キングオブザヒルで球速を上げよう
この勢いで野球をやりたいマーモットです。
※今回は長い(2000字以上)ので2部作です。
野球界には「下半身で投げろ!」という指導があり、逆に下半身を使えていない投げ方を「上手投げ/上半身投げ」と呼んだりしています。
その言葉を野球関係者はほぼ知っているとして、「下半身を使う」とはどういうことなのでしょうか?例えば子供に「下半身を使うってどういうことですか?」と聞かれたら、その答えは指導者によって変わってくるのではないでしょうか。
マーモット自身として、下半身を使って投げることの定義は2つに分けています。
・軸足がプレートを強く押し込めている。
・踏み込み足のブレーキがかかっている。
以上の2つです。僕は軸足と踏み込み足がどのように使っているかに焦点を絞ります。
イメージしやすいもので例えるとしたら、車のアクセルとブレーキでしょうか。車で走っているときに急ブレーキをかけたら身体が前につんのめります。その時、仮にシートベルト&フロントガラスがないとしたら、急ブレーキによって運転手は前方に吹っ飛ばされるでしょう。この時の運転手が吹っ飛ぶ距離は走行スピードと急ブレーキの強さに比例します。これを投球に置き換えると、アクセルが軸足の押し込みで、ブレーキが踏み込み足、運転手が上半身(腕とか手とか)になります。このように、下半身のてこの原理を用いて上半身を速く回旋できるようになろうというように指導しています。
メモ:「腕を振る速さ(ARM SPEED)が速いほど、球速も速くなるんですか」という質問を受けますが、あまりYesと言い切れないんですよね。ある程度の球速までと腕の速さは比例するらしいですが、130k/hぐらい(忘れた)からはあまり関連が見られないらしいです。あと「腕を速く振ろう」と意識されると故障しそうなのであまり推奨はしていません。
というわけで、強い球を投げたいのなら下半身を使って投げる必要があるよねという話と、「下半身を使う」ってこういうことだよという話をしています。特に軸足のトリプルエクステンションと踏み込み足のブレーキが重要で、それを強くするには下半身の柔軟性と筋力がスゴイ大切なんだよということも併せて話します。
それならまずはストレッチとトレーニングですね。股割で肘が地面に付かない者は投手失格です。グラブより先にヨガマットを持ってこい!
それがある程度できてきたら軸足と踏み込み足の「使い方」を学んでいきましょう。
軸足の使い方を覚えるトレーニングにはキングオブザヒルを使っています。
この聞き慣れない「キングオブザヒル」ってなんやねんという話なのですが、まずは実物をご覧ください。
このように使います。
ご覧の通り、投手プレートのような器具です。だったら普通に埋まっているプレートを使えばいいんじゃね?となるのですが、キングオブザヒルにはちゃんと狙いがあるのです。その狙いについては、いつものレジ―スミスベースボール様のHPから商品の説明を引用します。
このように、キングオブザヒルは「音が鳴るプレート」です。しかもただ鳴ればいいのではなく、2回鳴らないといけないようです。実際に使っている様子はこちらの動画をご覧ください。
この道具を使う最大の目的は「軸足が地面反力を使えるようになる」ということです。下の画像にある文字をご覧ください。
「Increased GROUND FORCE = Increased POWER!」と書いてあります。直訳すると、「地面反力を増やすことは力を増やすこと(と同じ)だ!」という意味でしょうか。GROUND FORCEを地面反力と訳すのは少し語弊があるかもしれませんがご容赦ください。このプレートを押すという動作も、踏み込み足でブレーキをかけるという動作も地面反力がカギとなります。キングオブザヒルは、軸足が地面反力を活かしてホーム方向に強く推進できるようになるための機器であるともいえるでしょう。
雑記:地面反力をご存じでしょうか(ご存じの方は読み飛ばしてください)。地面反力とは、地面へ力を加えると地面とは反対方向に力が返ってくるという現象です。地面ではありませんが、例えばキャスター付きの椅子に足を浮かせて座っているとします。その状態で壁を思いっきり両手で押したらどうなるでしょうか?おそらく壁とは反対方向に椅子がシャーっと動くはずです。壁に向かって力を加えたのに、それとは反対の方向に作用することを反力と言ったりします。地面反力とは、さっきの「壁」が「地面」に置き換わった用語です。特に垂直飛びがイメージしやすいかと思われます。先ほどの椅子の動きと原理は全く同じで、力を加える方法が両手から両足になって、力を加える方向が横から下になっただけです。
今回はここまでです。
次回、このキングオブザヒルの使い方についてお話します。