田舎の女の子だって、プリキュアになれる!―『スター☆トゥインクルプリキュア』で成瀬瑛美が見せる「キラやば~っ★」な希望―
2019年2月3日スタートの、プリキュアシリーズ第16段『スター☆トゥインクルプリキュア』。
その主人公、星奈ひかる(キュアスター)を演じるのは、成瀬瑛美というアイドルだ。
アイドルがプリキュアの主人公?と訝しむ読者にこそ、成瀬瑛美について知ってもらいたい。きっと読後には「キラやば~っ★」と叫んでしまうだろう。
成瀬瑛美って、誰?
成瀬瑛美はアイドルグループ「でんぱ組.inc」に、メジャーデビュー以前から所属している。まさに初期メンバー。愛称は「えいたそ」。イメージカラーは黄色。
成瀬について、そして、でんぱ組.incについて語るにあたり、欠かせないのが『W.W.D』。2013年に発売された昔の曲ではあるが、成瀬自身や、でんぱ組.incの自己紹介的な内容なので、まずはこれを聴いてもらいたい。
『W.W.D』では、当時のメンバーの過去、現在、そして未来について歌われている。作詞・作曲担当は、ヒャダイン名義でも活躍している、前山田健一。
メンバー一人一人が、過去の自分について吐露する歌詞は、かなりインパクトがある。"いじめられ 部屋にひきこもってた(古川未鈴)"から始まるアイドルソングなんて、そうそうお目にかかれないだろう。
現在は卒業した、最上もがの"両手じゃ足りないから ファンクションキー足で押してた"も、相当なネトゲ廃人であった過去が伝わる、強烈なものだ。
では成瀬はどうか。成瀬が歌うのは、"アニメ マンガ 田舎で憧れてた 聖地・アキバ 私 ここで生きてます"。
成瀬の出身は福島県だ。そこから、二次元の世界が好きで上京してきた女の子。
正直に言おう。他のメンバーの過去に比べると、かなり普通だ。
アニメやマンガに関われることを夢見て上京する少女は、今の時代、少なくない。
成瀬は、今でこそ、大きなステージを湧かせるアイドルになったが、『W.W.D』の中では、割と「どこにでもいる普通の女の子」な印象を受ける。
普通の女の子、というと否定的な意味に感じられるかもしれない。しかし、言い方を変えれば、「私たちと一緒」なのだ。成瀬は、夢を抱き上京してきた女の子の、「代表」なのだ。
成瀬はプリキュアになりたかった
成瀬は、本人の公式ツイッターで、「プリキュアになりたい」という発言を繰り返してきた。
確認できた最も古い「プリキュアになりたい。」という発言は、2013/5/11。
それから約6年後、成瀬はオーディションを勝ち抜き、見事、「大好きなプリキュア」になることとなった。
東映アニメーションの公式サイトでも、成瀬はプリキュアへの愛を語っている。
田舎から上京してきた、アニメやマンガ好きの普通の女の子が、全国の少女たちの夢や希望や憧れである、「プリキュア」に、なるのだ。
成瀬のことを、この記事では、普通の女の子と書いているが、成瀬は「努力を重ねて、夢を掴み取った」普通の女の子だ。
普通の女の子でも、努力次第で、プリキュアになれる。それを成瀬は証明してくれたのだ。
でんぱ組.incがまだメジャーデビューしていない時代の歌で、『Future Diver』というものがある。
その中の歌詞に、心を打たれる。
"夢で終わらんよ I'm ふゅーちゃーだいばっ
まちがっても逃げたりしませんよ
夢がいけないね 素敵だもん
おいで…来なさい…! きっと…
未知なる絵になる更なるセカイハッケン"
この歌詞の通り、成瀬の夢は、夢で終わらなかった。成瀬は逃げずに、"未知なる絵になる更なるセカイ"を、自らの手で、発見したのだ。
成瀬瑛美が、そして星奈ひかるが、キュアスターが、今後どんな"未知なる絵になる更なるセカイ"を発見してくれるのか、見逃せない。
それはきっと、いや、絶対に、「キラやば~っ★」なものに違いない。
2月3日の放送開始が楽しみだ。
【了】