとして、ひとつにつき3ループはしている。
こうなればもう映画版きさらぎ駅も真っ青である。(ネッフリで観れます。面白いです。)
帰ってきて間違いであったと気づくまでの一連の流れが30分だとすると
5×3×30分=450分
つまりなんと7.5時間も今まで無駄に過ごしてきたことになりゅ。いまはじめてちゃんと計算したけど思った以上に時間無駄にしてましたね。動揺してタイピングで噛みました…。
私が私自身の愚行に憤りをおぼえメモを作成するのもご理解いただけたことであろう。
そういえば小学生の頃、担任の先生に「このトリ頭!」と罵倒されたことがあったっけ‥毎日宿題を忘れた自分でもミステリーな週があって黒板の前で怒られた。昔の人は「鶏は3歩歩けばすべて忘れる」と思っていたらしく、忘れん坊を罵るときトリ頭といったそうです。鶏にも言われた人にもめちゃくちゃ失礼な最悪な悪口です。3歩どころか25年経っててもおぼえているぞ。起こったかんな。許さないかんな。(ry
いまの時代だとなんらかのハラスメントにひっかかるのは確実です。今野先生、命拾いしましたね。
とはいえ、先生がそのように言いたくなるのも無理はないこの体たらくです。
私ほどの頻度で誤った買い物に時間を溶かしてしまうひとはそうそういらっしゃらないとは思うが、
無駄なことに時間を使って後悔しないに越したことはない。
一度目の失敗は勉強だから何も恥じることはない。
けれども二度、三度まったく同じ過ちを繰り返すならそれはやはり怠慢である。金も時間も溶かしている。これは反省しなければならない。
そう自分を戒め今日もまたiphoneのメモ帳を開く。
そういえば、このメモには有限な未来の時間を無駄にせず、お金も節約できるかもしれない以外にもうひとつ良い効能がある。
むしろこちらのほうが重大なことかもしれない。
頭のなかに空き容量、余白をつくっておけるのである。
日ごろから買い物の選択に限らずメモに頼りっきりの私は、メモに託しておくことは脳を休ませストレスを軽減することにつながると実感している。
先述の買い物のようにたまにしか意識しなくてよい些末なことを常に頭に置いておくのはやはり疲れる。どんなひとも疲れると思う。
記憶力に自信があるようなひとはなおさら、多くの情報を詰め込んでおけるから、可能な限り詰め込もうとしてしまうかもしれない。
そういったひとは出来てしまうから目の前のものを気前よく抱え込んでしまうのだと思うけれども、それは処理できるというだけで、負担がかかっていないというわけではない。
よく“頭のなかが忙しくて…”とか“色々とやるべきことはわかっているんだけども、何から手をつけてよいかわからなくて困っている”というようなご相談をいただくけどもそういったときにもやはり一度紙(スマホでも良いが紙のほうがいいらしいです)に書き出してみることをお勧めしている。
私なぞは「やりたいことが多すぎる病」を自称するほど常に頭のなかがしっちゃかめっちゃかであるが、それでもちょっとしたことはメモに託すことで
かなり気持ちが落ち着くようになった。
余計なことを憶えていようと気を張っていなくてすむのでリラックスしてそのとき、その瞬間だけに集中しやすいのだと思う。
こうやって書いているとこれまで作ってきてよかったナーと思えるメモ(リスト)というのがほかにもまだまだある気がする。
また折々に紹介したいと思っている。
もし私のように頭のなかがパンパンで気が休まらないという方がいらっしゃればだまされたと思って試してみていただけたらと思う。
お買い物ライフがほんのすこし快適に、満足感が高まることをお約束する。