【馬と人の関係】ヒトの盲点
ウマに対して、ヒトがリーダーとして接していく上で、盲点があります。
盲点1:人間のリーダーシップはウマには逆効果
ヒトの社会では、リーダーには生まれ持った資質や求められる資質があると思われています。
ヒトはウマに、「命令と服従」の関係を望み、そのために「指揮統率力」や「決断力」などといった多様な「〇〇力」というものを必要とします。
ヒトは、自分に不足している部分に注目して、それを「スキル」として取得して、強化するというアプローチをとりますが、これはウマのリーダーを続けるには遠回り。
おそらくリーダーを務めている間に挫折する可能性が大きいです。
このアプローチは、ヒトもウマも疲れてしまうのです。
相互に思い通りにならないとき、その解決手段として、
心理的物理的な「力」を行使することになりがちで、
「強制」と「抵抗」が起きやすくなるからです。
ウマは?
群れのウマがリーダーに求めるのは、
「群れが進む方向と移動の速度を示してくれること」だけ。
群れのリーダーがこの要望に応え続けるのに必要なことは、
「群れを信頼することと、いつも静かでいること。」だけ。
ウマの群れはシンプルです。
シンプルですが、その群れには、思いやりや助け合い、
受容や共感が満ちています。
捕食者が攻撃してきても、群れで回避しますし、
中には自己犠牲という最大の「強さ」を躊躇なく見せる場面もあります。
盲点2:逆説に満ちているウマのリーダーシップ
1. リーダー馬は、他の馬と比較して優れた身体能力は必須ではない。
2. 他の馬との諍いにおいて、勝つことよりも収めることの方が重要。
3. 群れを治めるのに必要なことは、「力」ではなく「優雅さ」。
未熟な者が「強くなろう」とするニュアンスの人の「リーダーシップ」。
馬のリーダーシップは、「強さ」よりは「静かさ」。
そこに「強さ」が潜んでいます。
強さを求めるヒトは「限界ある強さ」しか得られず、
静かさを求めるウマは「無限の強さ」が備わってくる。
ウマの世界とヒトの世界の違い、もっと見つけていきたいです。
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※文中、引用部分はすべて、「ホースハーモニー読本(©株式会社葉山ハーモニーガーデン)」からの引用です。