【馬と人の関係】老騎士の涙
昔、ヨーロッパのある老騎士が、いよいよ自分の臨終の時期を悟り、甥を呼び、別れを告げたときのこと。
「ああ、今死んでいかねばならぬとは、何たる不運だろう。」
甥は、威厳と謙虚さを兼ね備えた老騎士がほろほろと涙する姿を
生まれて初めて目の当たりにしたそうです。
数々の武勲をあげ、
多くの人々から尊敬され、
地位と名誉と富を成し、
齢96歳まで長生きした叔父の涙の意味が分からない甥。
「一週間前にやっと乗馬の奥義を究めたばかりなのだよ。」
引用:「馬と踊ろう(クラウス・フェルディナンド・ヘンプリンク著)
と、その老騎士は答えたそうです。
一生を馬に捧げ、96歳にして乗馬の奥義を知る老騎士。
その老騎士ほどの人物が一生を馬に捧げても、その人生の最後の最後に究められるほど深い世界。
おそらく無限の世界…
星子友宏元陸軍少佐の馬術動画「馬術の極致」
パラリンピック5大会連続金メダリストLee Pearsonの乗馬の光景
年齢、性別、身体的ハンディキャップの有無に関係なく、
ヒトもウマもかぎりなく、
どこまでもどこまでも成長していける、懐の深い世界。
ウマとヒトの世界はこんな世界です。
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