ケンブリッジは、ただの街ではない。
偉人たちの足跡をたどりながら、自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれる場所だ。
イギリス東部のこの美しい街は、800年以上の歴史を誇るケンブリッジ大学を中心に、特別な雰囲気を醸し出している。
石畳の道を歩けば、歴史の足音が聞こえる。
アイザック・ニュートンやチャールズ・ダーウィンが学び舎とした建物がそびえ立ち、ゴシック建築の壮麗さが視界を埋め尽くす。
川でボートに揺られながら見る大学の風景は、美しく、とても静かだ。
この記事では、魅力溢れるケンブリッジについて、滞在した時の実体験と共に紹介する。
言葉では表現しきれない居心地の良さを感じた1日だった。
ケンブリッジの概要
ケンブリッジは、イギリス東部に位置している。
約800年の歴史を持つケンブリッジ大学を中心に発展したこの街は、古くから学術と文化の中心地として世界的に知られている。
以下は、ケンブリッジの基本情報と特徴だ。
言葉では上手く表現できないのだが、冬のケンブリッジには洗練された静けさと格式を感じる。
こればかりはそこに行かないと伝えられない感覚だ。
観光モデルプラン
以下は、AIで作成した1日の観光モデルプラン。
参考になるかもしれないため、一応貼っておくことにする。
自分はこれをアレンジしながら街を探索した。
文字だけ書いてあっても街のイメージが掴めないと思うので、ここからは実際に訪れた場所を時系列でまとめてみようと思う。
実際の観光時の様子
早朝
以下が実際に訪れた時の写真だ。まずは早朝の街の様子から。
朝は凍てつくような寒さ。数日前に雪も降ったそうで、街中に少し残っていた。自分は前日までギリシャのアテネにいたため、温度差で身体がおかしくなりそうだ。
大学の施設は10時に開くそうなので、時間を潰すためにカフェでアフガンティーをいただく。
味はミントティーに近く、店員さん曰くモロッコのミントティーと似ているらしい。アフリカ料理のお店が周辺に多い。
お茶を味わった後は、大学を目指す。
道中、市内の公園にクリスマスマーケットができていた。
以下の記事にも書いたが、冬になるとイギリスの至る所でクリスマスマーケットが作られるのが面白い。
夕方再度偵察したのだが、中にはスケートリンクやメリーゴーランドまである。ただ、観覧車をクリスマスのために作ってしまうのは流石にすごいわ。。
改めて、イギリスのクリスマス文化についてもまとめてみた。
今までのイギリス生活と結びついて、深い納得感がある。
話が逸れたが、街中には博物館や美術館も多い。学園都市ならではといったところか。
大学付近で有名な観光スポットとして、以下のような場所がある。
非常に不気味な時計で、なぜか突然止まったり動いたりする。
気になったので、詳しく調べてみた。
めちゃくちゃ面白い。
ちなみに、この時を食べる虫「クロノファージ」(Chronophage)について、色々と面白いので、もう少し詳しく記す。
なぜ不規則に止まったりするのか、その謎が解けた。めちゃめちゃ深い。
加えて、ギリシャ語の "Phagein"(食べる)という単語は、「マクロファージ(macrophage)」という言葉に酷似していたため、関係があるのではないかと仮説を立てて調べてみた。
マクロファージについては、『はたらく細胞』をご覧ください。
丁度前日までアテネに行っていたため、古代ギリシャがあらゆる学問につながってくることを改めて実感する。
世界史の流れを辿ればそれは明らかなのだが。
加えて、食事と聞くと違和感がないが、人間も同じように捕食して生きているんだよなぁなどと変な感傷に浸ってしまった。
記事のキリがなくなるので、この辺りでやめておく。
こうした良くわからないものは、掘っていくと必ずといっていいほど面白い事実や繋がりに出会う。その瞬間は半端ではない喜びで満ち溢れている。
元々比較的好奇心が強いのと、前職の仕事柄、色々と探索するのが癖のようになっているのだが、物事がなんでも楽しくなるのでオススメだ。
