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小児がん闘病②〜「口から入ればなんでも栄養」

東京での治療は放射線に決まりました。
新生児の頭サイズにまで大きくなった首の腫れ物を、まずは放射線で小さくする。
大き過ぎること、そして何より首にはたくさんの神経がはしっているので手術で取るのは難しかったようです。

首の照射部位には「+」がつけられました。
リニアック室では寝台に一人。放射線照射中は絶対に動いてはいけないので身体を軽く固定されます。患部以外を放射線から守るために重たい鉛のカバー(たぶん)で胴を覆われていたような記憶も。
治療自体は痛くはないんですけれど、何とも言えぬ不安と心細さがあるんです。それをやわらげるように室内には「エリーゼのために」が流れていました。

放射線の照射回数が増えるにつれ、口内炎や飲み込みにくくなるという副作用が出ました。
不思議なくらい何を食べても美味しくなく、とにかく食事がつらい(T_T)

「口から入れば何でも栄養です」

K先生は母に、とにかく食べたいというものを食べさせてくださいと仰いました。

ハンバーガーが食べたいとおねだりして、母が隣町まで買いに行ってくれたことも。
そんなフットワークの軽い母を見て、周りの方は「地元の方なのかしら?」と思っていたそうです。


食べることが一番大切な「仕事」だったあのころ。食べることが楽しいと思える日がくるなんて、全然思えなかったなぁ。
食事が美味しいかどうかーー今もそれが元気のバロメーター。
そしてご飯のおかわりをグッと堪える今日この頃です♪

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