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価値観を劇的に変える大きな出来事
そう、それは1月17日阪神大震災の日。
私は友人宅で就職活動の準備をし、ひと休みのために温かいコーヒーを飲もうとしていた時でした。
正確には飲んだのか飲む前だったのかは覚えていません。
激しい突き上げがあり、私は「あぁ地球が終わる」と思いました。
初期の激しい動きと音が落ち着くと、揺れる中でも私と友人は意外と冷静でしたが、状況が深刻であることを知るのは午後になってからでした。
たまたま電話が繋がり、当時アルバイトをしていたダイエー六甲道店の若い女性社員が亡くなったことを知りました。
何度も話したことがある子です。
結果的には仲良くしていた神戸大学の男子学生と前日夜に「お疲れ様です」といつものように挨拶した仲良くして下さっていたパートさんも命を落とされたことを伝え聞きました。
電車が動くまではとサークル仲間でひとつ屋根の下に集い、小学校に水を汲みに行くなどして数日を過ごし、やがて姫路方面から日本海側~京都を経由して実家の大阪に戻りました。
命とは?地球とは?何故生まれてくるの?これからどうやって生きていくべきなのか?
就職活動を続けながらもこんな事ばかりを考えて生きていました。
幸いダイエー時代の上司に恵まれ、私は小売業に携わることを目標としていましたので、そこでのブレはありませんでした。
しかし、どの企業に行きたいのか?強い情熱を抱く企業はありませんでした。
当時人気だったJUSCOの筆記試験をパスし面接に招待されても結局行かず…
という状態で5月6月と過ぎ、周りの友人は内定を次々にもらっていました。
そしてついに7月から8月までは一切の活動を辞めてしまいました。
明確な目標を失っていたのです。
しかし、ある企業が目に留まり調べるうちに、私が当時理想としていたアメリカの小売業との企業理念と重なり、情熱が蘇ったのです。
阪神大震災以降はっきりしなかった自分のビジョンが見え、世の中の価値観を変える可能性のある企業に身を置き、当事者として主体的に参画することで自分の命が、価値が活かせるはずだと確信しました。
ここの企業を受けよう!絶対に受かろう!
ここを落ちたらもう就活なんて知らないぞ!
それまで生きてきて、自分の意思が初めて明確になった瞬間でした。
大きな未曾有の体験がなければ今の自分はありません。
そんな日のことを良く覚えています。