時計のせいでだいぶ脱線したが、大学前のカフェで朝ごはんを食べることにする。
朝食を食べ終わり、10時になったたため大学内のチャペルを訪れることに。ただしその前に、ケンブリッジ大学についてもう少しまとめてみることにする。
ケンブリッジ大学について
このカレッジ制度は、ハリーポッターのホグワーツの4つの寮の制度(グリフィンドール、スリザリン、ハッフルパフ、レイブンクロー)と似ている。
イギリスやスコットランドを巡っていると、ハリーポッターがこうした制度や伝統、その土地の景色などから影響を受けて生み出されていることが分かり、面白い。
加えて、ケンブリッジ大学の卒業生には、誰もが聞いたことのある偉人たちがズラリ。
自分も前職でこうした偉人たちを扱った授業などをしていたため、彼らもここで学んだのかと思うと何とも感慨深いものがあった。
気になったので、もう少し詳しく卒業生などをまとめてみる。
改めて、ワクワクするラインアップだ笑
ニュートンに関しては、あの有名なリンゴの木がキャンパスの前にある。(このエピソードについては諸説あるらしいが)
アラン・チューリングについては、マンチェスターにも銅像があり、実際に目にしたことがある。
ちなみに、なぜマンチェスターにこの銅像があるのか。
理由は以下の通りだそう。
エニグマ暗号で描かれているとは、粋な演出だ。
話が逸れたが、個人的にはガンダルフが卒業生だったことに驚いた笑
昨年末に行ったシンガポールの初代首相、リー・クアンユーは主席だったらしい。さすがだ。。
また、以下に大学の特徴をもう少しまとめてみる。
ということで、またしても話が膨らんでしまったが、ようやく大学構内の様子を紹介することとする。(早くしろ)
大学の様子
大学の美しいキャンパスは入ることのできる場所が限られているため、ボート上から大学の建物群を眺めるのが特にオススメだ。
ガイドさんの解説には、過去の偉人たちのエピソードも含まれており、素晴らしい体験だった。
街の様子
ロンドンに帰るまでに巡った、大学以外の場所の写真も残しておく。
街は落ち着いた雰囲気で、イギリスらしいのどかさも感じられる。
個人的にロンドンより好きかもしれない。。
そして最後に、この記事の締めくくりとして、こちらのポーラーミュージアム (The Polar Museum)を紹介したい。
ここは、南極探検の歴史や、イギリスの探検家スコットの功績を学べる場所。入館料は無料だ。
前職時代に授業で扱ったことがあり、この南極探検のエピソードには馴染みがある。以下の記事に詳しくまとめている。
南極探検は、20世紀初頭の「南極点到達競争」として知られる歴史的な探検で、2人の探検家、イギリスのロバート・ファルコン・スコットとノルウェーのロアール・アムンセンが、それぞれ南極点への到達を目指した物語だ。
概要をざっくりとまとめておく。
上記はあくまでもまとめであり、こんなに簡単に比較したり、表現できるものではない。この博物館を訪れて、その背景まで含めて一層そう思うようになった。
博物館の中には、当時の資料などが数多く展示されている。
背景を知っていたからということもあるが、ケンブリッジ滞在の最後にして、最大の衝撃を受けた博物館だった。
スコット最後の手紙は、読み進めるにつれて頭をハンマーで殴られたような感覚になり、しばらく呆然としてしまった。
特に妻に向けたメッセージは物凄く胸に迫るものがある。
他の人へのメッセージには最後に署名があるにも関わらず、妻にだけは署名がなく、メッセージが途中で途切れているのだ。
その意味を想像した時、しばらくその場から動けなかった。
探検家や偉人たちが、それぞれの命や人生をかけて切り拓いた科学的発見は、今でも人々の心を打つ。その場で立ち尽くしてしまうほどに。
自身の生き方についても、改めて問いを突きつけられているかのようだ。
ケンブリッジはただの街ではなかった。
寒空の中訪れたこの街には、美しい運河、人類の叡智と歴史が、今も静かに流れている。
※記事内の画像は全て、筆者が撮影したものか、生成AIにて生成しています。